春の作業
新しい葉が動き出し、葉色が最も鮮やかになる季節です。冬に傷んだ古い葉を整理し、緩効性肥料を少量与えます。植え付けと株分け、挿し芽の適期でもあり、株元が浮き上がった株はこの時期に植え直します。五月から花茎が伸びるので、葉色を優先するなら早めに切ります。
三月の追肥(育ちの途中で足す肥料)は株元から離して置きます。株元に触れると新芽を傷めます。植え付けは株元を埋めない浅植えが鉄則です。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 3月 | 古い葉の整理、追肥、植え付け、株分け | 新芽が動き出したら |
| 4月 | 植え付けの続き、挿し芽 | 遅霜が終わってから |
| 5月 | 花茎の処理、薄い液体肥料 | 花茎が伸び始めたら切る |
初夏から梅雨の作業
梅雨の湿気で株元が蒸れやすくなります。株元の枯れ葉を取り除き、周りの植物を整理して風を通します。鉢植えは長雨が続くときに軒下へ移します。肥料は六月以降与えません。梅雨明け前に遮光の準備をしておきます。
梅雨の間は株元を月に二回ほどかき分けて確かめます。黒く柔らかい部分があれば取り除き、風を通します。早く見つければ株の大半を残せます。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 6月 | 株元の掃除、風通しの確保、鉢は長雨なら軒下 | 株元に枯れ葉がたまっていたら |
| 7月上旬 | 遮光の準備、鉢を半日陰へ | 梅雨明けの予報が出たら |
六月に花が終わった花茎は付け根で切ります。残すと種に養分を取られ、葉が減ります。
真夏の作業
ヒューケラが最も弱る季節です。直射と西日を避け、風通しを保ち、水は朝に土だけに与えます。下葉が数枚枯れるのは普通で、株の中心が硬ければ問題ありません。肥料は与えず、植え替えや株分けもしません。九月に涼しくなるまで、守ることに徹します。
夏の水やりは朝の涼しい時間に土だけに与えます。夕方にしおれていても、土が湿っていれば水は足しません。暑さによる一時的なしおれと水切れを見分けてから対処します。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 7月中旬〜8月 | 遮光、朝の水やり、枯れ葉の除去 | 葉の縁が焼けたら遮光を強める |
| 8月下旬 | 株元の状態を確かめる | 中心が硬ければ秋に回復する |
秋の作業
暑さが収まると新しい葉が出て、葉色が戻ります。遮光を外し、緩効性肥料を少量与えて回復を助けます。植え付け、株分け、挿し芽の二回目の適期で、特に挿し芽は秋のほうが根付きやすくなります。株元が浮いた株の植え直しもこの時期に行います。
秋の新葉が出てくるころが、株の状態を判断するよい時期です。新葉が小さければ株元が浮いているか根が傷んでいるので、掘り上げて確かめます。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 9月 | 遮光を外す、追肥、株分け、挿し芽 | 最高気温が二十五度を下回ったら |
| 10月 | 植え付け、植え直し、枯れ葉の整理 | 新しい葉が出そろったら |
| 11月 | 株元を腐葉土で軽く覆う準備 | 初霜の予報が出たら |
冬の作業
常緑のまま冬を越し、葉が紅葉して赤みを帯びます。関東平野部の露地では特別な防寒は不要ですが、霜柱で株が持ち上がる霜上がりには注意します。株元を腐葉土で軽く覆い、浮いていたら押し戻します。水は土が乾いて数日たった暖かい日の午前中に与えます。鉢植えは軒下の日当たりに寄せます。
冬でも常緑で葉が残るため、水を完全に切らないようにします。特に鉢植えは軒下で雨が当たらないと乾きすぎて、春の芽出しが遅れます。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 12月 | 株元を腐葉土で覆う、鉢を軒下へ | 霜が降り始めたら |
| 1月 | 霜上がりの確認、水は控えめ | 株が浮いていたら押し戻す |
| 2月 | 傷んだ葉を整理し始める | 寒さの峠を越えたら |
寒冷地では鉢を発泡スチロールの箱に入れるか屋内の明るい場所へ。雪の下なら葉は守られます。
月をまたいで続けること
月ごとの作業とは別に、株元を触って硬さを確かめる、株元に水をかけない、株元の枯れ葉を除く、この三つを年間の習慣にします。ヒューケラの失敗の大半は株元に集中しているためです。
- 株元を触って確かめる
- 月に一回、株元を軽く押して硬さを確かめます。柔らかければ腐りの始まりですから、すぐに水を止めて風に当てます。
- 株元に水をかけない
- 水やりは株の周りの土に与え、株の中心を濡らしません。葉の上からの水やりはやめます。
- 枯れ葉を株元に残さない
- 茶色くなった下葉は葉柄の付け根で切り、株の周りに残さず処分します。蒸れと病気の予防になります。
作業が遅れたときの立て直し
株分けの時期を逃した、遮光が間に合わず葉が焼けた、株元の浮きを放置したといったときも、株が生きていれば立て直せます。株元の硬さを触って確かめ、生きていれば次の適期を待ちます。
- 株分けを逃したら秋か翌春に
- 春に分けられなかったら九月から十月に行います。真夏に分けると根付かずに枯れるため、待つほうが確実です。
- 葉が焼けたら切って新葉を待つ
- 焼けた葉は葉柄の付け根で切り、遮光してから秋の新葉を待ちます。株の中心が硬ければ回復します。
- 株元の浮きを放置したら植え直す
- 茎が長く伸びていたら、次の春か秋に掘り上げて茎を埋める深さに植え直すか、先端を挿し芽にします。
ヒューケラの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
ヒューケラの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はヒューケラの育て方にまとめています。
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