仕立て方で置き場所の選択肢が変わる
コウモリランは熱帯の木の幹に根を張って暮らす着生植物で、土に植えなくても育ちます。鉢植え、板付け、苔玉、ハンギングのどれで手に入れたかによって、置ける場所と乾き方が大きく違うため、まず自分の株の仕立てを下の表で確かめます。
| 仕立ての種類 | 向く置き場所 | 乾きやすさと注意 |
|---|---|---|
| 水苔で鉢植え | 窓辺の棚、床置き | 最も乾きにくい。鉢の中まで乾いてから水 |
| 板付け、コルク付け | 壁掛け、窓際のフック | 乾きが速い。夏は二〜三日で乾く |
| 苔玉、ハンギング | 窓際に吊るす | 風で乾きやすい。重さで乾きを判断 |
| ヘゴ板やバスケット | 屋外の軒下、室内の吊り下げ | 水が下に落ちる。受け皿かトレイが必要 |
明るい日陰が基本、直射日光は避ける
自生地では大木の幹の中ほどに付き、上の枝葉に遮られた木漏れ日を受けています。室内ではレースのカーテン越しの窓辺が理想で、窓から二メートル以上離れると胞子葉が細く長く伸び、貯水葉が小さくなります。真夏の直射日光は葉を焼くので、南向きの窓辺ではカーテンを必ず一枚挟みます。
置き場所を変えたあとは、次に出る胞子葉と貯水葉で結果を判断します。コウモリランは一枚の葉が育つのに一〜二か月かかるため、二週間で結論を出さず、新しい葉が完全に開くまで同じ場所で待ちます。
- 胞子葉の向きを見る
- 鹿の角のように伸びる胞子葉が、光のほうへ一方的に伸びていたら光が片寄っています。二週間ごとに向きを変えると形が整います。
- 貯水葉の大きさで判断
- 株元を覆う丸い貯水葉が新しく出るたびに小さくなるなら光不足です。窓に一メートル近づけて次の貯水葉を待ちます。
- 葉の白い粉を残す
- 胞子葉の表面には星状毛と呼ばれる白い粉があり、強光と乾燥から葉を守ります。触ってこすり落とさないようにします。
風通しは明るさと同じくらい大切
着生植物であるコウモリランは、根が空気に触れている状態が自然です。風の止まった部屋の隅に置くと、貯水葉の裏の水苔が乾かず、根元から腐ってきます。窓を開けられない季節はサーキュレーターで部屋の空気を動かすだけでも違います。ただしエアコンの風が直接当たると胞子葉の先が枯れ込みます。
| 場面 | 起きやすいこと | 対策 |
|---|---|---|
| 閉め切った部屋の隅 | 水苔が乾かず根元が腐る | サーキュレーターで空気を動かす |
| エアコンの吹き出し口の近く | 胞子葉の先が茶色く枯れる | 風向きを変えるか一メートル離す |
| 屋外の軒下 | 最もよく育つ | 直射日光と雨の直撃を避ける |
| 浴室の窓辺 | 湿度が高く生育がよい | 光が足りるか確かめる。換気を忘れない |
夏は屋外の日陰で育てると締まる
五月から十月の屋外管理は、コウモリランを最も元気にする方法です。軒下やベランダの、直射日光が当たらず雨も直接かからない場所に吊るします。屋外の風で貯水葉が厚く硬くなり、胞子葉も立ち上がります。ただし室内から急に出すと葉焼けするので、最初の一週間は日陰から始めます。
屋外に出す期間は、貯水葉が硬く締まり色が濃くなるのが目で分かります。夏の終わりに株を持ち上げて重さが増していれば、根も水苔の中で増えている合図です。
- 曇りの日に出す
- 初日は曇りか雨上がりを選び、建物の北側などの完全な日陰に置きます。一週間後に明るい日陰へ移します。
- 雨の直撃を避ける
- 貯水葉の中に雨水が溜まり続けると腐ります。軒下や屋根のある場所に吊るし、台風の前は室内に入れます。
- 十月に取り込む
- 最低気温が十五度を下回り始めたら室内へ。取り込む前に葉の裏と水苔の中の虫を点検します。
冬は十度を目安に室内へ
コウモリランの多くの種類は寒さに弱く、五度を下回ると胞子葉が黒ずみます。冬は室温十度以上を保てる部屋の窓辺に置き、夜はガラスから離します。加湿器の近くや、人がいて暖かいリビングの窓辺がよく合います。暖房の乾いた風が当たる場所は避け、葉水で湿度を補います。
| 時期 | 昼の置き場所 | 夜の対策 |
|---|---|---|
| 11月 | 室内の窓辺へ移す | カーテンを閉めて冷気を遮る |
| 12〜2月 | 最も暖かい部屋の窓辺 | 五度を切る夜は部屋の中央へ |
| 3〜4月 | 窓辺のまま日を取り込む | 暖かい日が続いたら夜も窓辺で慣らす |
置き場所が原因の不調を見分ける
コウモリランの不調は水の問題と思われがちですが、置き場所が原因のことも多くあります。症状の出方から切り分け、原因を一つずつ取り除きます。貯水葉が茶色くなるのは正常な老化で、株元を覆ったまま剥がさずに残します。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 胞子葉が細く長く垂れる | 光不足 | 窓に近づけて次の葉で判断 |
| 胞子葉に白く抜けた斑点 | 直射日光の葉焼け | カーテン越しに戻す。斑点は消えない |
| 胞子葉の先が茶色く乾く | 乾燥した風 | エアコンから離し、葉水を増やす |
| 株元の水苔が黒く臭う | 風通し不足と過湿 | 風の通る場所へ移し、しばらく乾かす |
| 貯水葉が茶色くなる | 正常な老化 | 剥がさない。新しい貯水葉が上から覆う |
コウモリランの置き場所を整えるのに使うもの
室内は、人が明るいと感じても植物には暗いことがほとんどです。光を足すか、置き場所を変えるかのどちらかです。
- 植物育成ライト探す言葉「植物育成ライト 白色 クリップ」
- 規格の目安
- 白色(フルスペクトル)で、株から 30〜50cm に吊るせるもの。1 日 8〜12 時間。
窓から離れた場所では、どの植物も徐々に間延びします。紫色のライトは効きますが、部屋の見た目が変わるので白色が現実的です。
- レースカーテン探す言葉「レースカーテン 遮光 UV」
- 規格の目安
- 光を通すもの。遮光率の高すぎるものは逆効果です。
夏の直射は、室内で育った葉を焼きます。外から入れたばかりの株ほど、一枚挟んで慣らします。
- キャスター付き鉢台探す言葉「鉢 キャスター 台 室内」
- 規格の目安
- 耐荷重を土と水を含めた重さで見ます。8 号鉢で 10kg 前後。
大きな鉢は動かせないと、季節に合わせて置き場所を変えられません。床の通気も良くなります。
- 温湿度計探す言葉「温湿度計 デジタル 小型」
- 規格の目安
- 最低・最高を記録できるもの。
窓際は日中と夜で 10℃ 以上違うことがあります。冬に葉を落とす原因は、たいてい夜の冷え込みです。
- 窓辺に置けるなら、育成ライトは要りません。
- 加湿器は植物のためだけには要りません。霧吹きとサーキュレーターで足りることが多いです。
コウモリランの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はコウモリランの育て方にまとめています。
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