三つのやり方から選ぶ
切り戻しで出た茎をそのまま使えるので、増やすのに困らない植物です。手軽さを取るなら水挿し、株を早く作りたいなら土に挿す挿し木、鉢が窮屈になっているなら株分けを選びます。
| 目的 | やり方 | 根が出るまで |
|---|---|---|
| 手軽に試したい | 水挿し | 一週間から二週間 |
| しっかりした株にしたい | 土への挿し木 | 二週間から四週間 |
| 鉢が窮屈になった | 株分け | 植え替えと同時 |
挿し木の手順
適期は五月から九月です。気温が二十度を超えていれば根が出やすく、二週間ほどで動き始めます。切り戻しの時期と重なるので、刈り込んだ枝を捨てずに使うのが合理的です。
挿し木の鉢は、直径十二センチほどの浅めの鉢に何本かまとめて挿すとうまくいきます。一本ずつ小さい鉢に挿すと乾きが速く、根が出る前にしおれてしまうことがあります。
挿してから根が出るまでは、明るい日陰から動かさないことが大事です。ようすが気になって毎日抜いて確かめると、出かけた根が切れてやり直しになります。
- 枝を十センチで切る
- その年に伸びた元気な茎を選び、十センチほどに切ります。先端のやわらかすぎる部分は水が抜けやすいので外します。
- 下半分の葉を取る
- 土に埋まる部分の葉をしごいて落とします。葉が土に触れたままだと、そこから腐って挿し穂全体がだめになります。
- 水を吸わせる
- コップの水に三十分ほど浸けて水を吸わせます。この一手間で、挿したあとにしおれる確率がはっきり下がります。
- 湿らせた土に挿す
- 赤玉土の小粒か種まき用の土を湿らせ、割りばしで穴をあけて挿します。挿したあとは土を寄せて茎を固定します。
挿し木の土に肥料は入れません。根が出る前の肥料は、切り口を傷めて腐りの原因になります。
水挿しで根を見ながら育てる
透明なコップに水を入れ、茎を挿しておくだけで根が出ます。根の出方が目で見えるので、初めてならこちらが分かりやすいやり方です。
ただし水の中で出た根は土の中で伸びる根と作りが違い、そのまま土に植えると一度しおれます。根が二センチほどになったら、早めに土へ移すのが成功のこつです。
- 水は毎日替える
- 水が濁ると切り口が腐ります。毎日新しい水に替え、コップの内側のぬめりも洗い流します。
- 明るい日陰に置く
- 直射日光に当てると水温が上がって腐ります。窓ぎわの明るい日陰に置き、水温が上がりすぎない場所を選びます。
- 二センチで土へ移す
- 根が二センチほど伸びたら土に植えます。長く伸ばしすぎると、植えたときに折れたり傷んだりします。
株分けで増やす
植え替えのときに、根鉢を手で二つか三つに割って別々の鉢に植えます。根が細かく絡んでいるので、はさみで切るより手で裂くほうが傷みが少なくて済みます。
- 根鉢を裂く
- 抜いた根鉢の底から親指を入れ、上に向かって手で裂きます。無理な位置で割ろうとせず、自然に分かれる線を探します。
- 枝も同じだけ減らす
- 根が半分になった株は、枝も半分に切って釣り合わせます。これをしないと、水を吸えずに葉が落ちます。
- 同じ土に植える
- それぞれ一回り小さい鉢に、元と同じ配合の土で植えます。植えたあとはたっぷり水を与え、二週間は日陰で休ませます。
- 分けた株に名札をつける
- 同じ姿の株が並ぶと、いつ分けたものか分からなくなります。日付を書いた名札を挿しておくと、翌年の管理が楽になります。
根が出ないときの原因
失敗のほとんどは、時期が寒いか、挿し穂が乾いたか、切り口が腐ったかのどれかです。二週間たっても変化がないときは、そっと引いてみて手ごたえを確かめます。
- 引いて確かめる
- 軽く引いて抵抗があれば根が出ています。すっと抜けるなら、切り口を新しく切り直してもう一度挿します。
- 乾かさない工夫
- 挿した鉢に透明な袋をかぶせると、湿り気が保たれて成功率が上がります。日なたに置くと蒸れるので、必ず日陰で行います。
- 時期を選び直す
- 十一月から三月は根が出にくい時期です。冬に失敗したなら、五月まで待って挿し直すほうが確実です。
増やした株の最初の一年
根が出たばかりの株は、まだ水を吸う力が弱く、乾きにも寒さにも敏感です。一年目をていねいに越せば、二年目からはふつうの株として扱えます。
この時期に肥料をやりすぎると、根の育ちが追いつかないまま茎だけ伸びて、ひょろひょろの姿になります。薄い肥料を少しずつが原則です。
- 小さい鉢で育てる
- 根の量に合った直径九センチほどの鉢から始めます。いきなり大きい鉢に植えると、土が乾かずに根が腐ります。
- 先端を摘む
- 茎が十五センチほど伸びたら先を摘みます。摘むたびに枝分かれし、株元から詰まった姿になります。
- 初めての冬を守る
- 一年目の冬は屋外に置かず、軒下か室内に入れます。水は控えめにし、暖房の風が当たらない明るい場所に置きます。
ワイヤープランツの挿し木・株分けに使うもの
鉢ものは剪定した枝がそのまま材料になります。水に挿すだけで根が出る種類も多く、道具はほとんど要りません。
- 挿し木用土(鹿沼土・赤玉土小粒)探す言葉「挿し木 用土 鹿沼土 小粒」
- 規格の目安
- 鹿沼土か赤玉土の小粒、単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 水挿し用の容器探す言葉「ガラス 花瓶 小さい 水耕」
- 規格の目安
- 口の細いガラス容器。中が見えるもの。
根の出方を目で確かめられます。水は 2〜3 日に一度替え、切り口が濁ったら洗います。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。節の少し下を斜めに一度で切ります。
- 3 号ポット探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)。
根が出るまでは小さい容器のほうが乾き具合を見やすく、失敗しても被害が小さくて済みます。
- 水挿しで根が出る種類なら、用土も発根促進剤も要りません。
- 多肉植物は切り口を数日乾かしてから挿します。水に挿すと腐ります。
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