種類ごとに増やし方を選ぶ
カスミソウは直根性で株分けに向かない植物です。宿根草を増やすなら挿し芽、一年草なら種採りが基本です。どの方法が合うかは種類と時期で決まるので、まず表で確かめてください。
宿根草を無理に株分けすると、太い根が切れて両方の株が弱り、最悪どちらも枯れます。どうしても分けたいときは秋に行い、根をできるだけ切らず土ごと二つに割る程度に留めます。
| 種類 | 向いている方法 | 時期 |
|---|---|---|
| 宿根カスミソウ | 挿し芽 | 4月〜5月、または9月 |
| 宿根カスミソウ(大株) | 株分けは避け挿し芽で | 秋に予備株を作る |
| 一年草カスミソウ | 種採りと秋まき | 6月に採種、9月下旬にまく |
| 矮性の宿根種 | 挿し芽、または這った枝の取り木 | 5月〜6月 |
挿し芽は春の新芽を使う
宿根カスミソウの挿し芽は、四月から五月、花が咲く前の若い芽を使うと根が出やすいです。秋の九月も可能ですが、冬までに根が張る時間が短いので春が確実です。太くて柔らかすぎない、まだ花芽の付いていない枝を選びます。
挿し芽を毎年続けると、古い株が夏に枯れても若い株が残り、途切れずに育て続けられます。宿根カスミソウは三〜四年で株が老いて花が減るので、二年目からは毎春に数本ずつ挿して更新するのが長く楽しむコツです。
- 先端から五〜八センチ切る
- 花芽の付いていない枝の先を五〜八センチ切ります。下の葉を取り、上に葉を二〜三枚残します。
- 水に一時間浸ける
- 切り口を清潔なカッターで斜めに切り直し、水に一時間ほど浸けて水を吸わせます。発根剤があれば切り口に付けます。
- 清潔な土に挿す
- 赤玉土の小粒か挿し芽用の土を湿らせ、割り箸で穴を開けて挿します。深さは二〜三センチです。
- 明るい日陰で乾かさない
- 直射日光の当たらない明るい場所に置き、土が乾かないよう管理します。二〜三週間で根が出ます。
根が出たら小さな鉢に移す
挿してから三〜四週間で、軽く引いても抜けない手応えになれば根が出ています。この段階で三号ほどの小さな鉢に移し、日なたに慣らしていきます。根はまだ弱いので、土を崩さずそっと持ち上げます。定植は秋、または翌春です。
鉢に移した若い株は、夏の間は明るい日陰で育てます。まだ根が浅く、真夏の直射日光と乾燥で枯れやすい時期です。九月に涼しくなったら日なたに戻し、十月に花壇へ植えるか、そのまま鉢で冬を越して翌春に植えます。
- 軽く引いて確かめる
- 挿し穂を軽く引いて抵抗があれば根が出ています。抜けるならまだ早いので、さらに一週間待ちます。
- 三号鉢に移す
- 根の周りの土ごとすくい、草花用の培養土を入れた三号鉢に植えます。石灰を一つまみ混ぜておきます。
- 一週間かけて日なたへ
- 移した直後は明るい日陰に置き、少しずつ日の当たる場所へ移します。急に日に当てるとしおれます。
一年草は種を採って翌年にまく
一年草カスミソウの種は、花が終わって一か月ほどでさやが茶色くなります。さやがはじけると細かい種がこぼれるので、その前に枝ごと切って紙袋の中で乾かします。種は小さく黒っぽい粒で、乾燥剤と一緒に冷暗所で保存すれば二年ほど発芽します。
採った種から育てた株は、親と少し違う花が咲くことがあります。特に八重咲きの品種は一重に戻りやすいので、同じ花を確実に咲かせたいなら種を買い直します。
- 六月にさやを見る
- 花が終わって三〜四週間後、さやが茶色くかさかさになったら採り時です。数本の枝を残して種用にします。
- 紙袋で振って集める
- 枝ごと紙袋に入れ、一週間乾かしてから袋を振ります。ごみを除き、封筒に入れて保存します。
- こぼれ種も期待できる
- 花壇なら、こぼれた種が秋に自然に芽を出します。芽が出たら間引いて株間を作ります。
根が出ない、枯れるときの原因
挿し芽が失敗する原因は、枝の選び方と水の管理がほとんどです。花芽の付いた枝は根が出にくく、土が乾くと切り口が枯れ、湿りすぎると腐ります。時期を外して真夏や真冬に挿すのも失敗の元です。原因を確かめて、次の適期にやり直します。
挿した後に透明なビニール袋をふわりとかぶせておくと、湿度が保たれて切り口が乾きにくくなります。ただし日に当たる場所では袋の中が高温になるので、必ず日陰で行い、根が出たら袋を外します。
| 状態 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 挿し穂が黒く腐る | 土の湿りすぎ、古い土 | 新しい土で水を控えめに挿し直す |
| しおれて茶色く乾く | 乾燥、直射日光 | 袋をかぶせて湿度を保ち日陰に |
| 一か月たっても根が出ない | 花芽付きの枝、時期外れ | 若い枝を四〜五月に挿し直す |
| 根は出たが移して枯れた | 移す時に根を崩した | 土ごと動かし、日陰で一週間養生 |
挿し芽は一度に五〜十本挿すと、いくつか失敗しても予備が残ります。全部成功する前提で本数を決めないのがコツです。
カスミソウの挿し芽・株分けに使うもの
挿し芽は、肥料分のない清潔な土に挿すのが基本です。培養土に挿すとうまくいかないのはそのためです。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒・鹿沼土)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用、または「挿し芽・種まき用」と書かれた土。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L、育苗箱 1 枚で 2L 前後。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプか、液に浸すタイプ。
根の出にくい種類で成功率が変わります。出やすい草花なら無くても十分です。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。斜めに一度で切るのが基本です。
- 3 号ポット・育苗箱探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)のポットか、浅い育苗箱。
根が出るまでは小さい容器のほうが管理しやすく、乾き具合も見えます。
- 発根しやすい草花なら、発根促進剤は要りません。水に挿すだけで根が出るものもあります。
- 密閉できる容器があれば、挿し芽用の温室は要りません。
カスミソウの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はカスミソウの育て方にまとめています。
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