種からか苗からかを決める
インパチェンス(アフリカホウセンカ)は種からも育てられますが、種が細かく発芽に二十度以上の温度が要り、苗になるまで二か月かかります。家庭では四月下旬から五月に園芸店に並ぶポット苗を植えるのが一般的で、失敗もほとんどありません。たくさん植えたいときや、珍しい花色がほしいときだけ種から育てます。
| 方法 | 時期 | 開花 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ポット苗 | 4月下旬〜6月 | 植えてすぐ〜10月 | 初めての人。数株でよい |
| 種まき | 4月〜5月(室内なら3月) | 6月下旬〜10月 | たくさん植えたい。花色を選びたい |
| 挿し木 | 5月〜9月 | 1か月後〜 | 気に入った株を増やしたい |
近年は病気に強い改良品種も出ています。以前に葉が落ちる病気で枯れた経験があるなら、種袋やラベルで耐病性を確かめます。
苗の選び方
苗は節と節の間が詰まって、葉の色が濃くつやのあるものを選びます。茎がひょろ長く伸びた苗は日不足で徒長(ひょろ長く伸びること)しており、植えた後も倒れやすいです。花が咲いている苗より、つぼみが多い苗の方が植えてから長く咲きます。葉の裏に白い粉や黄色い斑点があるものは病気の疑いがあるので避けます。
- 節の詰まりを見る
- 葉と葉の間隔が短く、株が横に広がっている苗を選びます。上に細長く伸びた苗は避けます。
- 葉の裏を確かめる
- 数枚の葉を裏返して、白い粉や黄色い斑点、小さな虫が付いていないかを見ます。一株でも怪しければその棚の苗は避けます。
- 根鉢を見る
- ポットの底から白い根が少し見えていれば根が張っています。根が黒く茶色い苗は水のやりすぎで傷んでいます。
植える場所の明るさ
インパチェンスは日陰でも咲く数少ない夏の草花ですが、まったく日が当たらないと花が減ります。午前中だけ日が当たる場所か、一日中明るい日陰がちょうどよく、真夏の直射日光は葉を焼いて花を止めます。西日の当たる場所は避け、木の下や建物の東側、北側の明るい場所を選びます。
| 場所 | 向き不向き | 工夫 |
|---|---|---|
| 建物の東側 | 最適。午前中だけ日が当たる | そのまま植える |
| 落葉樹の下 | 最適。木漏れ日 | 根の競合を避けて鉢植えでも |
| 建物の北側 | よい。明るければ咲く | 白や淡い色の品種で明るく見せる |
| 南向きの花壇 | 夏に葉焼けする | 背の高い草花の足元に。または遮光 |
| 西日の当たる場所 | 避ける | 午後に日陰になる場所へ |
土作りと株間
土は水持ちがよく、水はけもよいものが向きます。花壇なら腐葉土を二割ほど混ぜ、緩効性の元肥(植える前に土に混ぜておく肥料)を少量入れます。鉢なら市販の草花用培養土で十分です。株間は二十〜二十五センチで、一株が直径三十センチ前後に広がります。詰めて植えると蒸れて株元が傷むので、隙間は株が埋めると考えます。
- 花壇は腐葉土を混ぜる
- 植える場所を深さ二十センチほど耕し、腐葉土を二割と元肥を混ぜます。水はけの悪い土なら軽石も一割加えます。
- 株間二十〜二十五センチ
- 苗を並べてから穴を掘ります。三株以上なら互い違いに配置すると、広がったときに隙間ができにくいです。
- 根鉢を崩さず浅めに
- ポットから抜いた苗の根鉢は崩さず、上面が地面と同じ高さになるように植えます。深植えは茎が腐る原因です。
- たっぷり水をやる
- 植え終えたら株元にたっぷり水をやります。一週間は土の表面が乾いたら水をやり、直射日光を避けて根付かせます。
鉢とプランターでの植え方
インパチェンスは鉢植えでもよく育ちます。五号鉢(直径十五センチ)に一株、六十センチのプランターに三株が目安です。ハンギングに植えると枝が垂れて花が四方に広がります。日陰のベランダでも咲くので、集合住宅の北側でも楽しめる貴重な夏の花です。夏は毎日水がいるので、土が多めに入る容器の方が管理が楽です。
| 容器 | 株数の目安 | 置き場所 |
|---|---|---|
| 5号鉢(直径15センチ) | 1株 | 明るい日陰の棚 |
| 60センチプランター | 3株 | 東側か北側のベランダ |
| ハンギングバスケット | 2〜3株 | 直射日光の当たらない軒下 |
| 寄せ植えの大鉢 | 他の草花と2〜3株 | 日陰向きの草花と合わせる |
植え付け後に元気がないときの原因
植えて一週間ほどで葉がしおれたり黄色くなったりするときは、日が強すぎる、水が足りない、深く植えすぎたのどれかがほとんどです。インパチェンスは水切れするとすぐにしおれますが、水をやれば数時間で戻ります。戻らないなら根か茎が傷んでいます。姿と土の湿り気を見て切り分けます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 昼にしおれ、水をやると戻る | 水切れ | 朝の水やりを増やす。土を多めに |
| 水をやってもしおれたまま | 根腐れ・茎の腐れ | 株元を見て、腐っていれば抜く |
| 葉の縁が白く焼ける | 直射日光 | 日陰へ移すか遮光 |
| 葉が黄色く落ちる | 水のやりすぎ・寒さ | 土が乾くまで待つ。5月上旬なら寒さ |
| 葉は元気だが広がらない | 根が張る途中 | そのまま待つ。2週間で動き出す |
五月上旬の植え付けで葉が黄色く落ちるなら、夜の寒さです。十五度を下回る夜は不織布をかけるか、鉢なら軒下へ入れます。
インパチェンスの苗づくりに使うもの
本葉が出てからポットに移し、根が回ってから花壇や鉢へ。この 2 段階に必要なものです。
- ポリポット(9cm)探す言葉「ポリポット 9cm 園芸」
- 規格の目安
- 直径 9cm が標準。生育の早いものは 10.5cm。
セルトレイのまま育てると根が回りきって傷みます。本葉 2〜3 枚でポットへ移します。
- 育苗用の受け皿トレイ探す言葉「育苗トレイ 受け皿 底面給水」
- 規格の目安
- ポットが並ぶ大きさで、水を張れる深さのあるもの。
上から水をやると小さな苗が倒れます。下から吸わせると茎が締まります。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 苗 薄め」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。苗には規定より薄めて使います。
種まき用土には肥料分がほとんどありません。本葉が出たら薄い液肥で足します。
- 苗を買って植えるなら、育苗の資材は要りません。
- 育苗箱の加温は、春まきの一部を除けば要りません。
インパチェンスの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はインパチェンスの育て方にまとめています。
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