植え替えが必要かを判断する
アレカヤシは根の成長が早く、二年ほどで鉢の中が根でいっぱいになります。根詰まりすると水が染み込みにくくなり、葉先の枯れや下葉の黄変が増えます。植え替えの前に、下の項目で株の状態を確かめてください。
目安に当てはまるものが一つでもあれば、次の五月に植え替えます。二つ以上当てはまるなら、根詰まりがかなり進んでいるので、時期を逃さず優先して行います。
- 鉢底から根が出ている
- 鉢底の穴から白い根が何本も出ていたら、中は根でいっぱいです。鉢の表面に太い根が盛り上がって見えるのも同じ合図です。
- 水がすぐ抜けるか染みない
- 水を与えてもすぐに鉢底から抜ける、あるいは表面にたまって染み込まないときは、土が根に置き換わっています。
- 鉢が倒れやすい
- 株の重心が上がって鉢ごと倒れるなら、鉢が小さすぎます。安定のためにも一回り大きな鉢に替えます。
- 二年以上替えていない
- 見た目に変化がなくても、二年以上たった土は粒が崩れて水はけが落ちています。目安として二年に一回は植え替えます。
適期は五月から七月
根を触る作業なので、回復の早い暖かい時期に行います。最低気温が十五度を超える五月から七月が最も安全です。真夏は暑さで弱り、秋以降は根が動かず冬までに回復しません。
| 時期 | 植え替えの可否 | 理由 |
|---|---|---|
| 3〜4月 | 早い | 根が動き始めておらず回復が遅い |
| 5〜7月 | 最適 | 根がよく動き、二週間ほどで新根が出る |
| 8月 | 避ける | 暑さで水切れと蒸れが重なる |
| 9月中旬〜4月 | 見送る | 冬までに根が回らず腐りやすい |
秋や冬に根腐れで緊急に植え替えるときは、土を落とさず鉢を替えるだけにとどめます。
鉢と用土の選び方
鉢は今より一回り、直径で三センチほど大きなものを選びます。二回り以上大きくすると土が乾かず根腐れします。土は観葉植物用の培養土に、赤玉土の小粒か軽石を二割ほど混ぜて水はけをよくします。
素焼き鉢は乾きが速く根腐れしにくい反面、大きくなると重くて動かせません。プラスチック鉢なら軽くて扱いやすいので、鉢底石を厚めに敷いて水はけを補います。どちらでも、鉢底の穴が大きいものを選びます。
| 今の鉢のサイズ | 次の鉢 | 用土の量の目安 |
|---|---|---|
| 六号(直径十八センチ) | 七号 | 三リットル |
| 八号(直径二十四センチ) | 九号 | 六リットル |
| 十号(直径三十センチ) | 十一号か株分け | 十リットル |
植え替えの手順
大きな株は重く、根鉢がなかなか抜けません。前日に水やりをして土をしめらせておくと、根鉢が崩れずに抜けます。作業は屋外か、新聞紙を広げた床で行います。
- 鉢から抜く
- 鉢を横に倒し、縁を手のひらで軽くたたきながら株元を持って引き抜きます。抜けないときは鉢の内側にへらを一周差し込みます。
- 根鉢を軽くほぐす
- 根鉢の肩と底の古い土を三分の一ほど落とし、黒く傷んだ根を切ります。白い根は切らずに残します。ぐるぐる巻いた底の根は指でほぐします。
- 高さを合わせて植える
- 新しい鉢の底に鉢底石を敷き、土を入れて株を置き、株元が鉢の縁から二センチほど下になるように高さを調整します。
- すき間に土を詰める
- 根と鉢のすき間に土を入れ、割りばしで突いてすき間をなくします。株がぐらつかなくなったら、鉢底から流れるまで水を与えます。
根鉢を割るときに白い根が多少切れても大丈夫です。黒い根だけを丁寧に取り、白い根はできるだけ残します。
植え替えた後の管理
植え替え直後は根が傷ついていて水を吸えません。二週間ほどは直射日光の当たらない明るい日陰に置き、土が乾いたら水を与えます。肥料はこの期間は与えず、新しい葉が動き出したら再開します。
- 明るい日陰で二週間
- レースのカーテン越しよりやや暗い場所に置き、葉水を朝夕にかけて葉からの蒸散を抑えます。風の当たる場所は避けます。
- 新葉が出たら元の場所へ
- 新しい葉が展開し始めたら根が回った合図です。元の置き場所に戻し、薄めた液体肥料を月に二回ほど与えます。
植え替え直後に肥料を与えると、傷ついた根がさらに傷みます。液体肥料も置き肥も、新葉が出るまでは待ちます。
植え替えで弱ったときの立て直し
植え替え後に葉が垂れたり黄色くなるのは、根を切りすぎたか、鉢を大きくしすぎて土が乾かないかのどちらかが多いです。原因を切り分けて、いじりすぎずに待つのが立て直しの基本です。
- 葉が垂れて戻らない
- 根を切りすぎて水が吸えていません。葉の枚数を三分の一ほど減らして蒸散を抑え、葉水を増やします。一か月は動かさず待ちます。
- 土がいつまでも乾かない
- 鉢が大きすぎます。風通しのよい場所に移して土を乾かし、それでも二週間以上湿るなら一回り小さい鉢に植え直します。
- 新葉が黒く腐る
- 株元に水がたまる深植えの可能性があります。株元を掘って根の上端が土の表面に出る高さに植え直します。
アレカヤシの植え替えに使うもの
植え替えは鉢を大きくする作業ではなく、根と土を新しくする作業です。同じ鉢に戻す選択もあります。
数量は直径 24cm(8 号)の鉢 1 個を単位にしています。号数は直径 cm を 3 で割った数です。
- 鉢(ひと回り大きいもの)探す言葉「植木鉢 8号 スリット」
- 規格の目安
- 直径で 3cm(1 号)だけ大きいもの。スリット鉢は根が鉢底で回りません。
急に大きくすると、根の届かない土が湿ったまま残り、根腐れの原因になります。1 号ずつが原則です。
- 培養土探す言葉「観葉植物 培養土 水はけ」
- 規格の目安
- 観葉植物用、または多肉・サボテン用。水はけ重視の配合。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、6 号鉢で約 3L、10 号鉢で約 15L。
古い土は粒が潰れて水はけが落ちています。土を替えることが植え替えの目的の半分です。
- 鉢底石探す言葉「鉢底石 ネット入り」
- 規格の目安
- 軽石。ネット入りなら次の植え替えでそのまま取り出せます。
鉢底の穴が土でふさがらないようにするためです。ネット入りは繰り返し使えます。
- 根切りばさみ・割り箸探す言葉「根切りばさみ 園芸」
- 規格の目安
- 刃の厚いはさみ。根鉢をほぐすのは割り箸や竹串で足ります。
固まった根鉢は、外側を切ってほぐさないと新しい根が出ません。土をかむので、普通のはさみは傷みます。
- 同じ鉢に戻すなら、新しい鉢は要りません。根を整理して土を替えるだけで十分です。
- 鉢底ネットは、スリット鉢なら要りません。
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