まず株の姿を見て置き場所を決める
アガベはメキシコの乾いた高地に自生する植物で、日本の家庭では最も光を欲しがる多肉植物のひとつです。葉が短く厚く、中心から放射状に詰まっているなら光が足りています。葉が薄く長く、中心の葉が上に立ち上がって間延びしているなら光不足です。
買ったばかりの株は温室育ちで葉が柔らかいことが多く、いきなり真夏の直射に出すと葉焼けします。下の表で今の株の姿に近い行を選び、そこから置き場所を調整します。
| 株の姿 | 考えられる状態 | 置き場所の調整 |
|---|---|---|
| 葉が短く厚く、中心が詰まる | 光が足りている | 今の場所を続ける |
| 葉が薄く長く、中心が立ち上がる | 光不足で徒長(光を求めて間延びした状態) | 一〜二週間かけて屋外の直射へ移す |
| 葉の表面が白く抜けたり茶色い斑がある | 急な直射で葉焼け | 半日陰へ戻し、朝日だけの場所から慣らす |
| 下葉が黄色く柔らかい | 過湿か風通し不足 | 雨の当たらない風の通る場所へ |
屋外の直射日光と風が基本
春から秋は屋外で朝から午後まで直射日光が当たり、風が抜ける場所が理想です。ベランダなら手すりの外側に近い明るい端に置き、壁際の照り返しが強い場所は避けます。光が強いほど葉の縁の鋸歯(のこぎり状のとげ)が赤や黒に色づき、株全体が締まります。
風通しは光と同じくらい大切です。空気が動かないと葉のすき間に湿気がこもり、真夏に蒸れて中心の葉が黒く腐ることがあります。
- 朝日から慣らす
- 室内や温室から出すときは、最初の一週間は午前中だけ日が当たる場所に置きます。葉の色が変わらないことを確かめてから、徐々に日の当たる時間を延ばします。
- 鉢を地面から浮かす
- コンクリートの床に直接置くと真夏は鉢の底が五十度近くになります。すのこやポットフィートで浮かせ、底からも風が通るようにします。
- 雨に当てすぎない
- 春秋の雨は問題ありませんが、梅雨と秋の長雨は軒下へ移します。三日以上土が湿り続けると根が傷みやすくなります。
室内で育てるなら窓辺の南向きだけ
室内での長期栽培はおすすめしにくいのですが、冬の避難や窓辺での鑑賞なら可能です。ガラス越しでも南向きの窓辺で一日五時間以上直射が入る場所を選びます。レースのカーテン越しでは光量が足りず、二か月ほどで中心の葉が伸び始めます。
植物育成用のライトを補助に使う場合は株の真上三十センチほどに置き、一日十二時間点灯します。ライトだけで屋外の直射と同じ光量は出せないので、冬の間の形崩れを遅らせる道具と考え、春になったら必ず屋外へ戻します。
- 週に一度鉢を回す
- 窓に向いた側だけが育って株が傾きます。週に一度鉢を四分の一ずつ回し、放射状の形を保ちます。
- 暖房の風を当てない
- エアコンの温風が直接当たると葉先から乾いて茶色くなります。吹き出し口の正面を避け、加湿器も近づけません。
季節ごとに移す場所
| 時期 | 置き場所 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 3月〜5月 | 屋外の直射日光 | 冬に室内だった株は一〜二週間かけて慣らす |
| 6月〜7月中旬 | 屋外の軒下 | 梅雨の長雨を避ける。風通しを最優先 |
| 7月下旬〜9月 | 屋外の直射日光、西日は遮る | 鉢を浮かせ、夕方に葉に水をかけて温度を下げる |
| 10月〜11月 | 屋外の直射日光 | この時期の光で葉が締まり色が乗る |
| 12月〜2月 | 軒下か日の当たる室内 | 耐寒性のある種類は霜に当てなければ屋外可 |
アガベ・アメリカーナやパリーなど大型で寒さに強い種類は関東平野部なら軒下で冬を越せます。チタノタなど小型の種類は五度を目安に室内へ入れます。
形が崩れたときの立て直し
一度伸びてしまった葉は元の短さには戻りません。ただし置き場所を直せば新しい葉から短く締まって出てくるので、半年から一年で伸びた葉が外側に押し出され、見た目が回復します。伸びた葉を無理に切り取ると株が弱るので、枯れてから外します。
- 光を増やす
- まず置き場所を屋外の直射日光へ変えます。急に変えると葉焼けするので、一〜二週間かけて日の当たる時間を延ばします。
- 水と肥料を絞る
- 伸びている間は水を控えめにし、肥料は止めます。乾き気味で育てるほど新しい葉が厚く短くなります。
- 新しい葉の形で判断する
- 中心から出る新しい葉が前より短く厚ければ管理が合っています。まだ長いなら光か風がまだ足りないと判断して場所を見直します。
冬の置き場所と霜よけの判断
冬の置き場所は種類の耐寒性で変わります。同じアガベでも、マイナス五度に耐える種類と、五度で葉が傷む種類があります。買ったときの札や品種名を確かめ、分からなければ寒さに弱い種類として扱い、最低気温五度を目安に室内へ入れると失敗が減ります。
- 軒下で越冬させるとき
- 雨と霜が直接当たらない軒下の南側に置き、鉢を壁に寄せます。土は乾いた状態を保ち、五度以下の予報の夜は不織布を一枚かけて朝にはがします。
- 室内へ入れるとき
- 暖房の効いていない明るい窓辺が向きます。暖かい部屋に置くと休眠せずに葉が伸びるので、夜に十度前後まで下がる場所のほうが形が保てます。
- 春に戻すとき
- 最低気温が十度を超える日が続いたら屋外へ出します。室内で三か月過ごした葉は柔らかくなっているので、午前だけ日の当たる場所から一〜二週間かけて慣らします。
アガベの置き場所を整えるのに使うもの
室内は、人が明るいと感じても植物には暗いことがほとんどです。光を足すか、置き場所を変えるかのどちらかです。
- 植物育成ライト探す言葉「植物育成ライト 白色 クリップ」
- 規格の目安
- 白色(フルスペクトル)で、株から 30〜50cm に吊るせるもの。1 日 8〜12 時間。
窓から離れた場所では、どの植物も徐々に間延びします。紫色のライトは効きますが、部屋の見た目が変わるので白色が現実的です。
- レースカーテン探す言葉「レースカーテン 遮光 UV」
- 規格の目安
- 光を通すもの。遮光率の高すぎるものは逆効果です。
夏の直射は、室内で育った葉を焼きます。外から入れたばかりの株ほど、一枚挟んで慣らします。
- キャスター付き鉢台探す言葉「鉢 キャスター 台 室内」
- 規格の目安
- 耐荷重を土と水を含めた重さで見ます。8 号鉢で 10kg 前後。
大きな鉢は動かせないと、季節に合わせて置き場所を変えられません。床の通気も良くなります。
- 温湿度計探す言葉「温湿度計 デジタル 小型」
- 規格の目安
- 最低・最高を記録できるもの。
窓際は日中と夜で 10℃ 以上違うことがあります。冬に葉を落とす原因は、たいてい夜の冷え込みです。
- 窓辺に置けるなら、育成ライトは要りません。
- 加湿器は植物のためだけには要りません。霧吹きとサーキュレーターで足りることが多いです。
アガベの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアガベの育て方にまとめています。
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