まず育て方を決める
ヒヤシンスは地植え、鉢植え、水栽培のどれでも育てられますが、球根の扱いと翌年の咲き方が変わります。地植えと鉢植えは翌年も咲かせやすく、水栽培は花を間近で楽しめる反面、球根が消耗して翌年の花は小さくなります。目的に合わせて最初に決めておきます。
初めてなら鉢植えが扱いやすく、花の時期に室内へ持ち込めます。庭があれば地植えが手間がかからず、数年は植えっぱなしで咲きます。
| 育て方 | 向く場面 | 翌年の花 |
|---|---|---|
| 地植え | 庭の花壇、手間をかけたくない | 二〜三年は咲く、徐々に小さくなる |
| 鉢植え | ベランダ、開花期に室内で楽しむ | 掘り上げて保存すれば咲く |
| 水栽培 | 室内で根と花を観察する | 球根が消耗し翌年は小さい |
よい球根の見分け方
球根は大きく重く、表面の皮が乾いてしっかりしているものを選びます。ヒヤシンスは球根の大きさが花の大きさに直結し、周囲が十五センチ以上の大球なら一本の花茎に多くの花が付きます。持ってみて軽い、底の部分が柔らかい、青や白のかびが付いている球根は避けます。
- 重さと硬さを確かめる
- 手に持って重みがあり、指で押しても硬いものを選びます。軽くてぶよぶよした球根は中が傷んでいます。
- 底の部分を見る
- 根が出る底の部分が平らで乾いていて、黒ずみやかびがないことを確かめます。ここが傷んでいると根が出ません。
- 皮の色でおおよその花色
- 球根の皮の色は花色とおおむね対応し、紫がかった皮は青や紫、白っぽい皮は白や淡い色の花が多い傾向です。ラベルを確かめるのが確実です。
球根の皮に触れると手がかゆくなることがあります。気になる人は手袋をして扱います。
植え付けの時期と土
植え付けは十月中旬から十一月が適期です。ヒヤシンスは冬の寒さにしっかり当たってから咲く性質があるため、早く植えすぎて暖かいうちに芽が伸びると花茎が短くなります。関東平野部なら最低気温が十度前後になるころが目安で、寒冷地は十月上旬、暖地は十一月中旬まで待ちます。
土は水はけがよく、少し肥料気のあるものを使います。地植えなら植える二週間前に腐葉土と緩効性肥料を混ぜておき、鉢なら市販の球根用か草花用の培養土で足ります。
| 地域 | 植え付けの適期 | 目安 |
|---|---|---|
| 寒冷地 | 9月下旬〜10月中旬 | 初霜の一か月前まで |
| 中間地(関東平野部) | 10月中旬〜11月 | 最低気温が十度前後になったら |
| 暖地 | 11月〜12月上旬 | 気温が下がるのを待つ |
地植えと鉢植えの深さと株間
地植えは球根の高さの二〜三倍、つまり球根の上に十センチほど土がかぶる深さに植え、株間は十五センチ空けます。鉢植えは球根の頭が土から少し見える浅植えにして、根が伸びる空間を鉢の下側に確保します。鉢は深さのある五号鉢に一球、六十センチプランターに五〜六球が目安です。
- 地植えは深く、鉢は浅く
- 地植えは球根の上に十センチの土、鉢植えは球根の肩が出る程度に浅く植えます。鉢で深植えすると根の空間が足りません。
- 株間を十五センチ
- 地植えは十五センチ、鉢は球根同士が触れない程度に離します。詰めすぎると葉が重なり、花のあとの球根が太りません。
- 尖った側を上にして置く
- 球根の尖った側が芽、平らな側が根です。尖った側を上にして土に置き、押し込まずに周りから土をかけます。
- 植えたらたっぷり水
- 植え付け後に鉢底から流れるまで水を与え、その後は土の表面が乾いたら与えます。冬でも乾かしきらないようにします。
水栽培の始め方
水栽培は専用の容器に球根を載せ、底がぎりぎり水に触れる高さに水を入れて始めます。根が出るまでは暗く涼しい場所に置き、根が容器の底まで伸びたら明るい場所に移します。球根を水に浸けすぎると腐りますから、根が出たあとは水面を根の付け根から一〜二センチ下げます。
- 球根の底が触れる高さに水
- 容器に水を入れ、球根の底面がわずかに水に触れる高さに調整します。球根本体は水に浸けません。
- 根が出るまで暗く涼しく
- 箱をかぶせるか暗い戸棚に入れ、十度前後の涼しい場所で一か月ほど根を出させます。冷蔵庫の野菜室でも代用できます。
- 根が伸びたら明るい窓辺へ
- 根が容器の底まで届き、芽が三センチほど伸びたら、明るい窓辺に出します。急に暖かい場所に出すと花茎が伸びる前に咲きます。
- 水は週に一回替える
- 水は週に一回替え、根を傷めないように容器を傾けて古い水を捨てます。根が出たら水面を少し下げて空気の層を作ります。
水栽培は冬の寒さに当てる期間が短くなりがちです。十月から十一月に始めて、根出しの間は涼しさを確保します。
植え付けで失敗したときの原因の切り分け
芽が出ない、出ても花茎が伸びずに葉の間で咲くといった失敗は、植え付けの時期か深さ、または寒さの不足が原因です。翌年に同じ失敗を繰り返さないよう、何が起きたかを見分けておきます。
| 症状 | 原因 | 次に直す点 |
|---|---|---|
| 春になっても芽が出ない | 球根の腐り、過湿 | 水はけを改善し、球根の底を確かめて植える |
| 花茎が短く葉の間で咲く | 寒さ不足、早く暖かくした | 植え付けを遅らせ、屋外で寒さに当てる |
| 葉ばかりで花が付かない | 小さい球根、前年の消耗 | 大きい球根を選び、花後に葉を育てる |
| 球根がかびて溶けた | 傷んだ球根、深植えの過湿 | 健康な球根を選び、水はけを確保 |
ヒヤシンスの植え付けに使うもの
苗も球根も、植えたあとに動かすと根が傷みます。植える日にそろえておくものだけを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視の配合。14〜25L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L、花壇なら 1 ㎡ あたり 20〜30L。
花壇でも、土が固いところは掘り上げて培養土を混ぜたほうが根が張ります。
- 腐葉土探す言葉「腐葉土 園芸」
- 規格の目安
- 葉の形が残っている完熟のもの。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 花壇 1 ㎡ あたり 5〜10L を掘り上げた土に混ぜます。
土をふかふかにして、水もちと水はけを同時に良くします。花壇の土づくりの基本です。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 マグァンプ」
- 規格の目安
- 粒状で 1 年ほど効くタイプ。植え穴の底に入れて使います。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 5〜10g、花壇 1 ㎡ あたり 50g 前後。
根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。触れると濃さで傷みます。量は袋の表示に従ってください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス 目盛り」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm。目盛り付きなら球根の深さを測れます。
球根は「球の高さの 2〜3 倍の深さ」に植えるのが基本で、目分量だと浅くなりがちです。
- 球根植え器は、球根をまとめて植えるようになってからで十分です。移植ごてで足ります。
- 鉢を毎回買い替えなくても、古い鉢を洗って日に当てれば使えます。
ヒヤシンスの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はヒヤシンスの育て方にまとめています。
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