症状から原因を切り分ける
アガベは丈夫で病気にはかかりにくいのですが、日本の高温多湿では根腐れと蒸れ、急な直射による葉焼けが起きます。症状を見たらまず土が湿っているか乾いているかを触って確かめ、下の表で原因を絞ります。
| 症状 | 考えられる原因 | 最初の手当て |
|---|---|---|
| 下葉が黄色く柔らかくなる | 根腐れ | 水を止め、鉢から抜いて根を確かめる |
| 葉に白や茶色の斑が広がる | 葉焼け | 半日陰へ移す。斑は戻らない |
| 葉の付け根に白い綿状のもの | コナカイガラムシ | 歯ブラシで落とし、殺虫剤を散布 |
| 葉に茶色のかさぶた状のもの | カイガラムシ | こそげ落とし、月一回確認 |
| 中心の葉が黒く抜ける | 蒸れによる腐敗 | 腐った部分を取り除き乾かす |
| 葉に黒い小さな点が増える | 炭疽病などの病気 | 斑点のある葉を切り、殺菌剤を散布 |
根腐れと蒸れ
最も多い障害が根腐れです。水の与えすぎ、水はけの悪い土、風通しの悪さが重なると起きます。下葉から黄色く柔らかくなり、株元を触ってぐらつくようなら根が腐っています。早く気づけば株元を削って乾かし、発根させて助けられます。
- 鉢から抜いて根を見る
- 黒く柔らかい根は指でつまむと皮がむけます。すべて切り取り、株元も柔らかければ白い部分が出るまで削ります。
- 乾かして殺菌する
- 切り口に園芸用の殺菌剤を塗り、一週間ほど日陰で乾かします。乾いた土の上に置いて発根を待ちます。
- 再発を防ぐ
- 土を水はけのよいものに替え、置き場所を風の通る場所に変えます。夏はサーキュレーターで空気を動かします。
葉焼けと寒さの傷み
室内や温室から急に直射日光へ出すと、葉の表面が白く抜けたり茶色い斑ができます。この斑は元に戻りませんが株は枯れません。新しい葉が出れば目立たなくなるので、慣らす時間を取ることが唯一の予防です。冬に霜に当たると葉が水浸しのように透け、そのあと茶色く枯れ込みます。
- 葉焼けしたら
- すぐに半日陰へ移し、一〜二週間かけて改めて日に慣らします。斑の部分は切り取らずそのままにします。
- 凍害を受けたら
- 透けた葉はやがて枯れます。中心が無事なら春に新葉が出るので、水を控えて暖かい場所で待ちます。
カイガラムシとその他の害虫
葉の付け根や裏に白い綿のようなものが付くのはコナカイガラムシ、茶色いかさぶた状に付くのはカイガラムシです。どちらも葉の汁を吸って株を弱らせ、排泄物にすす病が付きます。密集した葉の付け根に潜むので、月に一度は葉をかき分けて確かめます。夏はアザミウマが葉の表面を白くかすらせることもあります。
- 物理的に落とす
- 数が少なければ歯ブラシや竹串でこそげ落とします。付け根の奥は綿棒に薄めた中性洗剤をつけてぬぐいます。
- 殺虫剤を使う
- 多いときは多肉植物や観葉植物に使える浸透移行性の殺虫剤を株元にまくか、散布します。二週間後にもう一度確認します。
- 冬に卵を減らす
- 冬の休眠中に枯れた下葉を外し、付け根を掃除しておくと翌年の発生が減ります。外した下葉の裏に卵や幼虫が残っていることがあるので、鉢のそばに捨てずに袋に入れて処分します。
予防のための日常管理
病害虫の予防は、水はけのよい土、乾かし気味の水やり、風通しの三つでほぼ足ります。新しく買った株は一〜二週間ほかの株から離して置き、虫が付いていないか確かめてから並べます。枯れた下葉は病気や虫の隠れ場所になるので、乾いたら手で外します。
- 月一回の点検
- 葉の付け根と裏、鉢底を月一回見ます。異常を早く見つけるほど手当てが簡単です。葉をかき分けるときは厚手の手袋をして、とげで手を切らないようにします。
- 道具の消毒
- 剪定ばさみやカッターは株ごとに消毒します。切り口からの感染を防ぎます。消毒用のアルコールを布に含ませて刃を拭くか、火であぶって冷ましてから次の株に使います。
アガベに特有のトラブルの見分け
アガベは一般の病害虫のほかに、株の形と育ち方に由来するトラブルがあります。葉先のとげが折れる、葉の縁が茶色く波打つ、株の中心に水がたまって透けるといった症状は虫や病気ではなく、置き場所と扱い方で起きます。原因を知れば手当ては簡単です。
- 葉先のとげが折れる
- 鉢を動かすときにぶつけて折れるのがほとんどです。折れたとげは戻りませんが株には影響しません。移動は株を持たず鉢を持ち、置く場所の間隔を葉の長さ分空けます。
- 葉の縁が茶色く波打つ
- 肥料の与えすぎか、夏の強い日差しで葉が急に伸びたときに出ます。肥料を止め、次の葉が正常なら心配ありません。
- 中心の葉が透けて柔らかい
- 水がたまって腐り始めています。ロゼットの中心を乾いた布で拭き、風の通る日陰で数日乾かします。柔らかい部分が広がるなら取り除いて殺菌剤を塗ります。
- 斑入り種の斑が消える
- 光不足です。斑入りの種類は光が足りないと緑の部分が増えます。ただし斑の部分は葉焼けしやすいので、慣らしはより慎重にします。
アガベの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアガベの育て方にまとめています。
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