増やし方の選び方
マンリョウは実が多く付くので、実生(種から育てること)が最も手軽な増やし方です。株元に落ちた実から自然に芽が出ていることも多く、それを掘って鉢に植えるだけでも増やせます。ただし白実や斑入りなどの品種は種から同じ性質が出るとは限らないので、品種を受け継ぎたいときは挿し木にします。取り木もできますが、幹が細いので家庭では挿し木で十分です。
| 方法 | 適期 | 向く場面 | 実が付くまで |
|---|---|---|---|
| 実生 | 3〜4月(前年の実をまく) | 普通の赤実、数を増やしたい | 2〜3年 |
| 挿し木 | 6月〜7月上旬 | 斑入りや白実など品種を残す | 2〜3年 |
| こぼれ種の掘り上げ | 3〜4月 | 株元に芽が出ているとき | 1〜2年 |
実生の手順
三〜四月に、冬を越して少ししぼんだ実を採り、水の中で果肉をもみ落として中の種を取り出します。種は乾かすと発芽率が落ちるので、洗ったらすぐにまきます。赤玉土小粒を入れた鉢に種を一センチ間隔で置き、五ミリほど土をかぶせて明るい日陰に置きます。発芽は一〜二か月後で、そろわずにぽつぽつと出るので、出ない種も捨てずに夏まで待ちます。
- 果肉を洗い落とす
- 実を水に入れて指でもみ、浮いた果肉と皮を捨てます。沈んだ種だけを使います。果肉に発芽を抑える成分があるので、きれいに落とします。
- すぐにまく
- 洗った種を赤玉土に一センチ間隔で置き、五ミリほど土をかぶせます。乾かさないよう毎日霧を吹くか、底面から水を吸わせます。
- 本葉四枚で移す
- 本葉が四〜五枚になったら一本ずつ三号ポットへ移します。根が細いので、土ごとすくって崩さないようにします。
- 二年目に鉢か庭へ
- 翌年の春に高さ一〇センチほどになったら五号鉢か庭の明るい日陰に植えます。三年目の秋には実が付き始めます。
六月の挿し木の手順
今年伸びた枝がやや固くなった六月中旬〜七月上旬が適期です。幹の先端一〇センチほどを切り、下の葉を落として上に葉を二〜三枚残します。マンリョウの葉は大きいので、残した葉を半分に切って水の蒸発を抑えます。切り口を一時間水に浸けてから、赤玉土か鹿沼土に三センチ挿し、明るい日陰で乾かさないように管理します。発根まで二か月ほどと遅いので、気長に待ちます。
- 挿し穂を切る
- 幹の先端から一〇センチを、朝のうちによく切れるはさみで切ります。切り口は斜めにして吸水面を広くします。
- 葉を減らす
- 下の葉は落とし、上の葉を二〜三枚残して、それぞれ半分に切ります。葉が多いと水が足りずに枯れ、少ないと養分が作れません。
- 赤玉土に挿して袋をかぶせる
- 肥料の入っていない赤玉土に割りばしで穴を空けて挿し、透明な袋をかぶせて湿度を保ちます。直射日光は避けます。
- 二か月後に確かめる
- 穂を軽く引いて抵抗があれば根が出ています。九月下旬〜十月に、根を崩さず三号ポットへ移します。
こぼれ種の芽を育てる
庭植えのマンリョウの株元には、落ちた実から出た芽がよく見つかります。三〜四月に本葉が二〜四枚の芽を見つけたら、根を切らないよう周囲の土ごとスコップですくって鉢に移します。親株の根元に密集したまま放っておくと親も子も弱るので、見つけたら早めに掘り上げます。一年ポットで育ててから庭や大きい鉢へ植えると、二年目には実が付き始めます。
- 土ごとすくう
- 芽の周囲五センチを深さ五センチほどスコップで掘り、土を崩さずに三号ポットへ入れます。根が細いので手で引き抜かないようにします。
- 一か月は日陰で
- 移した直後は根が傷んでいるので、明るい日陰で水を切らさず一か月養生します。新しい葉が出てきたら通常の置き場所へ移します。
うまくいかないときの原因
種が芽を出さないのは、果肉を落とし切れていないか、種を乾かしてしまったか、まいた後に土が乾いたかのどれかです。翌年の実で、洗い直してすぐにまく方法をやり直します。挿し穂が黒く腐るのは枝が柔らかすぎるか、土に肥料が入っていた場合で、乾いて枯れるのは日なたに置いたか葉を残しすぎたときです。何本挿しても根が出ないなら時期が遅く枝が固くなっているので、翌年は六月中旬に前倒しします。
| 見た目 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 種が半年たっても出ない | 果肉が残っていた、種が乾いた | 翌年は洗ってすぐまく |
| 挿し穂が黒く腐る | 枝が柔らかい、土に肥料 | 枝の固さを確かめ、新しい土で挿し直す |
| 挿し穂が乾いて枯れる | 日ざし、葉の残しすぎ | 袋をかぶせて日陰に置く |
| 芽は出るが抜ける | 芽が先に動いただけ | 触らずにあと一か月待つ |
育てた苗を実の付く株にする
実生や挿し木で育てた苗は、二年目までは幹を伸ばすことに集中させ、肥料は春と秋に少量だけやります。三年目の春に高さが二〇センチを超えたら、明るい日陰の定位置に植えて、七月の開花を待ちます。若い株は初めての年の実が少ないのが普通で、四年目から本格的に付きます。幹が一本で葉が上だけに付く姿を避けたいなら、二年目の春に先端を摘んで枝分かれさせておくと、低い位置にも実が付く株になります。
斑入りの品種を挿し木で増やした場合、緑一色の枝が出てきたら早めに付け根から切ります。放っておくと緑の枝のほうが勢いが強く、斑入りの部分が消えてしまいます。
- 二年目に先端を摘む
- 高さ一五センチほどのときに幹の先端を五ミリほど摘みます。摘心(先端の芽を摘んで枝分かれを促すこと)で二〜三本に分かれ、低い位置にも実が付きます。
- 初めての実は少なくて普通
- 三年目の実が数粒でも心配いりません。四年目から増えるので、肥料を増やして急がせないようにします。
マンリョウの挿し木・接ぎ木に使うもの
木を増やす方法は挿し木と接ぎ木で、要るものが違います。まず自分の木がどちらで増えるかを確かめます。
- 挿し木用土(鹿沼土・赤玉土小粒)探す言葉「挿し木 用土 鹿沼土」
- 規格の目安
- 鹿沼土か赤玉土の小粒、単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木 ルートン」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプ。
木は草花より根が出にくく、種類によっては差がはっきり出ます。
- 接ぎ木用ナイフ探す言葉「接ぎ木ナイフ 園芸」
- 規格の目安
- 片刃で、刃の平らなもの。よく研げるもの。
接ぎ木は切り口の面が合うかどうかがすべてです。普通のカッターでは平らな面を作れません。
- 接ぎ木テープ探す言葉「接ぎ木テープ 園芸」
- 規格の目安
- 伸びて自然に劣化するタイプ。幅 20〜30mm。
接いだところを密着させ、乾燥を防ぎます。外し忘れると幹に食い込むので、劣化するものが安全です。
- 挿し木で増える種類なら、接ぎ木の道具は要りません。
- 苗木を買うほうが早く実を付ける木も多く、増やすのは趣味の範囲と割り切る選択もあります。
マンリョウの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はマンリョウの育て方にまとめています。
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