目的で増やし方を選ぶ
キンギョソウは一年草扱いなので、毎年種で更新するのが基本です。自分で採った種は親と少し違う花色が混ざることがあり、八重咲きや特定の品種を保ちたいときはさし芽で増やします。まず目的と時期を表で確かめます。
どの方法でも、増やした株が咲くのは翌春です。秋にまいた種も秋にさした芽も、冬を越して四月から五月に咲きます。春にさした芽だけは、その年の秋に小さく咲くことがあります。
| 目的 | 向く方法 | 時期 |
|---|---|---|
| 翌年も同じように楽しむ | 種を採ってまく | 採種6月、まき9月下旬 |
| 八重や特定の花色を保つ | さし芽 | 5月〜6月、9月〜10月 |
| すぐに苗を増やす | 市販の種か苗 | 9月〜10月 |
| こぼれ種で自然に増やす | 花がらを一部残す | 6月に種を落とさせる |
種の採り方
種を採るなら、一番花の穂の下の数輪を摘まずに残します。花が終わると小さなさやができ、六月ごろ茶色く乾いて先端に穴があきます。さやを振ると中の細かい種がこぼれるので、穴があく前に穂ごと切って紙袋に入れて乾かします。全部の花を残すと株が疲れるので、一株に穂一本が目安です。
- 残す花を決める
- 花色や形が気に入った株の、一番花の穂の下三〜五輪を摘まずに残します。残りの花は普段どおり摘みます。
- さやの色を見て切る
- さやが緑から茶色に変わり、乾いてきたら穂ごと切ります。先端に穴があく直前が採り時です。
- 紙袋で乾かす
- 穂を紙袋に入れて逆さに吊るし、風通しのよい日陰で一〜二週間乾かします。袋の中に種がこぼれます。
- ごみを取り分ける
- 袋の中身を白い紙に出し、息を軽く吹いてさやの殻を飛ばします。残った細かい黒い粒が種です。
種の保存とまき直し
乾かした種は封筒に入れて品種名と日付を書き、密閉容器に乾燥剤と一緒に入れて冷蔵庫の野菜室で保管します。常温の引き出しでも一年はもちますが、二年目からは発芽率が落ちるので多めにまきます。秋の九月下旬にまくときは、まき方の記事のとおり土をかけずにまきます。
| 保存の状態 | 発芽率の目安 | まくときの注意 |
|---|---|---|
| 冷蔵庫で密閉、一年以内 | 高い | 通常の量でまく |
| 常温の引き出し、一年以内 | やや落ちる | 少し多めにまく |
| 二年以上たった種 | 半分以下 | 二倍の量をまき発芽しなければ市販の種に切り替える |
採った種の花色は親と違うことがあります。混ざるのを楽しむつもりで、こだわる品種は市販の種かさし芽にします。
さし芽の手順
五〜六月か九〜十月に、つぼみの付いていない若い枝先を切ってさすと、二〜三週間で根が出ます。八重咲きや気に入った花色をそのまま保てるのが利点です。切り戻しで出た枝を使えば無駄がありません。真夏と真冬は根が出にくいので避けます。
- さし穂を取る
- つぼみのない若い枝の先端を五〜七センチ切り、下の葉を落として上の葉を二〜三枚残します。清潔な刃物で斜めに切ります。
- 水あげする
- 切り口を三十分ほど水につけて吸わせます。しおれたまま土にさすと根が出る前に枯れます。
- 湿った土にさす
- 肥料の入っていない鹿沼土か赤玉土の小粒に、割りばしで穴を開けてから茎を二センチほどさします。
- 明るい日陰で待つ
- 直射日光を避けた明るい場所に置き、土を乾かさないよう霧吹きで湿らせます。茎を軽く引いて抵抗があれば根が出ています。
こぼれ種で自然に増やす
花壇では、一部の花がらを残しておくと六月に種が落ち、秋に自然と芽が出ます。翌年の春に花色が混ざった株が咲きますが、手間がかからず丈夫に育ちます。出てきた芽は混み合うので、本葉四〜五枚のころに株間二十センチになるよう間引くか、掘り上げて別の場所へ移します。
- 落とす場所を決める
- 翌年も咲かせたい場所の株だけ、穂の下の花を残して種を落とさせます。他の株は花がらを摘みます。
- 秋に芽を見つける
- 九月から十月に株元の周りに小さな芽が出ます。雑草と間違えやすいので、丸い双葉と細長い本葉で見分けます。
- 間引きと移植
- 本葉四〜五枚で株間二十センチに間引きます。移すなら土ごとすくって根を切らないようにします。
うまく増えないときの原因
種が採れないのは花がらを全部摘んだか、雨でさやが腐ったためです。採った種が発芽しないのは乾燥が足りず保存中にカビたか、まくとき土をかけすぎたためです。さし穂が黒く腐るのは水のやりすぎか、つぼみ付きの枝を使ったためです。原因を分けて次に生かします。
| 場面 | よくある原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| さやができない | 花がらを全部摘んだ | 一株に穂一本を残す |
| 種にカビが出た | 乾燥不足・湿った保存 | 十分に乾かして乾燥剤と密閉する |
| 採った種が発芽しない | 覆土が厚い・古い種 | 土をかけずにまき二年以上の種は多めに |
| さし穂が黒く腐る | 水の多すぎ・つぼみ付きの枝 | つぼみのない枝を新しい土にさし直す |
キンギョソウの挿し芽・株分けに使うもの
挿し芽は、肥料分のない清潔な土に挿すのが基本です。培養土に挿すとうまくいかないのはそのためです。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒・鹿沼土)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用、または「挿し芽・種まき用」と書かれた土。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L、育苗箱 1 枚で 2L 前後。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプか、液に浸すタイプ。
根の出にくい種類で成功率が変わります。出やすい草花なら無くても十分です。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。斜めに一度で切るのが基本です。
- 3 号ポット・育苗箱探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)のポットか、浅い育苗箱。
根が出るまでは小さい容器のほうが管理しやすく、乾き具合も見えます。
- 発根しやすい草花なら、発根促進剤は要りません。水に挿すだけで根が出るものもあります。
- 密閉できる容器があれば、挿し芽用の温室は要りません。
キンギョソウの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はキンギョソウの育て方にまとめています。
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