寒さの期間が花茎の長さを決める
ヒヤシンスは球根の中にすでに花のもとを持っていますが、一定期間の低温に当たらないと花茎が伸びません。屋外で植えれば自然に冬の寒さに当たりますが、室内で温めすぎると葉の間で花が詰まって咲く「花茎の詰まり」が起きます。最低でも二か月、十度以下の寒さに当てるのが目安です。
鉢植えを室内で楽しみたい場合も、一月まではベランダや屋外に置いて寒さに当て、芽が数センチ伸びてから室内に取り込みます。寒さが足りたかどうかは、芽の伸び方で判断します。
| 育て方 | 寒さに当てる期間 | 室内に入れる目安 |
|---|---|---|
| 地植え | 自然に当たる、そのまま | 入れない |
| 鉢植え | 屋外で十一月から一月まで | 芽が三〜五センチ伸びたら |
| 水栽培 | 根出し中に一〜二か月、十度前後 | 根が底に届き芽が三センチ伸びたら |
芽が伸び始めてからの管理
二月ごろ、土から芽が見えてきたら水を切らさないようにします。ヒヤシンスは花茎が伸びる時期に水が足りないと、花が小さくなり花茎も短くなります。鉢植えは土の表面が乾いたら、地植えは雨が二週間なければ与えます。肥料は植え付け時の元肥(植え付け前に土へ混ぜておく肥料)で足り、この時期に追加は不要です。
芽が出る時期は株ごとにばらつきがあり、同じ日に植えても二週間ほど差が出ます。遅い株を掘り返さず、三月まで待ってから判断します。
- 芽が見えたら水を切らさない
- 土の表面が乾いたら鉢底から流れるまで与えます。花茎が伸びる二月から三月は特に乾かさないようにします。
- 日当たりのよい場所に
- 芽が伸びたら日当たりのよい場所に置きます。日陰では花茎が間延びして倒れやすくなります。
- つぼみが色づいたら向きを固定
- つぼみが色づき始めたら、鉢の向きを変えないようにします。光の方向へ花茎が曲がるためです。
室内で早く咲かせる
十二月から一月に、寒さに当てた鉢や水栽培の球根を十五〜二十度の室内に入れると、二〜三週間で開花します。急に暖かい部屋に入れると花茎が伸びる前に咲いてしまうため、最初の一週間は十度前後の玄関などに置き、そのあと暖かい部屋へ移す二段階にします。
早く咲かせた球根は、屋外で咲かせたものより消耗が大きくなります。翌年も咲かせたいなら、花後に屋外へ出して葉をしっかり育てます。
| 場面 | 置き場所と温度 | 開花までの目安 |
|---|---|---|
| 取り込み直後の一週間 | 玄関など十度前後の明るい場所 | 花茎が伸び始める |
| 花茎が五センチ以上伸びたら | 十五〜二十度の明るい部屋 | 二〜三週間で開花 |
| 開花中 | 十〜十五度の涼しい場所 | 二週間ほど咲き続ける |
花を長持ちさせる置き場所
開花したヒヤシンスは、涼しい場所ほど長く咲きます。二十度を超える暖房の効いた部屋では一週間でしおれますが、十度前後の玄関や廊下なら二週間以上楽しめます。直射日光と暖房の風は花を早く傷めるため避けます。香りが強いので、寝室や食卓の近くでは数を控えめにします。
香りは涼しい場所ほど穏やかで、暖かい部屋では強く出ます。香りを楽しみたいなら日中だけ居間に置き、夜は涼しい場所に戻すと花も長持ちします。
- 涼しく明るい場所に置く
- 日中は明るい窓辺、夜は暖房のない涼しい部屋に移すと花が長持ちします。夜間の移動だけでも効果があります。
- 花茎が倒れたら支柱
- 花が重くて茎が倒れてきたら、細い支柱を球根を避けて挿し、ひもで軽く留めます。倒れたままだと茎が折れます。
- しおれた花から摘む
- 下の花からしおれていきます。茶色くなった花を指で摘み取ると、残りの花がきれいに見え、かびの予防にもなります。
花が終わったら花茎を切る
花房全体の七割がしおれたら、花茎を葉の付け根の少し上で切ります。種を作らせると球根が消耗するためです。葉は切らずに残し、光合成で球根を太らせます。この作業が翌年の花を決めます。
- 花茎だけを切る
- 花茎を葉の付け根の少し上で切り、葉は一枚も切りません。葉が黄変するまで二か月ほど育て続けます。
- 切ったあとは屋外へ
- 室内で咲かせた鉢は、花後に日当たりのよい屋外へ出します。室内では葉が育たず球根が太りません。
咲かない、うまく咲かないときの原因の切り分け
花茎が短い、花が少ない、つぼみのまましおれるといった失敗は、寒さ・水・温度のどれかが原因です。状態を見て原因を絞り、翌年に直します。
| 状態 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 花茎が短く葉の間で咲く | 寒さ不足、早く暖かくした | 屋外で二か月以上寒さに当てる |
| 花が小さく数が少ない | 球根が小さい、前年の消耗 | 大球を選び、花後に葉を育てる |
| つぼみが茶色くしおれる | 水切れ、急な高温 | 水を切らさず、涼しく咲かせる |
| 花茎が倒れる | 日照不足で間延び | 日当たりに置き、支柱を立てる |
| すぐに花が終わる | 暖房の部屋、直射 | 十度前後の涼しい場所で楽しむ |
ヒヤシンスの花を咲かせ続けるのに使うもの
つぼみが上がってからやることは決まっています。摘む・支える・足す、の 3 つです。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。N-P-K の真ん中(P)の数字が高いもの。
つぼみを作る時期はリン酸が要ります。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり伸びて花が上がりません。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
種を作らせないことが、次の花を咲かせる条件です。花の下の節まで切り戻すのが基本です。
- 支柱(草花用)探す言葉「園芸支柱 草花 リング」
- 規格の目安
- 直径 8mm・長さ 90〜150cm の細い支柱か、株ごと囲むリング支柱。
花の重みで倒れると、そこから茎が折れます。咲いてから立てるのでは間に合わないので、つぼみのうちに。
- 誘引用の麻ひも探す言葉「麻ひも 園芸 誘引」
- 規格の目安
- 太さ 2mm 前後。目立たない色のもの。
きつく縛ると茎が食い込みます。8 の字にゆるく掛けて、茎が太る余地を残します。
- 開花促進剤は、肥料と日当たりが足りているなら急ぎません。
- リング支柱がなくても、細い支柱 3 本を株の周りに立てて麻ひもで囲めば同じことができます。
ヒヤシンスの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はヒヤシンスの育て方にまとめています。
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