花を切るか、種を採るかを先に決める
クリスマスローズの花は花びらに見える部分ががくで、散らずに緑色に変わって長く残ります。そのまま置くと種ができ、株の力がそちらに向いて翌年の花が減ります。株を育てたいなら花が緑になり始めたら花茎ごと切り、種を採りたい株だけ残します。
買ったばかりの若い株、株分けした株、夏に弱った株は種を採らずに切ります。三年以上育った大株なら、数本だけ種を残しても翌年の花に響きません。
| 目的 | 花茎の扱い | 切る時期の目安 |
|---|---|---|
| 株を太らせて翌年多く咲かせる | 全部切る | 花が緑色に変わり始めたころ(3月) |
| 種を採って苗を作る | 2〜3本残す | 5月に袋が茶色くなったら採る |
| こぼれ種で増やしたい | 数本残して放置 | 種が落ちたあと6月に切る |
| 切り花にする | 咲いて数日で切る | 水揚げのため茎に切り込みを入れる |
種を採らないなら、緑に変わった花もしばらくは観賞できます。四月中に切れば株への負担は小さいです。
花茎は株元で切る
花茎は株元の近くで切ります。途中で切ると残った茎が腐って株元に病気が入ることがあるので、根元から二〜三センチのところで切り、切り口が乾いてから水を与えます。切り取った花茎に付いた葉は、新しい葉ではないので気にせず一緒に切って構いません。
花茎と葉の茎は見分けが要ります。花茎には小さな葉が段になって付き、葉の茎には手のひらのような大きな葉が一枚付きます。間違えて新しい葉の茎を切ると、その分だけ株が小さくなります。
- 花茎と葉の茎を見分ける
- 茎の先に花か種の袋があるものが花茎です。先に大きな葉が一枚あるものは葉の茎で、切りません。株元をのぞいて確かめます。
- 株元から二〜三センチで切る
- 清潔なはさみで根元近くを切ります。切り口が地面に付くと腐りやすいので、少しだけ残します。
- 切ったら数日水を控える
- 切り口が乾くまで二〜三日は株元に水をかけません。雨が続く時期は軒下に入れるか、上からかけずに株元へ与えます。
古葉切りは秋、花後は傷んだ葉だけ
古い葉を全部切る古葉切りは、本来は十一月から十二月に、新しい葉と蕾が上がる前に行う作業です。花後の三月から四月は新しい葉が展開する時期なので、切るのは黄色くなった葉や病気の跡がある葉だけに留めます。
春の新しい葉は夏の休眠を支える大切な葉です。この葉を切りすぎると夏を乗り切る力が足りず、秋の芽が減ります。葉が混み合って風が通らないときだけ、外側の古い葉を数枚抜く程度にします。
- 黄色い葉と斑点の葉だけ切る
- 黄色くなった葉と、黒い斑点が出た葉を付け根から切ります。緑で艶のある葉は残します。
- 新しい葉は触らない
- 春に伸びる明るい緑の葉は残します。この葉が夏の間に株を支え、秋の芽数を決めます。
- 切った葉は株元に残さない
- 切った葉は病気のもとになるので、株元に落としたままにせず処分します。株元の落ち葉も同時に取り除きます。
花後の肥料と植え替えで株を太らせる
花後の三月下旬から四月は、翌年の花数を決める一番大切な時期です。花茎を切ったあとに緩効性の固形肥料を置き、五月まで液体肥料も併用して葉を茂らせます。この時期に葉が大きく育つほど、秋の芽が増えます。
鉢の底から根が出ている株、水を与えても乾きが早い株は根詰まりしています。花後の三月から四月上旬なら植え替えができ、一回り大きい鉢に根を崩さず移します。分けたいときは秋まで待ちます。
- 花茎を切ってから追肥
- 追肥(育ちの途中で足す肥料)は花茎を切った直後に置きます。株の力が種でなく葉と根に向かうよう、切るのと同時に行います。
- 根詰まりの株は鉢増し
- 鉢底から根が出ていれば、一回り大きい鉢に根鉢を崩さず移します。四月中旬を過ぎたら秋まで待ちます。
- 五月に肥料を止める
- 気温が上がり始めたら肥料を止め、置き場を明るい日陰へ移します。葉が十分に茂っていれば夏の準備は整っています。
花後に株分けはしません。分けるのは十月中旬から十一月で、春に分けると夏を越せない株が出ます。
種を採る株の扱い
種を採るなら、花が終わって膨らんだ袋が茶色くなり始める五月中旬から下旬に採ります。袋は熟すと自然に割れて種がこぼれるので、割れる前に袋ごと切って紙袋に入れ、数日置いて種を出します。採った種は乾かさず、すぐにまくか湿らせた土に埋めて保存します。
こぼれ種でも増えますが、親と同じ花が咲くとは限りません。交配して生まれた株は色も形もばらつき、それが楽しみでもあります。開花までは三年ほどかかります。
- 袋が茶色になったら切る
- 緑の袋が茶色くなり、先が少し開きかけたら花茎ごと切ります。完全に開くと種が落ちるので、色の変化を毎日見て判断します。
- 紙袋で数日乾かす
- 切った袋を紙袋に入れて日陰に置きます。数日で袋が割れて黒い種が出ます。密閉すると蒸れてかびます。
- 種はすぐまくか湿らせて保存
- 乾燥させると発芽しにくくなります。すぐにまくか、湿らせたバーミキュライトと一緒に袋に入れて秋まで冷暗所に置きます。
花後に株が弱ったときの立て直し
花後に葉が伸びない、株元が黒い、新しい葉が小さいといった不調は、種を付けさせ過ぎた、花茎の切り口から病気が入った、根詰まりのどれかであることが多いです。株元と根を見て切り分けます。
芽が固くしまっていれば夏を越せます。弱った株ほど夏に涼しい場所で休ませ、秋に肥料と植え替えで立て直します。春のうちに無理に肥料や植え替えで挽回しようとすると、夏に持ちません。
| 状態 | 疑う原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 新しい葉が小さく数が少ない | 種を付け過ぎた、肥料不足 | 袋を全部切り、固形肥料を置く |
| 花茎の切り口が黒く腐る | 切り口から病気、過湿 | 腐った部分を切り取り、株元を乾かす |
| 水を与えてもすぐ乾く | 根詰まり | 4月上旬までなら鉢増し、過ぎたら秋 |
| 葉に黒い斑点が広がる | 黒点の病気 | 斑点のある葉を全部切って処分する |
クリスマスローズの花が終わったあとに使うもの
来年も咲かせるかどうかは、この時期の手当てで決まります。切ることと、球根をしまうことです。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後。硬くなった茎を切るので、花がら摘み用より丈夫なもの。
花後の切り戻しは、次の芽を出させる作業です。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- お礼肥用の緩効性肥料探す言葉「緩効性肥料 お礼肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢に 10g 前後、花壇 1 ㎡ あたり 30〜50g。
咲かせるのに使った養分を戻す肥料です。ここを飛ばすと、翌年の花数が目に見えて減ります。
- 球根の保存ネット探す言葉「球根 保存 ネット袋」
- 規格の目安
- 目の粗いネット袋。品種を書いたラベルを付けられるもの。
掘り上げた球根は、風の通るところに吊るして乾かします。密閉すると中から腐ります。
- 掘り上げずに植えっぱなしでよい球根も多く、その場合は保存の資材は要りません。
- 花後すぐに葉まで切らないでください。葉が来年ぶんの養分を作ります。
クリスマスローズの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はクリスマスローズの育て方にまとめています。
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