咲かない原因を先に切り分ける
コブシが咲かない原因は、木が若い、剪定で花芽を切った、夏に水切れした、肥料が多すぎた、日照が足りない、のどれかがほとんどです。原因によって対処が正反対になることもあるので、木の年齢と前年の管理を振り返って、下の表で当たりを付けます。
| 状態 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 実生苗で植えて五年以内 | まだ花が咲く年齢でない | 八〜十年待つか、接ぎ木苗に替える |
| 冬に枝先を切った翌年 | 花芽ごと切り落とした | 冬は枝先を残し、花後に切る |
| 前年の夏に葉が落ちた | 水切れで花芽ができなかった | 夏の水やりとマルチを徹底 |
| 葉ばかり茂って枝が長い | 肥料 (特に窒素) が多い | 寒肥を減らし、夏以降は与えない |
| 半日陰に植えている | 日照不足 | 周囲の木を透かすか、移植は若木のうちに |
| 蕾は付くが開かず落ちる | 冬の乾燥、遅霜 | 冬も水を切らさず、鉢は霜を避ける |
花芽は夏に枝先で作られる
コブシの花芽は、その年の枝の伸びが止まった七月から八月に、枝先で作られます。この時期に水が足りないと花芽が作られず、翌春は葉芽だけになります。逆に肥料が多いと枝の伸びが止まらず、花芽ができる前に秋を迎えます。夏の水やりと肥料を控えることが、翌年の花の量を決める最大の要因です。
- 七月から八月は水を切らさない
- 地植えでも十日以上雨がなければ根元にたっぷり与えます。鉢植えは朝の水やりに加え、夕方に葉が巻いていたらもう一回与えます。
- 六月以降は肥料を止める
- 追肥(育ちの途中で足す肥料)は花後の四月で終え、六月以降は与えません。枝の伸びを止めて花芽作りに養分を回します。
- 枝先を触らない
- 七月以降に枝先を切ると花芽の元を失います。伸びすぎが気になっても、冬に花芽を確かめてから切ります。
花芽の見分け方と冬の観察
花芽は秋には毛に覆われた太いふくらみになり、冬にはっきり見えます。長さ二〜三センチで、握りこぶしのような形です。葉芽は細く小さく、枝の途中に付きます。十一月に枝先を見て回り、花芽の数を数えておくと、翌春の花の量が分かり、剪定で切ってよい枝も判断できます。
- 十一月に枝先を数える
- 落葉後に枝先を見て、毛に覆われた太い芽の数を数えます。枝先の三分の一以上に花芽があれば十分な量です。
- 花芽の枝に印を付ける
- 花芽の付いた枝に麻ひもを軽く結んで印にしておくと、冬の剪定で誤って切ることがなくなります。
開花中の管理
三月に花芽の毛が割れて白い花が開きます。花の寿命は一週間ほどで、雨や遅霜で花弁が茶色くなります。開花中は水を切らさず、鉢植えは霜の予報の夜だけ軒下に移します。花が終わったら花がらは自然に落ちるので、無理に取る必要はありません。
花の色や形は株ごとに少しずつ違い、花弁の付け根が紅色を帯びるものや、花弁が細長いものがあります。咲き方を記録しておくと、翌年の花芽の数と比べて管理の効果を確かめられます。
- 遅霜の夜は鉢を移す
- 霜の予報が出た夜は、鉢植えを軒下か玄関内に移します。地植えは何もできないので、花を早めに切って室内で楽しむ手もあります。
- 切り花として楽しむ
- 蕾がふくらんだ枝を切って室内に活けると、暖かさで数日早く咲きます。切る枝は混み合った部分から選び、剪定を兼ねます。
花後にすること
花が終わったらお礼肥を置き、伸びすぎた枝の切り戻しを四月中に済ませます。実が付いたら早めに摘み取ります。実を残すと養分を取られ、翌年の花芽が減ります。花後から梅雨までは新しい枝が伸びる時期で、この伸びが止まった後に花芽ができるので、五月から六月の水やりも大切です。
- お礼肥は花後すぐ
- 花が終わった四月に、緩効性の固形肥料を根元から離して置きます。株の回復と花芽作りの養分になります。
- 実は五月に摘む
- 小さな実が付いたら、手で摘み取ります。赤い実を楽しみたいなら、木の勢いを見て一部だけ残します。
若木を早く咲かせるには
実生苗は花が咲くまで八〜十年かかります。早く咲かせたいなら、二〜三年で咲く接ぎ木苗を選びます。若木では枝を伸ばすことに養分が回るので、剪定を控えて枝を充実させ、肥料は寒肥だけにします。鉢植えなら根を制限することで早く花芽が付くことがあります。
焦って肥料を増やしても花は早まりません。むしろ窒素が多いと枝ばかり伸びて、花芽ができる時期が後ろにずれます。若木のうちは日当たりと夏の水を守り、木が落ち着くのを待つのが最も確実です。
| タイプ | 花が咲くまでの目安 | 早めるコツ |
|---|---|---|
| 実生苗 | 八〜十年 | 剪定を控え、枝を充実させる |
| 接ぎ木苗 | 二〜三年 | 花後の肥料を守り、夏の水を切らさない |
| 鉢植え (接ぎ木) | 一〜二年 | 根を制限し、肥料を控えめに |
| シデコブシ系 | 三〜五年 | 日なたに置き、冬の乾燥を避ける |
コブシの花のころに使うもの
木は花の数より、咲いた花が実になるかどうかで穫れる量が決まります。
- 授粉用の毛ばたき・綿棒探す言葉「人工授粉 毛ばたき 園芸」
- 規格の目安
- 柔らかい毛のはたきか、綿棒。
虫が少ない場所や、開花期に雨が続いた年は、花粉が運ばれません。触れて回るだけで実付きが変わります。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いもの。
窒素が効きすぎていると、枝葉ばかり伸びて花が減ります。花の時期は窒素を控えます。
- 不織布(遅霜よけ)探す言葉「不織布 防寒 べたがけ」
- 規格の目安
- 目付 20〜30g/㎡。
開花中の遅霜は、その年の実をまとめて落とします。冷える予報の夜だけかければ足ります。
- 虫がよく来る場所なら、人工授粉は要りません。
- 開花促進剤より、前の年の剪定と施肥のほうが花数に効きます。
コブシの上手に育てるコツは作物ページに
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