品種の系統で咲き方が違う
ナデシコと呼ばれる植物には、日本のカワラナデシコ、中国原産のセキチク、園芸品種の四季咲きナデシコ、ヒゲナデシコ(アメリカナデシコ)などがあります。系統によって花期と咲き方が違うので、育てている株がどれかを知ると管理の目安が立ちます。
四季咲きナデシコと呼ばれる園芸品種は、セキチクとカワラナデシコなどを掛け合わせたもので、暑さと寒さの両方にある程度耐えます。苗を選ぶときにラベルで系統を確かめ、四季咲きなら切り戻しで秋の花を、一季咲きなら春の花に集中して管理を組み立てます。
| 系統 | 花期 | 咲き方の特徴 |
|---|---|---|
| 四季咲きナデシコ | 4月〜11月 | 花がら摘みで春から秋まで繰り返し咲く |
| カワラナデシコ | 6月〜9月 | 夏に細い花びらが裂けた花を咲かせる |
| セキチク | 4月〜6月 | 春に一斉に咲き、切り戻せば秋にも少し咲く |
| ヒゲナデシコ | 5月〜6月 | 秋まきで翌春に小花が集まって咲く |
苗のラベルに「四季咲き」とあれば秋の花も期待できます。表記がなければ春の一季咲きと考えて管理します。
日当たりと風通しが花数を決める
ナデシコは日光を強く求める植物で、一日五時間以上の直射日光がないと花が減り、茎が伸びて倒れます。風通しも重要で、株が込み合うと中心が蒸れて花が付かなくなります。日当たりの良い場所に株間を空けて植えることが、最も効く花付き対策です。
- 一日五時間以上日が当たる場所
- 南向きか東向きの、午前中から日が当たる場所に置きます。半日陰では葉は育ちますが花が極端に減ります。
- 株間を二十センチ以上取る
- 隣の株と葉が重ならない間隔にします。プランターなら六十センチの長さに三株が目安です。
- 込み合った茎を間引く
- 株の中心の細い茎を根元から数本切り、風の通り道を作ります。外から見た姿は変わらず、花付きが良くなります。
鉢植えは春と秋は日なた、真夏だけ午後の日陰へ動かすと、日光を確保しながら暑さを避けられます。
花後の切り戻しで二番花を咲かせる
春の花が一通り終わったら、株全体を三分の一から半分の高さに切り戻します。切った節から新しい枝が伸び、四季咲きの品種なら一か月ほどで再び咲きます。梅雨前に切り戻しておくと株元の蒸れも防げるので、六月上旬までに終えるのが目安です。
切り戻す位置は、葉が残る節の上です。茎の下のほうまで葉のない株では、緑の葉が残る一番下の節の上で切ります。葉を全部落とすと芽が出にくくなります。
- 六月上旬までに三分の一切る
- 一番花が終わり、花がらが目立ってきたら切り戻しどきです。全体の高さの三分の一を目安に、葉のある節の上で切ります。
- 切った後に薄い液体肥料
- 切り戻した一週間後から、表示の千倍に薄めた液体肥料を月二回与えます。新芽が動き出したら通常の管理に戻します。
- 九月にもう一度軽く整える
- 夏に伸びた枝が乱れていたら、九月上旬に軽く切り揃えます。深く切らず、先端を整える程度にして秋の花を待ちます。
切り戻した枝の先端は、挿し芽にして株の更新に使えます。花のない枝を選んで挿します。
秋の花を咲かせるための夏越し
四季咲きの品種でも、夏に株が弱ると秋の花は咲きません。真夏は西日を避け、水は朝だけ、肥料は与えずに株を休ませます。鉢なら半日陰の風通しの良い場所へ移し、露地なら株元にわらを薄く敷いて地温を下げます。九月に涼しくなって新芽が動いたら、肥料を再開して秋の花に備えます。
夏越しの間、水やりは朝に一回だけとし、夕方は与えません。夜に土が湿ったままだと株元が蒸れます。葉が黄ばんで落ちるのは弱っている合図ですが、新芽が動くまでは肥料を与えず見守ります。
| 月 | 花の様子 | 作業 |
|---|---|---|
| 4月〜5月 | 春の満開 | 花がら摘みと薄い追肥 |
| 6月上旬 | 一番花が終わる | 三分の一切り戻し |
| 7月〜8月 | 花は少ない、株を休ませる | 西日を避け、肥料を止める |
| 9月 | 新芽が動く | 軽く整えて追肥を再開 |
| 10月〜11月 | 秋の花 | 花がら摘みを続ける |
花が咲かないときの原因を見分ける
葉は茂るのに花が咲かないなら、日照不足か肥料の窒素過多が主な原因です。株が小さいまま咲かないなら、根が湿りすぎているか根詰まりです。一季咲きの品種を秋に咲かせようとしていないかも確かめます。原因ごとに直し方が違うので、株の姿から切り分けます。
| 症状 | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 葉が茂って花が少ない | 日照不足、窒素過多 | 日なたへ移し、花用の肥料に替える |
| 茎が伸びて倒れ、先だけ咲く | 日照不足、切り戻し不足 | 切り戻して枝数を増やす |
| 株が小さく花も小さい | 根腐れ、根詰まり | 水を控え、鉢なら植え替える |
| 秋に咲かない | 一季咲きの品種 | 品種の性質。春の花を楽しむ |
一季咲きの株でも、切り戻しで株を整えておくと翌春の花数が増えます。
ナデシコの花を咲かせ続けるのに使うもの
つぼみが上がってからやることは決まっています。摘む・支える・足す、の 3 つです。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。N-P-K の真ん中(P)の数字が高いもの。
つぼみを作る時期はリン酸が要ります。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり伸びて花が上がりません。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
種を作らせないことが、次の花を咲かせる条件です。花の下の節まで切り戻すのが基本です。
- 支柱(草花用)探す言葉「園芸支柱 草花 リング」
- 規格の目安
- 直径 8mm・長さ 90〜150cm の細い支柱か、株ごと囲むリング支柱。
花の重みで倒れると、そこから茎が折れます。咲いてから立てるのでは間に合わないので、つぼみのうちに。
- 誘引用の麻ひも探す言葉「麻ひも 園芸 誘引」
- 規格の目安
- 太さ 2mm 前後。目立たない色のもの。
きつく縛ると茎が食い込みます。8 の字にゆるく掛けて、茎が太る余地を残します。
- 開花促進剤は、肥料と日当たりが足りているなら急ぎません。
- リング支柱がなくても、細い支柱 3 本を株の周りに立てて麻ひもで囲めば同じことができます。
ナデシコの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はナデシコの育て方にまとめています。
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