種採りか夏越しか、目的で選ぶ
デルフィニウムを翌年も楽しむには、種を採って秋にまく方法と、株を夏越しさせて宿根させる方法があります。関東平野部では夏越しの成功率が低く、種採りのほうが確実です。ただし交配種の種は親と同じ花にならないことがあります。
| 目的 | 向いている方法 | 成功の目安 |
|---|---|---|
| 毎年確実に咲かせる | 種採りと秋まき | 高い。冷蔵処理を忘れない |
| 同じ花を残す | 株分けか夏越し | 低い。予備の種か苗を用意 |
| 手間をかけない | 毎年秋に苗を買う | 確実。穂も大きい |
| 寒冷地で宿根させる | 秋に株分け | 涼しい地域なら数年育つ |
種を採る
種を採る穂は、花後に切り戻さず残します。花が終わると細長いさやができ、六月に茶色く乾いて先が割れ始めたら採りごろです。割れると種がこぼれるので、さやが黄色みを帯びたら穂ごと切って紙袋の中で乾かし、袋の中に落ちた種を集めます。
採った種は乾かして密閉容器に入れ、冷蔵庫の野菜室で九月まで保管します。デルフィニウムの種は常温で数か月置くと発芽力が落ちるので、冷蔵保管が欠かせません。
- 採種用の穂を一本残す
- 株の中で最も太く健全な穂を一本、切り戻さずに残します。すべての穂で種を採ると株が疲れます。
- さやが色づいたら穂ごと切る
- さやが緑から黄色に変わり、一部が茶色く乾き始めたら穂ごと切ります。全部が割れるまで待つとこぼれます。
- 紙袋で乾かして集める
- 穂を紙袋に入れて口を軽く閉じ、風通しのよい日陰で一週間から二週間乾かします。袋を振って落ちた種を集めます。
- 密閉して冷蔵庫へ
- 種と乾燥剤を密閉容器に入れ、冷蔵庫の野菜室で保管します。まく直前の冷やす作業も兼ねられます。
夏越しは鉢で半日陰
宿根させたい株は、六月に穂を地際近くで切り戻し、鉢に上げて風通しのよい半日陰に置きます。夏の間は土を乾き気味に保ち、雨に当てないことが要点です。株元が蒸れると腐るので、周りの葉を減らし、鉢を台に乗せて底からも風を通します。
九月に涼しくなって新芽が動き出したら、日なたに戻して薄い液肥を始めます。十月に庭か大きな鉢に植え替えると、翌春に一年目より太い穂が上がります。
- 六月に地際で切り戻し鉢上げ
- 穂を地際から五センチほどで切り、根鉢を崩さず六号鉢に上げます。土は軽石を三割混ぜて水はけを高めます。
- 半日陰で乾き気味に
- 午前だけ日が当たる風通しのよい場所に置き、土が完全に乾いてから水を与えます。雨の当たらない軒下が向きます。
- 九月に新芽が動いたら戻す
- 株元に新しい芽が見えたら日なたへ移し、規定の倍に薄めた液肥を二週間に一回始めます。
夏越しの株は一株残れば成功と考え、二株から三株を試します。全滅に備えて種か苗も用意してください。
株分けは涼しい地域向け
寒冷地や高原など夏が涼しい場所では、デルフィニウムは数年育つ宿根草として扱えます。株が大きくなったら、九月下旬から十月に掘り上げて芽を二つから三つずつ付けて分けます。直根性(太い根がまっすぐ下に伸びる性質)なので、根を大きく切らないように分けるのが注意点です。
- 九月下旬に掘り上げる
- 株の周りを広く掘り、根を切らないよう土ごと持ち上げます。土を落として芽の位置を確かめます。
- 芽を二つから三つ付けて分ける
- 清潔なナイフで、芽と根が付くように切り分けます。芽のない部分は育ちません。切り口は日陰で半日乾かしてから植えます。
- すぐに植え付ける
- 分けた株は乾かさず、深く耕した土に浅めに植えて水を与えます。一年目の冬は株元にマルチをします。
挿し芽もできる
春に株元から出る新芽を、五センチから十センチのうちに切り取って挿し芽にする方法もあります。三月から四月の若い芽を使い、清潔な土に挿して明るい日陰で管理します。三週間から四週間で発根しますが、その年の穂は小さく、夏越しの問題も残るので、同じ花を確実に残したいときの補助的な方法です。
| 時期 | 使う芽 | 向き不向き |
|---|---|---|
| 3月〜4月 | 株元から出た五センチから十センチの新芽 | 最適。三週間で発根 |
| 5月以降 | 伸びた穂の先 | 不向き。花芽が付き腐りやすい |
| 9月〜10月 | 夏越し株の新芽 | 可。冬までに根が張れば春に咲く |
うまくいかないときの原因と直し方
種採りと夏越しの失敗は、種の保管、夏の過湿、暑さのどれかです。状態を見れば原因が分かるので、次の年に直します。夏越しは条件がそろっても失敗することがあるので、種を採っておく習慣が一番の保険です。
| 状態 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 採った種が発芽しない | 常温保管で発芽力が落ちた | 冷蔵庫で保管し、まく前に冷やす |
| さやが割れて種がこぼれた | 採る時期が遅れた | さやが黄色くなったら穂ごと切る |
| 夏越し株の株元が腐った | 雨と過湿 | 軒下で乾き気味に。鉢を台に乗せる |
| 夏越し株が葉を落として枯れた | 暑さと西日 | 午前だけ日の当たる場所へ。翌年は種で |
デルフィニウムの挿し芽・株分けに使うもの
挿し芽は、肥料分のない清潔な土に挿すのが基本です。培養土に挿すとうまくいかないのはそのためです。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒・鹿沼土)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用、または「挿し芽・種まき用」と書かれた土。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L、育苗箱 1 枚で 2L 前後。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプか、液に浸すタイプ。
根の出にくい種類で成功率が変わります。出やすい草花なら無くても十分です。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。斜めに一度で切るのが基本です。
- 3 号ポット・育苗箱探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)のポットか、浅い育苗箱。
根が出るまでは小さい容器のほうが管理しやすく、乾き具合も見えます。
- 発根しやすい草花なら、発根促進剤は要りません。水に挿すだけで根が出るものもあります。
- 密閉できる容器があれば、挿し芽用の温室は要りません。
デルフィニウムの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はデルフィニウムの育て方にまとめています。
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