植え替えが必要かどうかを先に判断する
カトレアは頻繁に植え替える必要はなく、二〜三年に一度で十分です。植え込み材が黒ずんで乾かなくなった、新しいバルブが鉢の縁を越えて外へ出た、根が鉢の外へ大量に伸びた、という状態なら植え替えます。調子のよい株を無理に触ると、かえって一年分の生育を止めます。
| 鉢の状態 | 植え替え | 理由 |
|---|---|---|
| 水苔が黒ずみ、水やり後も乾かない | する | 根が呼吸できず腐り始める |
| 新しいバルブが鉢の縁を越えた | する | 次の芽が伸びる場所がない |
| 根が鉢の外へたくさん出ている | する | 鉢の中に根の余地がない |
| 植えて一年以内で新根が伸びている | しない | 触るほど根を傷める |
適期は新根が出る直前
カトレアは新芽が伸び始めてしばらくすると、その新芽の根元から白い新しい根が出ます。この新根が伸び出す直前か、二〜三ミリ顔を出したころが植え替えの適期です。伸びた新根は折れやすく、植え替えで傷めると回復に時間がかかります。
時期は品種によって春だったり秋だったりします。関東では春咲きの品種は花後の四月から五月、秋から冬に咲く品種は春の新芽が動く三月から四月が多いですが、カレンダーより株の新根を見て決めてください。
- 新芽の根元を見る
- 新芽が五センチほど伸びたころから、根元に白い根の先が見えないか毎日確かめます。見えたらすぐ植え替えます。
- 開花中と花茎の伸びる時期は避ける
- つぼみが付いている株や開花中の株は、花が終わってから植え替えます。根を触ると花が落ちます。
- 前日に水を与える
- 乾いた状態で抜くと根が折れます。前日に軽く水を与え、根をしなやかにしておきます。
古い植え込み材を落とし、根を整理する
鉢から抜いたら、古い水苔を指でほぐして落とします。根の間に入り込んだものは取れる分だけで構いません。茶色で柔らかい根、皮が抜けて芯だけの根は根元から切り、白くて固い根は長くても残します。鉢に張り付いた根は、無理にはがさず鉢を割るか切って外します。
- 鉢を叩いて抜く
- 鉢を横にして縁を軽く叩き、株元を持って引き抜きます。素焼き鉢に根が張り付いているなら鉢を割ったほうが根を傷めません。
- 腐った根を切る
- 触って柔らかい根、茶色い根を清潔なハサミで切ります。ハサミは株ごとに火で炙るか消毒します。
- 古いバルブを三〜四個残す
- 葉のない古いバルブは三〜四個までを残し、それより古いものは外します。全部外すと株の蓄えが減って弱ります。
水苔で固く締めて植える
カトレアは根が空気を好むので、水苔は湿らせて軽く絞り、根の周りに巻きつけて鉢に押し込みます。鉢は一回り大きい程度で、大きすぎると中が乾かず根腐れします。新芽が伸びる方向に空間を残し、古いバルブを鉢の縁に寄せて植えるのがコツです。
- 水苔を戻して絞る
- 乾燥水苔を水で戻し、握って水が滴らない程度に絞ります。びしょ濡れだと植えた後に乾かず根が傷みます。
- 根に水苔を巻く
- 根の束を水苔で包み、鉢に押し込みます。株を持って軽く振ってもぐらつかない固さが目安です。
- 新芽の向きに空間を残す
- 古いバルブを鉢の縁に寄せ、新芽が伸びる方向に二〜三バルブ分の空間を残します。中央に置くとすぐ縁に当たり、次の植え替えが早まります。
- 支柱で株を固定する
- 植えた直後は根がないのでぐらつきます。細い支柱を差してバルブをひもで留め、株が動かないようにします。
株分けは四バルブ以上を一組に
株が大きくなりすぎたら植え替えのついでに株分けします。バルブが四個以上つながった状態を一組にし、それより小さく分けると花が咲くまで二〜三年かかります。バルブをつなぐ茎は太くて硬いので、清潔なハサミかナイフで切ります。各組に新芽か、芽になる位置の元気なバルブを含めます。
葉のない古いバルブだけの組も、水苔に植えて明るい日陰に置くと半年から一年で芽が出ることがあります。捨てずに予備株として育ててみてください。
- 切る位置を決める
- バルブとバルブをつなぐ茎を指でたどり、四個ごとに切る位置を決めます。新芽の付いたバルブが各組に入るようにします。
- 切り口を乾かす
- 切り分けた後は半日ほど日陰で切り口を乾かしてから植えます。すぐ植えると切り口から腐ります。
植え替え後に弱ったときの手当て
植え替え直後はバルブに少ししわが寄るのが普通で、新根が伸びれば戻ります。一か月以上しわが深くなる、新芽が伸びない、葉が黄色くなるなら、根が出ていないか植え込み材が湿りすぎています。鉢を抜いて根を確かめ、原因に合わせて戻します。
| 症状 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| しわが深く新根が出ない | 水苔が乾きすぎ | 鉢ごと水に浸けて中まで湿らせる |
| 水苔が乾かず根が黒い | 植え込みが緩いか鉢が大きい | 小さめの鉢に締め直す |
| 新芽が途中で止まる | 強い光と乾燥 | 明るい日陰に移し葉水を増やす |
| 株がぐらついて根が出ない | 固定が甘い | 支柱で固定し動かさない |
植え替え後の二週間は水を控えめにし、肥料は新根が二〜三センチ伸びるまで与えません。
カトレアの植え替えに使うもの
植え替えは、鉢を大きくする作業ではなく、根を新しくする作業です。同じ鉢に戻す選択もあります。
- 鉢(ひと回り大きいもの)探す言葉「植木鉢 8号 スリット」
- 規格の目安
- 直径で 3cm(1 号)だけ大きいもの。スリット鉢は根が回りにくく、鉢底で根が団子になりません。
急に大きくすると、根の届かない土が長く湿ったままになり、根腐れの原因になります。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、10 号鉢で約 15L。
古い土は粒が潰れて水はけが落ちています。土を替えることが植え替えの目的の半分です。
- 鉢底石探す言葉「鉢底石 ネット入り」
- 規格の目安
- 軽石。ネット入りは次の植え替えでそのまま取り出せます。
底に石を敷くと、鉢底の穴が土でふさがりません。ネット入りなら繰り返し使えます。
- 根切りばさみ探す言葉「根切りばさみ 園芸」
- 規格の目安
- 刃が厚く、土をかんでも欠けないもの。
固まった根鉢は、外側を切ってほぐさないと新しい根が出ません。普通のはさみは土で切れなくなります。
- 同じ鉢に戻すなら、新しい鉢は要りません。根を切って土を替えるだけで十分です。
- 鉢底ネットは、スリット鉢なら要りません。
カトレアの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はカトレアの育て方にまとめています。
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