症状から原因を絞る
クリスマスローズの不調は葉と株元に現れます。葉の黒い斑点、株元の黒ずみ、蕾や新葉に付く小さな虫、葉が縮れて模様が出る、といった見た目ごとに原因はおおむね決まっています。まず下の表で当たりを付け、それぞれの対処に進みます。
| 症状 | 疑う原因 | 最初の手当て |
|---|---|---|
| 葉に黒い斑点が広がる | 黒点を作るかびの病気 | 斑点の葉を切って処分、株元を乾かす |
| 株元が黒く軟らかく倒れる | 軟腐の病気、過湿 | 腐った部分を除き乾かす。広がれば株ごと処分 |
| 蕾や新葉に小さな虫が群がる | アブラムシ | 指でつぶすか、草花用の殺虫剤 |
| 葉が縮れて黒い筋や模様が出る | ウイルスの病気 | 治らない。株ごと処分し道具を消毒 |
| 葉が白い粉をかぶる | うどんこ病 | 葉を切り、風通しを良くする |
| 新葉が細く小さい、株が育たない | 根を食べる幼虫、根詰まり | 秋に掘り上げて根と土を確かめる |
黒い斑点の病気は古葉切りで防ぐ
葉に黒い斑点が出て広がる病気は、古い葉に潜んで雨で新しい葉にうつります。冬に古葉切りをして株元を清潔にすると発生が大きく減ります。出てしまったら斑点のある葉を付け根から切り、株元に落ちた葉も取り除きます。
雨が続く時期に株元が湿ったままだと広がります。鉢は軒下に入れ、庭は株元の落ち葉を片付けます。斑点が多い株には草花用の殺菌剤を使いますが、切って処分するのが基本です。
- 斑点の葉は迷わず切る
- 黒い斑点が一つでもある葉は付け根から切ります。残すとそこから雨で広がります。切った葉は株元に落とさず処分します。
- 株元の風通しを作る
- 混み合った葉を外側から数枚抜き、株元に光と風を通します。落ち葉や敷き物は株元から少し離します。
- はさみを消毒する
- 病気の株を切ったはさみは、次の株に使う前に熱湯か消毒液で拭きます。株から株へうつす一番の原因です。
- 繰り返す株は殺菌剤
- 毎年出る株には、秋の古葉切りのあとに草花用の殺菌剤を株元へ散布します。斑点が出てからでは効きが弱いです。
株元の腐りは水はけの問題
株元が黒く軟らかくなり、葉が根元から倒れる症状は、過湿で株元に細菌が入って起きます。夏の休眠期に水を与え過ぎた株、深植えした株、水はけの悪い場所に多く出ます。見つけたら腐った部分を清潔なナイフで削り取り、乾かします。
半分以上が腐っていたら回復は難しく、他の株にうつる前に処分します。同じ場所に植え直すときは土を入れ替え、鉢なら洗って乾かしてから使います。
- 掘り上げて腐りを切る
- 株を掘り上げ、黒く軟らかい部分を白い組織が出るまで削ります。芽が残っていれば助かる見込みがあります。
- 切り口を乾かす
- 削った株を日陰で半日から一日乾かし、切り口が乾いてから新しい土に浅く植えます。植えた直後は水を与えません。
- 植え方を見直す
- 深植えと水はけの悪さが原因なら、軽石を混ぜた土に高植えします。夏の水やりも減らします。
腐った株を触った手や道具で他の株を触らないこと。処分した土は庭に戻さず捨てます。
アブラムシと根を食べる虫
二月から四月に蕾や新しい葉の裏にアブラムシが付きます。数が少ないうちは指でつぶすか、水で流します。増えると葉が縮れ、ウイルスの病気を運ぶので、草花用の殺虫剤で早めに止めます。
鉢植えで秋に株が育たず、水を与えても葉が垂れるなら、根を食べる甲虫の幼虫が土の中にいることがあります。十月に掘り上げて根を見ると、白い幼虫と食べられた根が見つかります。
- 蕾の裏を毎週見る
- 二月からは蕾の裏と新葉の付け根を週に一度見ます。緑や黒の小さな虫が群がっていれば、その日のうちに取ります。
- 少なければ指と水で
- 数匹なら指でつぶすか、霧吹きの水で流します。増えていたら草花用の殺虫剤を葉の裏まで散布します。
- 根の虫は秋に掘って捕る
- 株が育たない鉢は十月に抜いて根を見ます。白い幼虫がいれば取り除き、土を全部新しくして植え直します。
治らない病気の見分けと処分
葉が縮れて黒い筋や不規則な模様が出る、花の色がまだらになる、株が年々小さくなるといった症状はウイルスの病気で、治す方法がありません。アブラムシと、汚れたはさみでうつります。疑わしい株は他の株から離し、確信したら株ごと処分します。
肥料不足や寒さで葉が黄色くなるのとは違い、ウイルスは新しい葉ほど症状が強く出ます。新葉が正常なら心配は要りません。判断に迷うなら一年隔離して次の新葉を見てから決めます。
| 見た目 | ウイルスか別の原因か | 対処 |
|---|---|---|
| 新葉に黒い筋、縮れ、ねじれ | ウイルスの疑いが強い | 隔離し、確信したら処分 |
| 花にまだらな色抜け | ウイルスの疑い | 他の株と離して観察し、広がれば処分 |
| 古い葉だけ黄色く新葉は正常 | 自然な入れ替わり、肥料不足 | 古葉を切り、肥料を見直す |
| 冬に葉が紫がかる | 寒さによる一時的な変色 | 手当て不要、春に戻る |
処分した株の鉢と土は再利用せず、はさみは熱湯で消毒します。ウイルスは残った道具から次の株にうつります。
被害が大きくなったときの立て直し
斑点の病気で葉をほとんど切った、株元を大きく削った、といった株は見た目が寂しくなりますが、芽が残っていれば回復します。夏を涼しく乾かし気味に越し、秋に新しい土に植え直して肥料を与えると、翌年には葉が戻ります。
回復中の株は肥料を急に増やさず、水はけと風通しを優先します。同じ病気を繰り返すなら、置き場所そのものを見直します。株を守るより環境を変えるほうが、結果として早く元に戻ります。
- 芽の数を数える
- 株元の固い芽が三つ以上残っていれば翌年も咲きます。一つか二つなら花より株の回復を優先し、翌年の花茎は早めに切ります。
- 秋に土を全部替える
- 病気が出た株は十月に掘り上げ、古い土を落として新しい土に植えます。鉢も洗って乾かしてから使います。
- 置き場所を変える
- 雨が当たる場所、風が通らない場所で繰り返すなら、軒下や風の通る場所に移します。病気は環境で決まる部分が大きいです。
クリスマスローズの長く咲かせるコツは作物ページに
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