目的で増やし方を選ぶ
斑入りや品種の性質をそのまま増やすなら株分け一択です。種から育てると親と違う葉が出て、斑はほとんど受け継がれません。株を掘りたくないときは、株の周りの芽を一部だけ切り取る方法もあります。まず目的と時期を表で確かめます。
どの方法でも、増やした株が本来の大きさになるまでには時間がかかります。芽を二〜三個付けて分けた株は二年、芽一つなら三年、種からなら四〜五年が目安です。早く見応えを得たいなら、分ける塊を大きめにします。
| 目的 | 向く方法 | 時期 |
|---|---|---|
| 同じ品種を確実に増やす | 株分け | 3月または10月 |
| 株を掘らずに少し増やす | 外側の芽を切り取る | 3月 |
| 新しい葉の形を楽しむ | 種まき | 採種10月、まき3月 |
| 混み合った株を若返らせる | 株分けと土の入れ替え | 3月 |
株分けの手順
株分けは芽が動く前の三月か、葉が枯れる十月に行います。掘り上げると芽が集まった塊になっていて、芽と芽の間に自然な切れ目があります。そこを刃物で切り分け、一塊に芽を二〜三個ずつ付けます。芽一つでも育ちますが、大きくなるまでに二〜三年余分にかかります。
分けたあとの株は、一年目は葉が小さく数も少なくなります。これは根を作っている途中の姿で、失敗ではありません。乾かさないよう腐葉土を敷き、明るい日陰で育てれば二年目から本来の葉が出ます。
- 掘り上げる
- 株の周り十五センチほど外側からスコップを入れ、根を切らないよう深く掘ります。大型種は根が三十センチ以上広がっています。
- 土を落として芽を数える
- 水で土を洗い流すと芽と根の様子が見えます。芽の位置と、芽の間の切れ目を確かめます。
- 刃物で切り分ける
- よく切れる刃物で、芽が二〜三個ずつ付くように切り分けます。手で無理に裂くと芽が折れます。
- 切り口を乾かして植える
- 切り口を半日ほど日陰で乾かし、芽の先が土から少し出る深さに植えます。植えたらたっぷり水を与えます。
大型種は五〜六年、小型種は三〜四年たった株が分けやすい大きさです。若い株を分けると回復に時間がかかります。
株を掘らずに外側の芽を取る
大きな株を掘り上げるのが大変なときは、三月に株の外側の芽を一部だけ切り取ります。芽の周りにスコップを垂直に入れ、根を付けたまま切り離します。親株はそのまま育ち、切り取った芽は鉢に植えて養生します。芽一つからでも三年ほどで見られる株になります。
- 外側の芽を選ぶ
- 株の縁にある、根が付いていそうな芽を選びます。中心の芽は親株の力なので残します。
- スコップで切り離す
- 芽から五センチほど離れた位置にスコップを垂直に差し、根ごと持ち上げます。親株側の穴は土で埋めます。
- 鉢で養生する
- 切り取った芽は五号鉢に植え、明るい日陰で乾かさないように管理します。葉が開いたら通常の管理に戻します。
外側の芽を取ったあとの親株は、その年は少し姿が崩れますが、翌年には穴が埋まります。
種から育てる
花のあとにできるさやが十月に茶色くなって割れたら、中の黒い種を採ります。三月に種まき用の土にまくと二〜三週間で発芽し、三〜四年で花が咲く大きさになります。親と同じ葉にはなりませんが、思いがけない葉の形が出るのが楽しみです。斑入りの品種から採った種は、ほとんどが緑一色になります。
種から育てた株は親と違うので、品種名を付けずに育てます。気に入った葉が出たら、その株を株分けで増やせば自分だけの株として保てます。
- さやを採る
- 十月にさやが茶色くなり先端が割れ始めたら、花茎ごと切って紙袋で乾かします。平たく黒い種が出てきます。
- 三月にまく
- 種まき用の土に一センチ間隔でまき、五ミリほど土をかけます。明るい日陰で乾かさないよう管理します。
- 一年目は鉢で育てる
- 本葉が二〜三枚出たらポットに移し、一年目は鉢で育てます。二年目の春に庭へ植えます。
うまく増えないときの原因
分けた株が枯れる原因の多くは、切り口からの腐りと深植えです。芽が出ないまま春を過ぎたなら、掘って芽の状態を確かめます。切り取った芽がしおれるのは根が足りなかったためで、日陰で水を切らさなければ多くは回復します。種が発芽しないのは古い種か、乾かしすぎたためです。
どの方法でも、湿りすぎと乾きすぎの中間を保つことが共通の答えです。切り口を乾かしてから植え、植えたあとは腐葉土で覆って乾燥を防げば、ほとんどの株は育ちます。
| 場面 | よくある原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 分けた株から芽が出ない | 深植え・切り口の腐り | 掘って芽を確かめ浅く植え直す |
| 切り取った芽がしおれる | 根が少ない | 日陰で水を切らさず葉が出るまで待つ |
| 分けた株の葉が小さい | 芽が一つで力不足 | そのまま二〜三年育てる |
| 種が発芽しない | 古い種・乾燥 | 採った翌春にまき乾かさない |
ギボウシの挿し芽・株分けに使うもの
挿し芽は、肥料分のない清潔な土に挿すのが基本です。培養土に挿すとうまくいかないのはそのためです。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒・鹿沼土)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用、または「挿し芽・種まき用」と書かれた土。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L、育苗箱 1 枚で 2L 前後。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプか、液に浸すタイプ。
根の出にくい種類で成功率が変わります。出やすい草花なら無くても十分です。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。斜めに一度で切るのが基本です。
- 3 号ポット・育苗箱探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)のポットか、浅い育苗箱。
根が出るまでは小さい容器のほうが管理しやすく、乾き具合も見えます。
- 発根しやすい草花なら、発根促進剤は要りません。水に挿すだけで根が出るものもあります。
- 密閉できる容器があれば、挿し芽用の温室は要りません。
ギボウシの長く咲かせるコツは作物ページに
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