花の質は気温で決まる
ダリアは涼しい気候で本来の花を咲かせます。二十度前後で最も美しく、三十度を超える真夏は花が小さく色あせ、花弁も少なくなります。関東平野部では初夏の六月と、秋の九月下旬から十一月が見ごろで、真夏は株を休ませて秋に備えるのが正しい育て方です。
| 時期 | 花の様子 | 対応 |
|---|---|---|
| 6月〜7月上旬 | 一番花。大きさは品種の八割ほど | 花がら摘みを続けて咲かせる |
| 7月中旬〜8月 | 小さく色あせる | 切り戻して株を休ませる |
| 9月下旬〜11月上旬 | 品種本来の大きさと色 | 摘蕾して大きく咲かせる |
| 初霜以降 | 花弁が凍って傷む | 掘り上げの準備 |
夏の切り戻しで株を作り直す
七月下旬から八月上旬に、株の高さの三分の一から半分まで切り戻します。伸びきった枝を切ると株元から新しい枝が出て、涼しくなるころに勢いのよい枝の先につぼみが付きます。切り戻さない株は秋も古い枝に小さな花しか付きません。
切り戻しの直後は葉が減って水の消費が落ちるので、水やりを控えめにします。新芽が伸びて葉が開き始めたら、九月上旬に追肥(育ちの途中で足す肥料)を再開して秋の開花に向けて力をつけさせます。
- 八月上旬までに切る
- 秋の花までに二か月かかるので、切り戻しは八月上旬が期限です。中間地で八月中旬を過ぎると霜までに咲き切れません。
- 各枝に葉を二段残す
- 枝ごとに葉が二段から三段残る高さで切ります。葉をすべて落とすと新芽が出ず、株が枯れることがあります。
- 混んだ枝は付け根から
- 内側に向いた枝と細い枝は付け根から取り除き、太い枝を四本から六本に絞ります。残す枝が少ないほど花は大きくなります。
摘蕾で一輪に養分を集める
ダリアのつぼみは枝の先に三つ一組で付きます。中央のつぼみが最も大きく育つので、大輪種では両脇の二つを小さいうちに摘み取ります。これを摘蕾と呼び、一輪の大きさが目に見えて変わります。小輪や中輪の品種では花数を優先して摘まなくても構いません。
摘蕾は、脇のつぼみが小豆ほどの大きさになったころに指で押して取ります。大きくなってからだと中央のつぼみを傷めやすく、養分も無駄になります。
- 三つ組の両脇を摘む
- 枝先のつぼみが三つ見えたら、中央を残して両脇を指先で取ります。中央が傷んでいるときは、脇の一つを代わりに残します。
- 下の脇芽も整理
- つぼみのすぐ下の葉の付け根から出る脇芽(葉の付け根から出る小さな芽)も、大輪を狙うときは取り除きます。
- 小輪種は摘まない
- ポンポン咲きや小輪の品種は花数が魅力なので、つぼみを整理せずそのまま咲かせます。枝が混んで花が隠れるときだけ、内側の枝を付け根から抜きます。
花色と大きさを保つ日照と肥料
花色は日照で決まります。半日陰では赤や紫が黒ずみ、黄色は薄くなります。同じ品種でも置き場所で印象が変わるほどです。株全体に日が当たるよう、混んだ枝を間引いて風と光を通します。肥料は窒素が多いと花色が薄くなるので、つぼみが見えてからはリン酸とカリの多い花用液肥に切り替えます。
| 目的 | することの目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 花を大きくする | 摘蕾と脇芽の整理 | 肥料を増やすより枝数を減らす |
| 花色を濃くする | 六時間以上の日照 | 窒素肥料を控える |
| 花数を増やす | 摘心して枝を四本から六本に | 多すぎると花が小さくなる |
| 花を長くもたせる | 朝の涼しい時間に切って飾る | 切り口を熱湯に数秒つけると水揚げがよい |
品種による咲き方の違い
ダリアは花の形と大きさで系統が分かれ、育て方の力の入れどころが変わります。大輪種は一輪に集中させ、中小輪は枝数を増やして花数で見せます。買うときに花の直径の表示を見て、育て方を決めておくと迷いません。
| 系統 | 花の直径 | 育て方の要点 |
|---|---|---|
| 巨大輪・大輪 | 二十センチ以上 | 摘心せず一本仕立て。摘蕾と支柱が必須 |
| 中輪 | 十センチから二十センチ | 摘心して四本から六本の枝。摘蕾は任意 |
| 小輪・ポンポン咲き | 十センチ以下 | 摘心して枝数を増やし、摘蕾はしない |
| 矮性種 | 草丈四十センチ以下 | 鉢向き。摘心だけで整う |
花が咲かないときの原因と戻し方
花が来ないときは、時期と株の姿を見て原因を切り分けます。真夏に花が止まるのは性質なので待つだけでよく、秋になっても咲かないときは日照か肥料か切り戻しの遅れが疑われます。
| 状態 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 真夏に花が小さく止まった | 高温による休み | 切り戻して秋を待つ |
| 葉ばかり茂ってつぼみがない | 窒素過多か日照不足 | 肥料を止め、日当たりを確保 |
| 秋になっても枝が伸びない | 切り戻しが遅れた、根の傷み | 翌年は八月上旬までに切る |
| つぼみが付くが開かない | 長雨や虫の食害 | 雨よけと殺虫。傷んだつぼみは切る |
初霜までに咲き切らなかったつぼみは、切って室内に飾ると開くことがあります。色づいて先が緩んでいるつぼみなら、水に挿して数日で開く目安です。
ダリアの花を咲かせ続けるのに使うもの
つぼみが上がってからやることは決まっています。摘む・支える・足す、の 3 つです。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。N-P-K の真ん中(P)の数字が高いもの。
つぼみを作る時期はリン酸が要ります。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり伸びて花が上がりません。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
種を作らせないことが、次の花を咲かせる条件です。花の下の節まで切り戻すのが基本です。
- 支柱(草花用)探す言葉「園芸支柱 草花 リング」
- 規格の目安
- 直径 8mm・長さ 90〜150cm の細い支柱か、株ごと囲むリング支柱。
花の重みで倒れると、そこから茎が折れます。咲いてから立てるのでは間に合わないので、つぼみのうちに。
- 誘引用の麻ひも探す言葉「麻ひも 園芸 誘引」
- 規格の目安
- 太さ 2mm 前後。目立たない色のもの。
きつく縛ると茎が食い込みます。8 の字にゆるく掛けて、茎が太る余地を残します。
- 開花促進剤は、肥料と日当たりが足りているなら急ぎません。
- リング支柱がなくても、細い支柱 3 本を株の周りに立てて麻ひもで囲めば同じことができます。
ダリアの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はダリアの育て方にまとめています。
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