切る必要があるかを株の姿で判断する
マンリョウは幹の先端に葉が輪のように付き、その下に実がぶら下がる姿が持ち味です。若いうちは剪定しなくても自然にまとまりますが、五〜六年たつと幹の下のほうの葉が落ちて棒のようになり、実も高い位置にしか付かなくなります。まず株の姿を見て、切る必要があるかどうかを判断します。
| 姿 | 剪定の要否 | やること |
|---|---|---|
| 高さ30〜50センチで葉が下まである | 不要 | 枯れ葉と枯れ枝を取るだけ |
| 幹が伸びて下半分に葉がない | 切り戻す | 3〜4月に幹を半分の高さで切る |
| 株元から子株がたくさん出ている | 整理する | 太い幹を3本ほど残して他を抜く |
| 葉が茂りすぎて中が見えない | 軽く透かす | 混んだ枝を付け根から抜く |
実を楽しんだ後の三月が切りどきです。実を付けたまま切ると実も落ちますが、株のためには春に切るほうが回復が早くなります。
切り戻しの時期と切る位置
切り戻しは新芽が動く直前の三月中旬〜四月上旬に行います。マンリョウは古い幹からも芽を出す力があるので、葉のない幹の途中で切っても、切り口のすぐ下の節から新しい枝が二〜三本出ます。切る高さは仕上げたい高さより一〇〜一五センチ低い位置が目安です。その分だけ新しい枝が伸びて、秋にはちょうどよい高さで実が付きます。
- 節の少し上で切る
- 幹をよく見ると葉の落ちた跡が節として残っています。その節の五ミリほど上で、よく切れる剪定ばさみで水平に切ります。
- 一度に切るのは全体の三分の一まで
- 株立ちなら幹を毎年一本ずつ切り戻すと、実のない年を作らずに済みます。一度に全部切ると二年間は実が見られません。
- 切り口に癒合剤を塗る
- 幹の直径が一センチを超えるときは、切り口から乾いて枯れ込むのを防ぐため、市販の癒合剤を薄く塗っておきます。
株立ちの整理と子株の扱い
庭植えのマンリョウは根元から子株がよく出て、放っておくと細い幹が林立して一本ごとの実が減ります。三〜四月に、太くて葉がよく付いた幹を三〜五本残し、細い幹や内側で交差する幹を根元から切ります。抜いた子株は根が付いていれば別に植えて増やせます。残す幹は高さをそろえるより、高低差を付けたほうが実が見えやすくなります。
- 残す幹を先に決める
- 太さと葉の量を見て、残す幹に麻ひもで目印を付けてから切り始めます。切りながら決めると残しすぎになりがちです。
- 細い幹は根元で切る
- 鉛筆より細い幹は実が付いてもまばらなので、地際で切ります。切り口を土に埋めておくと、そこから新しい芽が出ることもあります。
- 掘り上げた子株は別に植える
- 根が付いた子株はそのまま鉢に植えて、日陰で一か月養生します。二年ほどで実の付く株に育ちます。
日常の手入れは枯れ葉と実がら
本格的な剪定以外に、年に数回の軽い手入れで株がきれいに保てます。古い葉は春に新葉が展開すると自然に黄色くなって落ちるので、落ちかけの葉は手で取ります。実は春まで残りますが、四月に新しい花芽が動く前に、しぼんだ実を房ごと摘み取ると株の負担が減って翌年の実付きが安定します。
| 時期 | 手入れ | 目安 |
|---|---|---|
| 3〜4月 | 古い実の房を摘む | 実がしぼんで色が濁ったら |
| 5〜6月 | 黄ばんだ古葉を取る | 新葉が開ききったころ |
| 7〜8月 | 枯れ枝と混んだ枝を抜く | 株の内側が暗いと感じたら |
| 11〜2月 | 触らない | 実が色づいている間 |
切ったあとに芽が出ないときの原因と直し方
三月に切り戻したのに五月になっても新芽が出ない場合、切った位置が古すぎて節が残っていないか、根が弱っていて芽を押し出す力がないかのどちらかです。前者は幹を触って皮の下が緑ならまだ望みがあるので、六月まで待ちます。後者は根元を掘って根が黒く柔らかければ根腐れなので、傷んだ根を切って新しい土に植え直します。芽が出ても細く弱い場合は日照不足で、置き場所をもう少し明るい場所に変えます。
- 皮を削って生死を確かめる
- 切り口の下の幹の皮を爪で少し削り、緑なら生きています。茶色く乾いていれば、さらに下の緑の部分まで切り下げます。
- 六月まで待つ判断
- マンリョウは芽の動きが遅い木です。皮が緑なら六月中旬まで日陰で水を切らさず待ち、それでも出なければ根を確かめます。
- 翌年は切る量を減らす
- 回復した株は、翌年からは一度に切る幹を一本にして、株全体を一気に若返らせる切り方は避けます。
鉢植えを小さく保つ切り方
鉢植えは根が限られるので、庭植えより幹の伸びが遅く、切り戻しの間隔も長くなります。二〜三年に一回、植え替えと同じ三月に幹を切り戻し、根鉢の外側も二センチほど削って同じ鉢に戻すと、高さ三〇センチほどのまま実を楽しめます。根を切った年は葉の量も減らしておかないと水が足りなくなるので、幹の切り戻しと根の整理は同じ日に済ませます。
実を残したまま春を迎えた鉢は、四月に実の房を摘んでから切り戻すと、養分が新芽に回ります。切った幹の先は挿し木の穂に使えるので、捨てずに赤玉土に挿しておくと予備の株になります。
- 植え替えと同時に切る
- 根鉢の外側を削った分だけ、幹も同じ割合で切り戻します。根と葉のつり合いが取れていると、植え替え後の葉落ちが起きません。
- 切った幹は挿し穂に
- 切り落とした幹の先端一〇センチを、葉を二〜三枚残して赤玉土に挿します。日陰で乾かさなければ二か月ほどで根が出ます。
マンリョウの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
マンリョウの上手に育てるコツは作物ページに
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