目的に合わせて増やし方を選ぶ
ナデシコは挿し芽、株分け、種の三つで増やせます。気に入った品種を同じ姿で増やすなら挿し芽、古株を若返らせるなら株分け、たくさんの株や違う色を楽しむなら種取りです。園芸品種の種は親と同じ花にならないことが多いので、決まった色を残すなら挿し芽か株分けを選びます。
どの方法でも、増やした株が花を咲かせるのは翌年の春からです。秋に挿し芽や株分けをした株は、冬を越して翌春に咲きます。春に行った株は、その年の秋か翌春に咲きます。
| 目的 | 方法 | 適期 |
|---|---|---|
| 同じ品種を増やす | 挿し芽 | 5月〜6月、9月〜10月 |
| 古株を若返らせる | 株分け | 9月下旬〜10月、3月 |
| たくさんの株が欲しい | 種取り | 6月に採種し秋にまく |
| カワラナデシコなど原種 | 種取り | 親と同じ花が出やすい |
宿根性の株は三年ほどで中心が枯れ込みます。二年目から挿し芽で次の株を作っておくと途切れません。
挿し芽は花の付いていない枝で
五月から六月、または九月から十月に、花やつぼみの付いていない元気な枝の先端を五〜八センチ切って挿します。ナデシコは節から根が出やすく、二〜三週間で根付きます。切り口を乾かさず、清潔な土に挿して明るい日陰で管理するのがこつです。
- 花のない枝を五〜八センチ切る
- つぼみの付いていない若い枝を選び、先端から二〜三節で切ります。花芽が付いた枝は根が出にくくなります。
- 下の葉を取り水に一時間つける
- 土に埋まる節の葉を取り、切り口を水に一時間ほどつけて吸水させます。しおれた枝は根が出る前に枯れます。
- 赤玉土の小粒に挿す
- 湿らせた赤玉土の小粒か挿し芽用の土に、一節が埋まる深さで挿します。肥料入りの土は切り口が腐ります。
- 明るい日陰で二〜三週間
- 直射日光を避けた明るい場所で、土を乾かさないように管理します。軽く引いて抵抗があれば根が出ています。
挿し芽は一度に十本ほど挿しておくと、数本失敗しても十分な株数が残ります。
株分けは秋か春に、根の付いた部分を使う
三年以上たって中心が枯れ込んだ株は、九月下旬から十月、または三月に掘り上げて株分けします。外側の元気な部分を三〜四芽ずつ、根が付いた状態で分けます。根のない部分は挿し芽として扱います。分けた株は浅く植え、根付くまで水を切らさないようにします。
株分けした株は、分ける前より小さくなるのが普通です。翌年の春には元の大きさに戻り、中心が枯れていない若い株として咲きます。
- 株を掘り上げて土を落とす
- 株の周りを広めに掘り、根を切らないように持ち上げます。古い土を軽く落として根の付き方を確かめます。
- 外側を三〜四芽ずつ分ける
- 中心の枯れた部分は捨て、外側の元気な部分を手か清潔なはさみで分けます。それぞれに根が付いていることを確かめます。
- 浅く植えて水を与える
- 株元に土がかぶらない深さで植え、たっぷり水を与えます。根付くまで二週間ほどは土を乾かさないようにします。
種は六月に採り、秋にまく
花の後にできる細長いさやが茶色く乾いたら種取りの時期です。さやを切り取って紙袋で乾かし、中の黒く平たい種を取り出します。封筒に入れて冷蔵庫の野菜室で保存し、九月下旬から十月にまきます。カワラナデシコなどの原種は親と同じ花が出やすく、園芸品種は色や形が変わることがあります。
| 時期 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 5月〜6月 | 種用の花を数輪残す | 花がらを取らずにさやを作らせる |
| 6月〜7月 | さやが茶色くなったら切る | 先が割れ始める前に採る |
| 7月〜9月 | 紙袋で乾かして保存 | 封筒に入れ冷蔵庫の野菜室へ |
| 9月下旬〜10月 | 種まき | 最高気温が25度を下回ったら |
種を付けさせると株が弱るので、種用の花は数輪にとどめ、他は花がらを取り続けます。
挿し芽や株分けがうまくいかないときの原因
挿し芽が黒く腐るのは土が湿りすぎているか古い土を使ったとき、しおれて枯れるのは日が強いか水切れのときです。株分けした株が根付かないのは、根の付いていない部分を植えたか、深植えで株元が腐ったときがほとんどです。原因を直せば、ナデシコは再挑戦しやすい植物です。
秋の挿し芽は冬を越す必要があるので、根が出たら軒下か日なたの霜の当たらない場所で管理します。春の挿し芽は梅雨の蒸れに注意し、根が出たら風通しの良い場所へ移します。
| 症状 | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 挿し穂が黒く腐る | 土が湿りすぎ、古い土 | 新しい赤玉土に挿し直し、乾いたら与える |
| 挿し穂がしおれて枯れる | 日が強い、水切れ | 明るい日陰へ移し、葉水で湿度を保つ |
| 株分けした株がしおれる | 根が少ない、深植え | 浅く植え直し、日陰で根付くまで待つ |
| 種から違う花が咲いた | 園芸品種の性質 | 気に入った株を挿し芽で残す |
挿し芽は一度に十本ほど挿しておくと、数本失敗しても十分な株数が残ります。
ナデシコの挿し芽・株分けに使うもの
挿し芽は、肥料分のない清潔な土に挿すのが基本です。培養土に挿すとうまくいかないのはそのためです。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒・鹿沼土)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用、または「挿し芽・種まき用」と書かれた土。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L、育苗箱 1 枚で 2L 前後。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプか、液に浸すタイプ。
根の出にくい種類で成功率が変わります。出やすい草花なら無くても十分です。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。斜めに一度で切るのが基本です。
- 3 号ポット・育苗箱探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)のポットか、浅い育苗箱。
根が出るまでは小さい容器のほうが管理しやすく、乾き具合も見えます。
- 発根しやすい草花なら、発根促進剤は要りません。水に挿すだけで根が出るものもあります。
- 密閉できる容器があれば、挿し芽用の温室は要りません。
ナデシコの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はナデシコの育て方にまとめています。
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