方法と時期を選ぶ
ヒューケラは株分け、挿し芽、種まきで増やせますが、種から育てると親と同じ葉色にならないため、葉色を保つなら株分けか挿し芽です。どちらも春の三月から四月と、秋の九月から十月が適期で、真夏と真冬は避けます。株元が浮いた古株の若返りも兼ねられます。
株分けは一度に大きな株が得られ、挿し芽は数を多く増やせます。株元が浮いて茎が伸びた株は、挿し芽のほうが向きます。目的に合わせて選びます。
| 目的 | 向く方法 | 時期 |
|---|---|---|
| 大きな株を数株に | 株分け | 3月〜4月、9月〜10月 |
| 浮いた古株の若返り | 挿し芽 | 3月〜4月、9月〜10月 |
| 数を多く増やす | 挿し芽 | 9月〜10月が根付きやすい |
| 葉色にこだわらない | 種まき | 4月、9月 |
株分けの手順
三年ほど育てた株は、株元が複数の芽に分かれています。掘り上げて芽ごとに分け、それぞれに根が付くようにします。分けた株は浅く植え、一週間ほど半日陰で養生します。株元が木質化して硬い場合は、はさみやナイフで切り分けます。
株分けは三年に一回を目安にします。毎年分けると株が小さいままで、葉の数が増えません。株元が浮いて葉が小さくなってきたころが、分けるよい目安です。
- 掘り上げて土を落とす
- 株の周りから掘り上げ、土を軽く落として芽と根のつながりを確かめます。芽が複数あれば分けられます。
- 芽ごとに根を付けて分ける
- 一つの芽に根が付くように、手で引き離すか清潔なナイフで切り分けます。根のない芽は挿し芽にします。
- 浅く植えて養生
- 分けた株は株元を埋めない深さに植え、水を与えて一週間ほど半日陰に置きます。新しい葉が動いたら通常の管理に戻します。
分けた直後に肥料は与えません。新しい葉が出てから、薄い液体肥料を始めます。
挿し芽の手順
株元が浮いて茎が伸びた株は、葉の付いた先端を茎ごと切り取って挿し芽にします。茎の長さは三〜五センチで、下の葉を落として清潔な土に挿します。三〜四週間で発根し、新しい葉が動き出したら鉢上げできます。残した株元からも脇芽が出ることが多く、両方とも育てられます。
発根したかどうかは、挿し穂を軽く引いて確かめます。抵抗があれば根が出ています。引き抜いて確かめると根が切れるため、軽く触る程度にします。
- 葉の付いた先端を切る
- 浮き上がった茎を、葉の付いた先端から三〜五センチの長さで清潔なはさみで切ります。葉は三〜四枚残します。
- 下葉を落とし、大きな葉は半分に
- 茎の下側の葉を落とし、残した葉が大きければ半分に切って蒸散を減らします。切り口を三十分ほど水に浸けます。
- 清潔な土に浅く挿す
- 肥料の入っていない挿し芽用の土に、茎の部分だけを挿します。葉の付け根は土に埋めません。
- 明るい日陰で乾かさない
- 直射を避けた明るい場所に置き、土が乾かないように霧吹きで湿らせます。新しい葉が動いたら発根の合図です。
種まきの手順
種から育てると葉色が親と異なり、思いがけない葉色が出ることがあります。種は非常に細かく、光が当たらないと発芽しないため、土をかけずにまきます。発芽適温は二十度前後で、四月か九月にまき、二〜三週間で発芽します。本葉が四〜五枚になったら植え付けます。
種から育てた株は葉色がそろわないため、気に入った葉色の株だけを残して育てます。思いがけない葉色が出るのが種まきの楽しみです。
| 時期 | まき方 | 目安 |
|---|---|---|
| 4月 | 育苗箱に土をかけずにまく | 二〜三週間で発芽 |
| 9月 | 同上、秋は苗のまま越冬 | 翌春に植え付け |
| 本葉二〜三枚 | ポットに移す | 根を傷めないよう土ごと |
| 本葉四〜五枚 | 花壇や鉢に植え付け | 株元を埋めない |
増やした株の育て方
株分けや挿し芽で得た株は、最初の一年は株を育てる年と考えます。花茎が伸びたら早めに切って葉に養分を回し、夏は必ず半日陰で守ります。秋に緩効性肥料を少量与えると、翌春には親株と同じ大きさになります。
- 花茎は早めに切る
- 一年目の花茎は伸び始めたら付け根で切り、葉と根を育てることに集中させます。花は二年目から楽しみます。
- 夏は半日陰で守る
- 根がまだ浅い一年目の株は、夏の直射と乾燥に特に弱いため、鉢なら移動し、地植えなら遮光します。
- 秋に少量の肥料
- 九月に緩効性肥料を株元から離して少量置きます。これで翌春の葉の出方が変わります。
増やすときの失敗と直し方
挿し芽が腐る、株分けした株が枯れる、種が発芽しないといった失敗には決まった原因があります。次に試すときに直す点を整理します。
| 失敗の場面 | 原因 | 次に直す点 |
|---|---|---|
| 挿し穂が根の前に腐る | 葉の付け根まで埋めた、過湿 | 茎だけを挿し、水を控える |
| 挿し穂がしおれて枯れる | 乾燥、直射日光、真夏 | 明るい日陰で霧吹き、時期を守る |
| 株分けした株が枯れる | 根のない芽を植えた、深植え | 根を付けて分け、浅く植える |
| 種が発芽しない | 土をかけた、温度不足 | 土をかけず、二十度を保つ |
ヒューケラの挿し芽・株分けに使うもの
挿し芽は、肥料分のない清潔な土に挿すのが基本です。培養土に挿すとうまくいかないのはそのためです。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒・鹿沼土)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用、または「挿し芽・種まき用」と書かれた土。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L、育苗箱 1 枚で 2L 前後。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプか、液に浸すタイプ。
根の出にくい種類で成功率が変わります。出やすい草花なら無くても十分です。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。斜めに一度で切るのが基本です。
- 3 号ポット・育苗箱探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)のポットか、浅い育苗箱。
根が出るまでは小さい容器のほうが管理しやすく、乾き具合も見えます。
- 発根しやすい草花なら、発根促進剤は要りません。水に挿すだけで根が出るものもあります。
- 密閉できる容器があれば、挿し芽用の温室は要りません。
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