開花の流れと時期
秋に植えた株は三月から穂が上がり、関東平野部では四月下旬から五月に一番花が咲きます。穂の下のつぼみが色づいて膨らんだら、数日で開き始める目安です。穂は下の花から順に開き、二週間から三週間咲き続けます。花後に穂を切り戻すと、六月から七月に脇から二番花が咲くことがありますが、梅雨の蒸れで株が弱る年もあります。
| 時期 | 株の様子 | 作業 |
|---|---|---|
| 3月 | 株の中心から穂が伸び始める | 緩効性肥料、穂の整理 |
| 4月 | 穂が伸び、つぼみが見える | 支柱と誘引、液肥 |
| 4月下旬〜5月 | 一番花が下から順に開く | 花がら摘み、雨よけ |
| 6月 | 一番花が終わる | 穂を切り戻して二番花を待つ |
| 6月下旬〜7月 | 二番花か、梅雨で弱る | 風通しを確保し様子を見る |
穂の数を絞って太くする
エラータム系のように一本の太い穂を楽しむ系統は、株から上がる穂を三本から五本に絞ります。すべて咲かせると穂が細くなり、花の数も減ります。三月に穂が十センチほど伸びたら、細い穂を地際から切ります。
ベラドンナ系やシネンセ系のように枝分かれして咲く系統は、穂を絞る必要はありません。混みすぎて株元が蒸れるときだけ、内側の細い茎を抜きます。
- 三月に穂を数える
- 穂が十センチほどに伸びたら株ごとに数を数えます。エラータム系は五本以上あれば整理の対象です。
- 太い穂を三本から五本残す
- 太く真っすぐな穂を残し、細いものと株の内側の穂を地際からハサミで切ります。引き抜くと残す穂の根を傷めます。
- 一年目の小さな株は三本まで
- 植え付けが遅かった株や小さい株は、穂を三本以下にすると一本ずつがしっかり咲きます。
花がら摘みと切り戻し
穂の下から順に花が終わります。穂の三分の二ほどが咲き終わったら、穂の付け根近くの葉の上で切り戻します。種を作らせないことで株の体力が残り、脇から二番花の穂が上がります。切った穂は上の部分がまだ咲いていれば切り花にして飾れます。
二番花は一番花より小さく、梅雨の時期と重なります。株元の風通しを確保し、雨よけができる場所なら六月下旬から七月に咲きます。梅雨で株が弱っているときは無理に咲かせず、株を休ませます。
- 穂の三分の二が終わったら切る
- 穂の下の葉が付いている節のすぐ上で切ります。葉を残さずに切ると脇芽(茎の途中の葉の付け根から出る芽)が出ません。
- 切り戻し後に薄い液肥
- 切り戻したら規定に薄めた液肥を一回与えます。脇芽が伸びて二週間から三週間で次の穂が上がります。
- 二番花は梅雨の様子で判断
- 梅雨に葉が黄色くなり株元が弱ってきたら、二番花をあきらめて穂を早めに切り、株の負担を減らします。
花色と穂の質を保つ環境
デルフィニウムの青は日当たりで冴えます。半日陰では色が薄くなり、穂も細くなります。青のほかに白、紫、ピンクの品種もあり、どれも同じ扱いです。一日六時間以上の日照がある場所で、春の強い風が直接当たらないところが理想です。開花中は雨に当たると花弁が傷んで穂が重くなるので、軒下や雨よけの下で咲かせると長持ちします。
| 目的 | することの目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 穂を太くする | 穂を三本から五本に絞る | 肥料を増やすより数を減らす |
| 色を濃くする | 六時間以上の日照 | 窒素肥料を控える |
| 花を長くもたせる | 雨よけと支柱 | 穂に水をかけない |
| 切り花にする | 下の花が三分の一開いたら朝に切る | 水揚げは深水で一晩 |
系統ごとの咲き方の違い
同じデルフィニウムでも、系統によって穂の形と咲く期間が違います。苗の札に系統名が書かれていないときは、草丈の表示で見当を付けます。育てる系統の性質を知っておくと、穂を絞るべきか、二番花を期待できるかの判断が変わります。
| 系統 | 穂の形 | 二番花 |
|---|---|---|
| エラータム系 | 太い一本穂に八重の花が密に付く | 切り戻せば出るが小さい |
| ベラドンナ系 | 枝分かれした穂に一重の花がまばらに付く | 出やすい。長く咲く |
| シネンセ系 | 細い枝先に小さな花が多数 | 次々に咲く。花がら摘みで長持ち |
| 矮性交配種 | 短い穂が株全体に付く | 鉢で二番花まで楽しめる |
穂が上がらないときの原因と戻し方
春になっても穂が上がらない、上がっても細いときは、植え付けの時期、日照、肥料、株の年齢のどれかが原因です。株の姿から切り分けて、今年の穂を諦めるか手当てで戻すかを決めます。
| 状態 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 葉は茂るが穂が出ない | 窒素過多か日照不足 | 肥料を止め、日当たりを確保 |
| 株が小さく穂が細い | 植え付けが遅かった | 穂を三本以下に絞る。翌年は十一月までに植える |
| 穂が途中で枯れる | 水切れか根の傷み | 土の乾きを確かめ、株元の腐りを見る |
| 去年咲いた株が春に出てこない | 夏に枯れた | 毎年秋に苗を更新する前提で育てる |
デルフィニウムは日本では夏越しが難しく、毎年秋に新しい苗を植えるのが現実的です。宿根させたいなら夏の管理の解説を参照してください。
デルフィニウムの花を咲かせ続けるのに使うもの
つぼみが上がってからやることは決まっています。摘む・支える・足す、の 3 つです。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。N-P-K の真ん中(P)の数字が高いもの。
つぼみを作る時期はリン酸が要ります。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり伸びて花が上がりません。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
種を作らせないことが、次の花を咲かせる条件です。花の下の節まで切り戻すのが基本です。
- 支柱(草花用)探す言葉「園芸支柱 草花 リング」
- 規格の目安
- 直径 8mm・長さ 90〜150cm の細い支柱か、株ごと囲むリング支柱。
花の重みで倒れると、そこから茎が折れます。咲いてから立てるのでは間に合わないので、つぼみのうちに。
- 誘引用の麻ひも探す言葉「麻ひも 園芸 誘引」
- 規格の目安
- 太さ 2mm 前後。目立たない色のもの。
きつく縛ると茎が食い込みます。8 の字にゆるく掛けて、茎が太る余地を残します。
- 開花促進剤は、肥料と日当たりが足りているなら急ぎません。
- リング支柱がなくても、細い支柱 3 本を株の周りに立てて麻ひもで囲めば同じことができます。
デルフィニウムの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はデルフィニウムの育て方にまとめています。
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