仕立てごとに乾き方が違う
コウモリランは根が水苔に包まれているため、土に植えた植物とは水やりの感覚が違います。仕立てによって乾く速さが数倍違うので、まず自分の株がどの行に当たるかを下の表で確かめ、水を与える間隔の出発点にします。
| 仕立ての種類 | 春秋の乾き方 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 水苔で鉢植え | 七〜十日で乾く | 水苔に指を入れて中の湿りを見る |
| 板付け | 三〜五日で乾く | 貯水葉の裏の水苔を触る。株ごと持って重さを見る |
| 苔玉、ハンギング | 二〜四日で乾く | 手に取って重さで判断 |
| プラスチック鉢に土植え | 十日以上湿る | 竹串を挿す。この仕立ては過湿になりやすい |
乾いてから与えるが、乾かしすぎない
水苔が完全に乾いてから与えるのが基本ですが、からからの状態で何日も置くと貯水葉が萎び、胞子葉が垂れます。表面が乾き、持ち上げて軽くなったころが与えどきです。与えるときは水苔全体が水を含むまでしっかりと与え、中途半端に表面だけ濡らすことは避けます。
水やりの記録を付けると、自分の株の乾き方が数週間で見えてきます。与えた日と、そのとき株が軽かったか重かったかを書き留めるだけで、次に迷う回数が減ります。
- 重さを覚える
- 水を与えた直後と乾いたときの重さを一度ずつ手で覚えます。板付けや苔玉では、これが最も確実な判断の方法になります。
- 貯水葉の裏を触る
- 貯水葉の縁を少し持ち上げ、裏の水苔を指で触ります。冷たさや湿りを感じなければ乾いています。
- 胞子葉の張りを見る
- 胞子葉が少し垂れて張りが弱くなったら、乾きすぎのサインです。すぐに与えれば半日で戻ります。
与え方は仕立てで変える
鉢植えなら普通に上から与えられますが、板付けや苔玉は上からかけても水苔に染み込まず流れ落ちます。バケツやシンクに水を張り、株の水苔の部分を沈めて吸わせる方法が確実です。貯水葉の中に水を溜め続けると腐るので、沈めたあとは水を切ってから元の場所に戻します。
- 鉢植えは上から
- 貯水葉の隙間から水苔に向けて注ぎ、鉢底から流れるまで与えます。受け皿の水は捨てます。
- 板付けと苔玉は沈める
- バケツに室温の水を張り、水苔の部分を十〜二十分沈めます。気泡が出なくなったら十分に吸っています。
- 水を切ってから戻す
- 引き上げたら数分ほど吊るして水を切り、貯水葉の中に溜まった水は傾けて捨てます。濡れたまま壁に掛けると壁が傷みます。
- 胞子葉にも霧吹き
- 胞子葉は葉からも水を吸います。水やりのついでに葉の表裏に霧吹きすると、乾燥した部屋でも張りが保てます。
季節ごとの間隔の目安
コウモリランは春から秋が生育期で、冬は生長がほぼ止まります。冬に生育期と同じ間隔で与えると、水苔が乾かないまま根元が腐り、春に貯水葉が黒くなって崩れます。下の表は板付けと鉢植えの目安で、実際には毎回乾きを確かめてから与えます。
| 時期 | 板付け・苔玉 | 水苔の鉢植え | 葉水 |
|---|---|---|---|
| 4〜6月 | 三〜五日に一回 | 七〜十日に一回 | 二日に一回 |
| 7〜9月 | 二〜三日に一回 | 五〜七日に一回 | 毎日 |
| 10〜11月 | 五〜七日に一回 | 十日前後に一回 | 二〜三日に一回 |
| 12〜3月 | 七〜十日に一回 | 二〜三週間に一回 | 週に二回。暖房時は増やす |
屋外の風の当たる場所では表より速く乾きます。逆に湿度の高い浴室では倍ほど長く持ちます。
貯水葉に水を溜めない
貯水葉は株元を覆って落ち葉や水分を受け止める葉ですが、室内で水が溜まり続けると内側から腐ります。水やりのたびに、貯水葉の内側に水が残っていないかを確かめます。とくに貯水葉が上向きに開いた形の種類は水が溜まりやすく、水やりのあとに株を傾けて水を捨てる習慣を付けます。
- 水やり後に傾ける
- 沈めて与えたあとは、株を前後に傾けて貯水葉の内側の水を出します。上から与えたときも同じです。
- 生長点を濡らしたままにしない
- 貯水葉の中心にある新芽の部分に水が残ると、そこから腐ります。霧吹きも生長点を直接狙わず、周りに吹きます。
- 夜の水やりを避ける
- 夜に与えると朝まで乾かず、冬は冷えと重なって傷みます。午前中に与えて日中に表面を乾かします。
水が多いか少ないかを見分ける
胞子葉が垂れたときに、水切れか根腐れかを見誤ると手当てが逆になります。水苔の状態と株元の様子を組み合わせて判断します。根元が黒く柔らかく、臭いがあるなら腐りが始まっており、水を止めて乾かし、ひどければ水苔を替えて傷んだ根を取り除きます。
| 症状 | 水苔の状態 | 原因と手当て |
|---|---|---|
| 胞子葉が垂れて張りがない | からからに乾いている | 水切れ。沈めて吸わせれば翌日に戻る |
| 胞子葉が垂れ、株元が黒い | 湿ったまま | 根腐れ。乾かし、水苔を新しくする |
| 貯水葉が根元から黒く崩れる | 湿ったまま | 貯水葉に水が溜まった。傾けて捨て、風を通す |
| 胞子葉の先だけ枯れる | どちらでも起きる | 空気の乾燥。葉水と置き場所の見直し |
コウモリランの水やりに使うもの
「何日おき」で決めると必ず外します。乾いたかどうかを見る道具と、鉢底から抜けるようにする道具に分けます。
数量は直径 24cm(8 号)の鉢 1 個を単位にしています。号数は直径 cm を 3 で割った数です。
- 土壌水分計探す言葉「土壌水分計 観葉植物」
- 規格の目安
- 土に挿して読む針式。電池の要らないものが手軽です。
表面の乾きと、鉢の中の乾きは一致しません。挿して確かめる習慣が付くと、やりすぎがなくなります。
- 注ぎ口の細いジョウロ探す言葉「ジョウロ 室内 注ぎ口 細い」
- 規格の目安
- 容量 1〜2L。注ぎ口が細く長いもの。
葉の間から株元へ差し込んで注げます。葉に水を溜めると、そこから腐る植物があります。
- 受け皿探す言葉「鉢 受け皿 室内」
- 規格の目安
- 鉢底より一回り大きいもの。
鉢底から抜けた水を受けるためのものです。**溜まった水はそのつど捨てます。** 溜めたままにするのが根腐れの典型です。
- 霧吹き(葉水用)探す言葉「園芸 霧吹き 葉水」
- 規格の目安
- 300〜500ml。霧の細かいもの。
水やりの代わりにはなりませんが、葉裏に当てるとハダニが付きにくくなります。乾燥する冬の室内で効きます。
- 自動給水器は、留守が続くときだけで十分です。日常は自分で見るほうが確実です。
- 多肉植物には霧吹きは要りません。かえって蒸れの原因になります。
コウモリランの上手に育てるコツは作物ページに
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