一年の流れを表で見る
シュロチクは二十度を超えると新しい葉を出し、十五度を下回ると生長を止めます。作業は五〜六月に集中させ、夏は守り、冬は休ませます。生長が遅いので肥料は他の観葉植物の半分程度で足ります。下の表は関東平野部の室内で育てる場合の目安です。
| 月 | 主な作業 | 水やりと肥料 |
|---|---|---|
| 1〜2月 | 零度以下にしない。葉水で乾燥を防ぐ | 七〜十日に一回。肥料なし |
| 3月 | 明るい窓辺へ。枯れた葉先を切る | 徐々に間隔を詰める。肥料なし |
| 4月 | 葉を洗って害虫を確かめる | 表面が乾いたら。下旬から緩効性肥料 |
| 5〜6月 | 植え替え・株分けの適期 | 生育期の水やり。液体肥料を月二回 |
| 7〜8月 | 屋外なら日陰へ。作業は控える | 朝夕の水やり。肥料は薄めに |
| 9月 | 植え替えの最終期 | 乾いたら。緩効性肥料は最後 |
| 10月 | 屋外の株を軒下か室内へ | 間隔を空ける。肥料を止める |
| 11〜12月 | 暖房の風を避けて配置 | 七〜十日に一回。葉水を続ける |
春(3〜5月)の作業
三月に株を明るい場所へ移し、冬の間に枯れた葉先を切って姿を整えます。新しい葉が動き出す五月が、植え替えと株分けの適期です。生長が遅いので焦らず、根詰まりのサインが出た株だけ植え替えます。
春は害虫の卵がかえる時期でもあります。植え替えのついでに葉の裏と葉の付け根を見て、カイガラムシの殻やハダニの点があれば洗い流しておくと、夏の大発生を防げます。
- 枯れた葉先を切る
- 冬の乾燥で茶色くなった葉先を、葉の形に沿って斜めに切ります。葉全体が枯れているなら付け根から切り取ります。
- 新芽の動きを確かめる
- 株の中心から筒状の新しい葉が伸びてきたら生育開始の合図です。水やりの間隔を詰め、四月下旬から緩効性肥料を少量置きます。
- 五〜六月に植え替えと株分け
- 根詰まりしている株は一回り大きな鉢へ、大きくなりすぎた株は株分けして鉢を分けます。
夏(6〜9月)の作業
屋外の日陰に出すと幹が太り、丈夫な株になります。ただし直射日光には弱く、西日が当たる場所では葉が焼けます。水切れしやすいので、朝に土を触って確かめる習慣をつけます。
夏の屋外では長雨で土が乾かないと根が傷みます。梅雨どきは軒下に寄せ、受け皿は外して水がたまらないようにします。雨上がりに鉢を触って湿ったままなら、水やりは見送ります。
夏に肥料を薄めるのは、高温で根が肥料を吸えず、残った肥料分が根を傷めるからです。葉先が枯れ始めたら肥料を止め、水をたっぷり流して様子を見ます。
- 六月中に植え替えを終える
- 植え替えは梅雨明け前に終えます。真夏の植え替えは根の回復が追いつかず、葉枯れが広がります。
- 水は朝か夕方に
- 日中の高温時に与えると鉢の中が蒸れます。朝に土を触り、乾いていれば朝のうちに与えます。
- 肥料は薄めに
- 三十度を超える日が続く間は、液体肥料を規定の倍に薄めて月一回程度にとどめます。濃い肥料は葉先枯れの原因になります。
秋から冬(10〜2月)の作業
十月に肥料を止め、屋外の株は霜が降りる前に軒下か室内へ移します。冬は零度以下にしないことと、乾かしすぎないことの二つを守れば失敗しません。暖房の風で葉先が枯れやすいので、葉水を続けます。
冬に下の古い葉が枯れるのは普通で、株の中心の葉が緑で硬ければ心配いりません。枯れた葉は付け根から切り、鉢の上に残さないようにします。
- 肥料を止める
- 十月に入ったら肥料を止めます。冬に肥料が残っていると根を傷めるだけで、生長には使われません。緩効性肥料の残りは取り除きます。
- 置き場所を決める
- 日中は窓辺で光を当て、夜は窓ガラスから離します。暖房の風が直接当たる場所は避け、当たるなら位置をずらすか衝立で遮ります。
- 葉水を続ける
- 暖房で乾いた部屋では葉先が枯れ、ハダニが増えます。日中に葉の裏まで霧吹きで濡らし、月に一度は葉を拭いてほこりを落とします。
時期を逃したときの対処
植え替えを逃して秋以降に根詰まりに気づいたら、無理に植え替えず翌年五月まで待ちます。水が浸み込まないなら割り箸で土に穴を開けて水の通り道を作り、それでしのぎます。
どの場面でも共通するのは、弱った株に肥料を与えないことです。肥料は元気な株の生長を助けるもので、弱った根には負担にしかなりません。回復して新しい葉が動いてから再開します。
| 場面 | すぐにやること | 本格的な対処の時期 |
|---|---|---|
| 秋に根詰まりに気づいた | 割り箸で土に穴を開ける | 翌年5〜6月に植え替え |
| 冬に葉先が枯れ込んだ | 暖房の風を避け、葉水を増やす | 3月に枯れた部分を切る |
| 夏に葉焼けした | 日陰へ移す。焼けた葉は残す | 9月に焼けた葉を切る |
| 肥料焼けで葉先が枯れた | 水をたっぷり流して肥料を洗い出す | 新しい葉が出てから肥料を再開 |
シュロチクの栽培に一年を通して使うもの
鉢ものは、季節ごとに買い足すものがほとんどありません。年に一度の植え替えと、日々の水やりの判断を支えるものだけです。
数量は直径 24cm(8 号)の鉢 1 個を単位にしています。号数は直径 cm を 3 で割った数です。
- 観葉植物用の培養土探す言葉「観葉植物 培養土 水はけ」
- 規格の目安
- 水はけ重視の配合。多肉植物・サボテンならさらに粒の粗い専用土。5〜14L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、6 号鉢で約 3L。
室内では土が乾きにくく、水もちのよい土だと根が傷みます。用途の書かれた土を選ぶだけで失敗が減ります。
- 土壌水分計探す言葉「土壌水分計 観葉植物」
- 規格の目安
- 土に挿して読む針式。乾き・適・湿の 3 段階が読めれば十分です。
鉢ものを枯らす原因の筆頭は水のやりすぎです。表面が乾いていても中は湿っていることが多く、測るのがいちばん確実です。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 観葉植物 置き肥」
- 規格の目安
- 2〜3 か月効く粒状。土の上に置くだけのもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢に 10〜15g を、生育期(春から秋)に 2〜3 か月ごと。
冬は生育が止まるので与えません。休眠中に肥料を置くと、吸われずに土に残って根を傷めます。
- サーキュレーター探す言葉「サーキュレーター 静音 小型」
- 規格の目安
- 小型で首振りのあるもの。植物に直接強い風を当てない置き方ができるもの。
室内は風がありません。空気が動かないと土が乾かず、ハダニやカイガラムシも増えます。弱い風を回すだけで変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 冬の間は、肥料も植え替えも要りません。水やりの回数を減らすだけです。
シュロチクの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はシュロチクの育て方にまとめています。
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