苗の状態で植え方を変える
ギボウシの苗は春の芽出し前の根株、葉が展開したポット苗、秋の休眠前の株の三つの形で出回ります。どれも植えられますが、扱いが少しずつ違います。まずどの状態を手にしているかを見て、植える時期と深さを決めます。
| 苗の状態 | 出回る時期 | 植え付けのコツ |
|---|---|---|
| 芽出し前の根株 | 2月〜3月 | 芽の先が土から少し出る深さに植える |
| 葉が開いたポット苗 | 4月〜6月 | 根鉢を崩さず同じ深さで植え日陰で養生 |
| 休眠前の株 | 10月〜11月 | 葉を切ってから植え腐葉土で覆う |
真夏に植えると根が動かず葉が焼けます。七〜八月に買った苗は鉢のまま日陰で管理し、秋に植えます。
品種の大きさで場所を決める
ギボウシは高さ十センチの小型種から一メートルを超える大型種まで幅があり、数年で株の直径が高さの二倍ほどに広がります。植えてから場所が足りなくなることがいちばん多い失敗なので、ラベルの大きさを見て、成長後の広がりを想定して植えます。
| 大きさ | 成長後の直径 | 向く場所 |
|---|---|---|
| 小型種(高さ十〜二十センチ) | 30センチ前後 | 鉢植え・花壇の縁 |
| 中型種(高さ三十〜五十センチ) | 50〜80センチ | 花壇の中段・木の足元 |
| 大型種(高さ六十センチ以上) | 1メートル以上 | 庭の奥・広い日陰 |
斑入りの品種は同じ品種名でも葉の模様で光の好みが違います。黄色の斑は朝日を、白の斑は日陰を好む傾向があります。
置き場所は半日陰と湿った土
ギボウシは午前中だけ日が当たる半日陰か、明るい日陰がいちばん向きます。直射日光が一日中当たると葉が焼けて茶色くなり、暗すぎると葉が小さく斑が消えます。土は湿り気を保ちつつ水はけのよい状態が理想で、腐葉土を三割ほど混ぜると根が広がりやすくなります。
木の足元に植えると木が日よけになりますが、木の根と水を取り合います。植え穴を大きめに掘り、腐葉土を多めに入れて保水力を高めておきます。
- 午後の日差しを確かめる
- 植える場所で午後二時から四時に直射日光が当たるかを見ます。当たるなら葉焼けするので、東側か木陰を選びます。
- 土の湿り気を見る
- 雨のあと二〜三日で乾くようなら腐葉土を多めに、いつまでも水がたまるなら川砂を混ぜて水はけを整えます。
- 植え穴を作る
- 根鉢の二倍の幅と深さに掘り、腐葉土を三割と緩効性の肥料をひとつまみ混ぜ戻します。
植え付けの手順
植え付けは芽が動く前の三月か、葉が枯れ始める十月が適期です。芽の先が土の表面から少し出る深さに植え、深植えにしません。深く埋めると芽が出るまでに力を使い切り、株元が腐りやすくなります。株間は成長後の直径を見て、大型種なら一メートル、中型種なら五十センチほど空けます。
植え付けの一年目は株を作る年で、葉は品種本来の大きさになりません。二年目から本来の葉が出て、三〜四年で見応えのある株になります。一年目の葉が小さくても失敗ではないので、掘り返さずに待ちます。
- 深さを合わせる
- 根株なら芽の先が土から一センチほど出るように、ポット苗なら根鉢の表面が地面と同じ高さになるよう置きます。
- 根を広げる
- 根株の根は放射状に広げて土をかけます。ポット苗は根鉢を崩さず、底を軽くほぐす程度にとどめます。
- 土を戻して押さえる
- 隙間ができないよう土を戻し、手で軽く押さえます。強く踏み固めると根が伸びにくくなります。
- たっぷり水をやり覆う
- 植えたらすぐ鉢底から流れるまで水を与え、株元に腐葉土を三センチほど敷いて乾燥を防ぎます。
鉢で育てる場合
鉢植えは小型種から中型種が向きます。根が横に広がるので深さより幅のある鉢を選び、小型種なら五〜六号、中型種なら八号以上が目安です。用土は市販の草花用に腐葉土を二割足し、夏の乾きに備えます。二〜三年で根が回るので、春に一回り大きな鉢へ植え替えます。
| 鉢の大きさ | 向く品種 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 五号〜六号 | 小型種 | 夏は朝夕に水を確かめる |
| 七号〜八号 | 中型種 | 二〜三年で植え替える |
| 十号以上 | 大型種 | 重いので置き場所を決めてから植える |
鉢は白や淡い色のものを選ぶと夏の土の温度が上がりにくく、根の傷みが減ります。黒い鉢は西日で熱くなります。
植え付け後に失敗するときの原因
植えて数週間で葉が茶色く焼けるなら日差しが強すぎ、葉がしおれて土が湿っているなら深植えか根腐れ、葉の縁だけ枯れるなら水切れです。ギボウシは丈夫なので、原因を直せばほとんどの株は翌年から回復します。冬に地上部が枯れるのは休眠で、失敗ではありません。
| 症状 | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 葉が茶色く焼ける | 午後の直射日光 | 寒冷紗で日よけするか秋に移植する |
| 土が湿っているのにしおれる | 深植え・根腐れ | 芽の高さまで土を減らし水を控える |
| 葉の縁が枯れる | 水切れ | 株元に腐葉土を敷き朝に水を与える |
| 秋に葉が黄色く枯れる | 休眠に入っただけ | そのまま。翌春に芽が出る |
ギボウシの植え付けに使うもの
苗も球根も、植えたあとに動かすと根が傷みます。植える日にそろえておくものだけを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視の配合。14〜25L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L、花壇なら 1 ㎡ あたり 20〜30L。
花壇でも、土が固いところは掘り上げて培養土を混ぜたほうが根が張ります。
- 腐葉土探す言葉「腐葉土 園芸」
- 規格の目安
- 葉の形が残っている完熟のもの。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 花壇 1 ㎡ あたり 5〜10L を掘り上げた土に混ぜます。
土をふかふかにして、水もちと水はけを同時に良くします。花壇の土づくりの基本です。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 マグァンプ」
- 規格の目安
- 粒状で 1 年ほど効くタイプ。植え穴の底に入れて使います。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 5〜10g、花壇 1 ㎡ あたり 50g 前後。
根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。触れると濃さで傷みます。量は袋の表示に従ってください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス 目盛り」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm。目盛り付きなら球根の深さを測れます。
球根は「球の高さの 2〜3 倍の深さ」に植えるのが基本で、目分量だと浅くなりがちです。
- 球根植え器は、球根をまとめて植えるようになってからで十分です。移植ごてで足ります。
- 鉢を毎回買い替えなくても、古い鉢を洗って日に当てれば使えます。
ギボウシの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はギボウシの育て方にまとめています。
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