株分けできる株かを確かめる
シュロチクは挿し木では増やせず、地際から出る子株を親株から切り離す株分けで増やします。種からも育ちますが家庭では現実的ではありません。株分けは根を切る作業なので、子株が十分育ってから行うのが成功の条件です。
どの方法でも気温が二十度を超える時期に行うのが成功の条件です。秋以降に分けると根が回復する前に冬が来て枯れるので、五〜六月に限ります。
| 株の状態 | 株分けの可否 | やること |
|---|---|---|
| 子株が三本以上、それぞれ葉が三枚以上 | 分けられる | 5〜6月に株分け |
| 子株が一〜二本で葉が少ない | まだ早い | 一年育ててから分ける |
| 鉢いっぱいに茂って持ち上がっている | 分けどき | 植え替えを兼ねて二〜三株に分ける |
| 親株が弱っている | 分けない | 先に植え替えて回復させる |
株分けの準備
株分けは植え替えと同時に行います。分けたあとに植える鉢と土を先にそろえ、根を空気にさらす時間を短くします。分けた株は元の鉢より小さくて構いませんが、根の大きさに合った鉢を選びます。
株分けは親株にも負担がかかります。分けた年は親株も新しい葉が出るまで時間がかかるので、一度に全部を細かく分けず、二〜三株にとどめると回復が早いです。
- 鉢と土をそろえる
- 分ける株の数だけ鉢を用意します。根鉢より一回り大きい程度の鉢に、観葉植物用の土と鉢底石を入れておきます。
- 刃物を清潔にする
- 根を切るハサミかナイフは、切り口から雑菌が入らないよう熱湯かアルコールで消毒します。切れ味が悪いと根がつぶれて傷むので、よく切れるものを使います。
- 前日に水を控える
- 土が乾いていると鉢から抜きやすく、根の絡みもほぐしやすいです。前日から水を与えず、作業は午前中の涼しい時間に行います。
株分けの手順
根が太く絡み合っているので、手でほぐしきれない場合は刃物で切り分けます。一株に根が三本以上つくように分けるのが目安で、根の少ない子株は親株に残します。
- 鉢から抜いて土を落とす
- 鉢の縁を叩いて緩め、株元を持って引き抜きます。根鉢の周りの古い土を手で軽く落とし、根の分かれ目が見える程度にします。
- 分け目を決める
- 地下茎でつながった子株と親株の境目を探します。それぞれの株に根が三本以上、葉が三枚以上つく位置で分け目を決めます。
- 切り分ける
- 手で引き離せるならそのまま、無理なら地下茎をナイフで切ります。切り口はできるだけ小さくし、腐った根や傷んだ根はこのとき切ります。
- それぞれ植え付ける
- 分けた株を鉢に植え、根元が鉢の縁から三センチ下になるよう高さを合わせます。隙間に土を入れ、割り箸で突いて根の間まで落とします。
- たっぷり水を与える
- 鉢底から流れるまで水を与えて土を落ち着かせます。沈んだ分の土を足し、明るい日陰に二〜三週間置いて根を落ち着かせます。
分けたあとの養生
株分け直後は根が減って水を吸う力が落ちているため、葉先が枯れやすくなります。明るい日陰に置き、葉水で湿度を保ちながら新しい葉が動くのを待ちます。新しい葉が出るまでは一〜二か月かかることもあります。
養生中に下の古い葉が一〜二枚枯れるのは普通です。株の中心の葉が緑で硬ければ回復しますので、枯れた葉は付け根から切って様子を見ます。
- 直射日光を避ける
- 二〜三週間は明るい日陰に置きます。強い光で葉から水分が抜けると、根が吸えない分だけ葉先が枯れます。
- 葉水を毎日行う
- 根が吸えない分を葉から補います。日中に葉の裏まで霧吹きで濡らし、夕方までに乾く状態にします。
- 肥料は新芽が出てから
- 傷んだ根に肥料が触れると肥料焼けを起こします。新しい葉が動き出してから、緩効性肥料を少量置きます。
- 水は乾いてから
- 根が減った分、土は乾きにくくなっています。指で確かめて表面が乾いてから与え、受け皿の水は捨てます。
うまく根づかないときの原因と直し方
株分けが失敗する原因はほとんどが「根が少ない」「時期」「水の与えすぎ」の三つです。分けた株の葉が次々枯れる、株元が黒く柔らかいなら根腐れ、葉先だけ枯れるなら根の不足で水が足りていない状態です。
秋に分けて失敗した場合は無理に続けず、残った親株を冬越しさせて翌年五月にやり直します。株分けは時期と根の量さえ合えば失敗の少ない方法なので、焦らないのが一番の近道です。
| 分けた株の見た目 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 株元が黒く柔らかい | 水の与えすぎ・切り口からの腐り | 水を止めて乾かす。腐った部分を切り直す |
| 葉先が次々枯れる | 根が少ない・乾燥 | 葉水を増やし、明るい日陰で待つ |
| 一か月以上変化がない | 気温が低い・根の回復待ち | 二十度以上の場所で気長に待つ |
| 葉が全部枯れた | 根が足りなかった | 株元が硬ければ春まで待つ。柔らかければ処分 |
シュロチクの挿し木・株分けに使うもの
鉢ものは剪定した枝がそのまま材料になります。水に挿すだけで根が出る種類も多く、道具はほとんど要りません。
- 挿し木用土(鹿沼土・赤玉土小粒)探す言葉「挿し木 用土 鹿沼土 小粒」
- 規格の目安
- 鹿沼土か赤玉土の小粒、単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 水挿し用の容器探す言葉「ガラス 花瓶 小さい 水耕」
- 規格の目安
- 口の細いガラス容器。中が見えるもの。
根の出方を目で確かめられます。水は 2〜3 日に一度替え、切り口が濁ったら洗います。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。節の少し下を斜めに一度で切ります。
- 3 号ポット探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)。
根が出るまでは小さい容器のほうが乾き具合を見やすく、失敗しても被害が小さくて済みます。
- 水挿しで根が出る種類なら、用土も発根促進剤も要りません。
- 多肉植物は切り口を数日乾かしてから挿します。水に挿すと腐ります。
シュロチクの上手に育てるコツは作物ページに
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