咲かない原因を先に切り分ける
カトレアは、その年に育った新しいバルブが十分に太ってはじめてシース(バルブの先の葉の付け根から出る、花芽を包む薄い袋)を出し、その中で花芽が育ちます。咲かないときは、バルブの大きさ、シースの有無、シースの中の様子のどこで止まったかを確かめます。
| 株の姿 | 考えられる原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 新しいバルブが去年より小さい | 春夏の光と肥料が不足 | 屋外の明るい場所で育て肥料を定期的に |
| バルブは太いがシースが出ない | 光不足か品種の性質 | 光を増やし、シースなしで咲く品種か確かめる |
| シースは出たが中が空のまま茶色くなる | 秋冬の低温か乾燥、株の体力不足 | 夜一三度以上を保ち乾かしすぎない |
| つぼみが出たのに開かず黄色くなる | 乾燥、温度の急変、水のたまり | 湿度を保ち置き場所を固定する |
春から夏にバルブを太らせる
花の元になるのは、春に出た新芽が夏の間に太って作るバルブです。この時期に光をしっかり当て、肥料を切らさないことが花への一番の近道です。新根が伸び始めたら薄い液体肥料を十日に一度、五月から七月は緩効性の置き肥も併用します。
去年のバルブと今年のバルブの大きさを比べてください。同じか大きければ育て方は合っています。小さくなっているなら光か肥料か水のどれかが足りていません。葉が濃い緑なら光を、葉は黄緑なのに小さいなら肥料を疑います。
- 新根が出たら肥料を始める
- 新芽の根元から新根が二〜三センチ伸びたら、規定の二千倍に薄めた液体肥料を十日に一度与えます。根が動く前に与えても吸いません。
- 置き肥は七月まで
- 洋ラン用の緩効性肥料を鉢の縁に置きます。八月に入ったら外し、秋は薄い液体肥料だけにします。
- 光は葉の色を見て増やす
- 葉が黄緑で硬い状態を保てる範囲でできるだけ明るい場所に置きます。濃い緑に戻るなら遮光を減らします。
シースが出てから開花まで
バルブが完成すると、先端の葉の付け根から平たい薄い袋のシースが出ます。シースが出てから花芽が中で動き出すまで、品種によって数週間から数か月かかります。この間は乾かし気味にして待ち、シースの中に小さなふくらみが透けて見えたら水を少し増やします。
シースが茶色く枯れたように見えても、中の花芽が生きていることはよくあります。切らずにそのまま置き、中にふくらみがあるかを光に透かして確かめます。中が空で先まで枯れ込んでいるなら、その年は咲きません。
- シースを光に透かす
- シースを窓の光に透かして見ると、中の花芽の影が見えます。影がふくらんできたら開花に向かっています。
- 水のたまりに注意
- シースの中に水が入ると花芽が腐ります。水やりと葉水はシースにかからないように行います。
- つぼみが出たら場所を固定
- つぼみがシースを破って出たら、置き場所を変えず鉢も回しません。動かすとつぼみが落ちます。
- 湿度を五〇パーセント前後に
- 暖房で乾いた部屋ではつぼみが開かず枯れます。加湿器か鉢の周りの水皿で湿度を補います。
品種で開花期と光の好みが違う
カトレアには冬咲き、春咲き、夏咲き、秋咲きがあり、大輪の原種系と小型のミニカトレアでは育ちやすさも違います。買ったときの札や開花時期を覚えておき、開花の二〜三か月前にバルブが完成しているかを確かめると、咲かない原因を絞りやすくなります。
| タイプ | 特徴 | 育て方の要点 |
|---|---|---|
| 大輪の冬咲き | 花が大きく香りがある、シースから咲く | 秋に乾かし気味にし、冬は一三度以上 |
| ミニカトレア | 小型で年に二回咲くものも | 光を多めに、小さな鉢で乾きやすく |
| 春咲き | 四月から五月に開花 | 冬の低温に当てすぎない |
| 秋咲き | 九月から十一月に開花 | 夏の暑さで花芽を傷めないよう風通しを |
花を長持ちさせ、花後は株を休ませる
花が開いたら、涼しく直射日光の当たらない場所に移すと長持ちします。一五度前後なら三〜四週間楽しめますが、暖房で二五度を超える部屋では一〜二週間で終わります。花が終わったら花茎を根元から切り、新芽が動くまで水を控えて株を休ませます。
- 開花中は涼しい場所へ
- 直射日光を避けた一五度前後の場所に置きます。暖房の風と、果物の近く(傷みを早める気体が出る)は避けます。
- 花後に花茎を切る
- 花がしおれたら花茎を根元から切ります。残しても次の花は付かず、株の力を消耗するだけです。
- 新芽が動くまで乾かし気味に
- 花後は株が休みます。植え込み材が乾いてから二〜三日待って水を与え、新芽が動いたら通常に戻します。
つぼみが落ちる、花が小さいときの立て直し
つぼみが黄色くなって落ちるのは、乾燥と温度の急変がほとんどです。開花直前の株を暖房の効いた部屋に出し入れしたり、暖房の風が当たっていたりすると起こります。花が小さい、数が少ないのはバルブが小さかった証拠で、今年ではなく来年の春夏の育て方で直します。
| 症状 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| つぼみが黄色くなり落ちる | 乾燥、温度の急変 | 置き場所を固定し湿度を上げる |
| シースの中で花芽が黒く腐る | 水のたまり | シースの先を少し切って水を抜き、以後入れない |
| 花が小さく数が少ない | バルブの太り不足 | 翌年の春夏に光と肥料を増やす |
| シースが出ずに新芽が出る | 光不足か株が若い | 光を増やし、翌年まで株を育てる |
毎年咲かせるには、花の後に株を休ませることが大切です。花を長く付けたままにせず、しおれたら早めに切って新芽の成長に力を回します。
カトレアの花を咲かせ続けるのに使うもの
つぼみが上がってからやることは決まっています。摘む・支える・足す、の 3 つです。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。N-P-K の真ん中(P)の数字が高いもの。
つぼみを作る時期はリン酸が要ります。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり伸びて花が上がりません。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
種を作らせないことが、次の花を咲かせる条件です。花の下の節まで切り戻すのが基本です。
- 支柱(草花用)探す言葉「園芸支柱 草花 リング」
- 規格の目安
- 直径 8mm・長さ 90〜150cm の細い支柱か、株ごと囲むリング支柱。
花の重みで倒れると、そこから茎が折れます。咲いてから立てるのでは間に合わないので、つぼみのうちに。
- 誘引用の麻ひも探す言葉「麻ひも 園芸 誘引」
- 規格の目安
- 太さ 2mm 前後。目立たない色のもの。
きつく縛ると茎が食い込みます。8 の字にゆるく掛けて、茎が太る余地を残します。
- 開花促進剤は、肥料と日当たりが足りているなら急ぎません。
- リング支柱がなくても、細い支柱 3 本を株の周りに立てて麻ひもで囲めば同じことができます。
カトレアの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はカトレアの育て方にまとめています。
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