株分けと種まきのどちらを選ぶか
クリスマスローズは挿し木ができません。同じ花を確実に増やすには株分け、数を増やしたり新しい色を楽しんだりするなら種まきです。株分けは根を切るため株に負担がかかり、分けた翌年は花が減ります。種からは三年ほどで咲きますが、親と同じ花にはなりません。
| 目的 | 向く方法 | 開花までの目安 |
|---|---|---|
| 気に入った花を同じまま増やす | 株分け(10月〜11月) | 翌年は少なく、2年目から |
| 苗をたくさん作る | 種まき(5月〜6月に採りまき) | 3年前後 |
| 手間をかけず増やす | こぼれ種を拾って育てる | 3〜4年 |
| 大株を若返らせる | 株分けで古い部分を捨てる | 2年目から |
原種のニゲルは株分けを嫌い、分けると枯れることがあります。原種は種まきで増やすほうが安全です。
株分けは芽を三つ以上付けて
株分けの適期は十月中旬から十一月です。三年以上育って芽が十以上になった株が対象で、小さな株を無理に分けると両方弱ります。掘り上げて土を落とし、芽の付き方を見て、一株に芽が三つ以上残るように分けます。
根は太くて硬いので、手で割れなければ清潔なナイフで切ります。細かく分けるほど回復が遅れるため、二〜三株に分けるのが安全です。分けた株は根を崩さず新しい土に浅く植え、日陰で一〜二週間養生します。
- 掘り上げて土を落とす
- 株の周り二十センチを深く掘り、根を切らないように持ち上げます。水で土を洗い流すと芽と根の付き方が見えます。
- 芽の境目で分ける
- 芽と芽の間で自然に割れる所を探し、一株に芽が三つ以上付くように分けます。割れなければナイフで切り、切り口は乾かします。
- 浅く植えて日陰で養生
- 芽が土に埋まらない高さで植え、たっぷり水を与えたら一〜二週間は明るい日陰に置きます。新しい葉が動いたら日向へ戻します。
- 翌年の花は早めに切る
- 分けた翌年に咲いた花は、咲いたら早めに花茎を切ります。種を付けさせず、株の回復を優先します。
種は採ってすぐまく
種は五月中旬から下旬に、袋が茶色くなって開きかけたら採ります。クリスマスローズの種は乾くと発芽しにくくなるため、採ったらすぐまくか、湿らせたバーミキュライトに混ぜて袋に入れ、秋まで冷暗所か冷蔵庫の野菜室で保存します。
すぐまく場合は赤玉土の小粒か種まき用の土に一〜二センチ間隔でまき、五ミリほど土をかけて日陰で乾かさずに管理します。夏を越して秋に気温が下がり、さらに冬の寒さに当たった十二月から二月に発芽します。半年以上かかるので、忘れずに水を続けます。
- 袋の色で採り時を判断
- 袋が緑から茶色に変わり、先端が少し開いたら花茎ごと切って紙袋に入れます。開き切ると種がこぼれます。
- 採ったその日にまく
- 黒い種を洗わずにそのまま、湿らせた土に一〜二センチ間隔でまき、薄く土をかけます。乾かした種は発芽率が落ちます。
- 夏は日陰で乾かさない
- まいた鉢を明るい日陰に置き、表土が乾かないよう水を続けます。芽が出ていなくても夏の間ずっと世話をします。
- 冬に発芽したら日向へ
- 十二月から二月に双葉が出たら、日の当たる場所に移して薄い液体肥料を始めます。本葉が出たら一本ずつ小さな鉢に移します。
保存した種は九月から十月にまきます。湿らせたまま冷蔵しておくと、まいたあとの発芽が揃います。
苗を三年かけて咲かせる
発芽した苗は一年目に本葉が二〜三枚、二年目に株らしくなり、三年目の冬に初めて咲きます。一年目の夏が最も弱く、小さな鉢を涼しい日陰で乾かさないように守ります。秋になったら一回り大きい鉢に移し、肥料を始めます。
二年目からは大人の株と同じ管理で、秋に鉢増しと固形肥料、冬に薄い液体肥料、夏は休ませます。三年目の冬に蕾が上がったら、どんな花が咲くか楽しみに待ちます。気に入らない株は庭の隅で育て、気に入った株は株分けで増やします。
| 時期 | 苗の姿 | 作業 |
|---|---|---|
| 1年目の冬〜春 | 双葉から本葉2〜3枚 | 本葉が出たら1本ずつ小鉢へ、薄い液肥 |
| 1年目の夏 | 小さな株、成長は止まる | 涼しい日陰で乾かさない。肥料なし |
| 1年目の秋 | 新しい葉が動く | 一回り大きい鉢へ、固形肥料 |
| 2年目 | 葉が5枚以上の株 | 大人の株と同じ管理 |
| 3年目の冬 | 初めて蕾が上がる | 開花。花を見て残す株を選ぶ |
うまく増えないときの原因と直し方
株分けした株が枯れる、種が発芽しない、苗が夏に消える、といった失敗はよく起きます。原因はそれぞれ、分ける時期と細かさ、種の乾燥、夏の管理に絞れます。
一度に全部を分けたりまいたりせず、半分ずつ試すと失敗しても元が残ります。特に気に入った株ほど、分けるときは慎重にします。
| 状態 | 疑う原因 | 次に直すこと |
|---|---|---|
| 分けた株が両方とも弱った | 細かく分け過ぎた、春に分けた | 秋に芽3つ以上で2〜3株に留める |
| 種をまいたが芽が出ない | 種を乾かした、まいて半年たっていない | 採りまきにする。冬まで水を続ける |
| 苗が夏に消えた | 直射日光、乾き、過湿 | 日陰で表土が乾いたら少量の水 |
| 原種を分けたら枯れた | 株分けに向かない種類 | 原種は種まきで増やす |
株分けの切り口に殺菌剤を軽くまぶすと腐りが減ります。なければ半日陰で切り口を乾かしてから植えます。
クリスマスローズの挿し芽・株分けに使うもの
挿し芽は、肥料分のない清潔な土に挿すのが基本です。培養土に挿すとうまくいかないのはそのためです。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒・鹿沼土)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用、または「挿し芽・種まき用」と書かれた土。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L、育苗箱 1 枚で 2L 前後。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプか、液に浸すタイプ。
根の出にくい種類で成功率が変わります。出やすい草花なら無くても十分です。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。斜めに一度で切るのが基本です。
- 3 号ポット・育苗箱探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)のポットか、浅い育苗箱。
根が出るまでは小さい容器のほうが管理しやすく、乾き具合も見えます。
- 発根しやすい草花なら、発根促進剤は要りません。水に挿すだけで根が出るものもあります。
- 密閉できる容器があれば、挿し芽用の温室は要りません。
クリスマスローズの長く咲かせるコツは作物ページに
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