栽培記録アプリ「Gadenin」をリリースするに至った経緯
iOS アプリ「Gadenin」をリリースした。花・野菜・果樹などの栽培記録アプリだ。 今回、iOSアプリを一度も開発したことがない私がそもそもなぜこのアプリを作ろうと思ったのか、リリースに至るまでの経緯を残しておきたい。
ことの発端は、ノートやカレンダーでの栽培記録の限界だった
自分は植物をたくさん育てている。いつ追肥したとか、いつ剪定したとか、いつ土を入れ替えたのかとか。最初はノートや Google カレンダーで管理していたんだけど、株が増えるにつれてもう管理ができないくらい限界がきてしまった。これがことの発端だ。
やりたかったことはシンプルで、株ごとに、時系列で作業の記録ができるということ。 できれば動画もアップできて、写真も気軽にアップできて、写真に対してメモが残せる。これが一番やりたかったことだ。
設計を始めたら、やりたいことが次々に出てきた
それで、早速アプリの設計に入った。で、設計をしてたらいろいろとやりたいことが出てきた。
- 記録のたびに、その時の天気と気温を自動で記録したい
- インスタみたいに上下にスワイプして次の画像を見られるようにしたい
- 自分が育てている植物を他の人も同じように育てているんだったら、その人の栽培記録をマッチングさせて簡単に覗けるようにしたい
- なるべく多くの人に栽培記録を登録してもらうことで、品種ごとの育て方の「黄金律」が見えてくるはずだ
- プロ農家や園芸店のショップ店員などが育てていることがプロフィールを見ればわかって、その人の育て方の「リアル」もわかる
- 植物の病気や害虫の被害にあった、という記録を残したときに、同じ被害にあった人の記録を参考にできる
- 世の中に存在するあらゆる植物の作物名、それから品種名をサジェストで自動登録できるようにしたい。つまり自前でマスタデータベースを持つということだ
と、いろいろとやりたいアイディアが出てきた。それがこの Gadenin の特徴かもしれない、と思い開発に進んでいった。
「自分が使いたいと思う機能だけを作る」
単なる個人ツールのつもりで開発を始めたんだけど、どうせ作るなら、ちゃんと多くの人に「便利だな」と思ってもらえるような機能を開発したいと思った。ただ、一番優先したことは「自分が使いたいと思う機能だけを作りたい」だ。 自分が使いたいと思わないものを作っても、全然モチベーションに繋がらないから。
極めつけは「科学的に楽しく自給自足ch」だった
普段から YouTube ですごいファンのチャンネルがある。
このチャンネルの中で、正確な表現をなんと言っていたかは忘れてしまったんだけど、ニュアンスとしては「栽培技術、園芸レベルを上げるには、人の圃場を見学に行くことだ」と言っていた。
これの本質はこうだと思っている。
人は基本的に、自分がやってきた栽培方法を基準に物事を考えがちだ。でも他の人の圃場を見ると、自分の栽培方法とは大きく違うやり方をしていたり、同じ作物を育てていても三者三様の方法で収量を上げている人がいたりする。
そうやって他の人のやり方を実際に見ることで、初めて自分の栽培方法との違いや、自分にはなかった選択肢に気づくことができる。そこから、良いと思った部分を少しずつ自分の栽培方法に取り入れていく。そうやって自分のやり方を更新していくことが、栽培技術を上げることにつながる——という話を動画でしていて、本当にそのとおりだなと思った。
私は普段、ソフトウェアエンジニアの組織で働いている。優秀なエンジニアが多くいる現場にいるほうが、技術レベルがどんどん上がっていくのを肌身で感じてきた。だからこそ、同じことが農業界隈でも言われているというのが嬉しかった。素直に受け入れられた価値観だったからだ。
で、この考え方をこのアプリを通じて実現したいと思うようになった。一人でも多くの人が、他人の栽培記録を見ることで自分自身の園芸レベルや栽培技術を上げていく。日本人の日々の園芸ライフのレベルが、ほんの少しでも上がるお手伝いができたら。そう思うようになり、ぜひこのアプリをリリースしようと思うに至った。
構想からリリースまで
構想を固めたのは、たぶん 7 月上旬だ。ペットのトイ・プードルを真夏の日中に外で散歩させることができないから、気温が下がった夜に散歩しながら AI と会話して壁打ちをし、その結果をテキストで出力する。それを合計で 1 週間くらい続けて、要件を固めていった。
そこからリリースに至るまでに、サブスクの機能やソーシャル機能なども作るなどして、iOS アプリのリリースまでに 1 ヶ月半くらいかかったかと思う。
これから
まだリリースして 3 日くらいしか経っていなくて、インストールされているのは自分のテストアカウントと妻のアカウントだけだ。 でも、ここから広げていきたいと考えている。