地植えと鉢植えの水やり
地植えは根付いた三年目以降、真夏の干ばつ以外は水やり不要です。ただし根が浅く広がるので、植え付けから二年は土が乾いたらたっぷり与えます。鉢植えは乾きが早く、夏に一度でもカラカラに乾くと葉が縮んで落ちます。土の表面が乾いたら鉢底から流れるまで与え、真夏は朝夕の二回になることもあります。
水やりは時刻より土の状態で決めます。指を土に二〜三センチ差し込み、乾いていたら与え、湿っているなら見送ります。コブシは湿りすぎにも弱いので、毎日決まって与える習慣は根腐れの元です。
| 場面 | 水やりの目安 | 注意 |
|---|---|---|
| 地植え・一〜二年目 | 土が乾いたら週一〜二回 | 真夏は二〜三日に一回 |
| 地植え・三年目以降 | 原則不要 | 十日以上雨がなければ一度 |
| 鉢植え・春秋 | 表土が乾いたら鉢底まで | 受け皿に水をためない |
| 鉢植え・夏 | 朝に一回、夕方に乾いていればもう一回 | 根元にマルチを敷く |
| 鉢植え・冬 (落葉中) | 七〜十日に一回 | 暖かい日の午前中に |
根元のマルチで乾燥を防ぐ
コブシの根は地表近くに広がり、夏の乾燥と地温の上昇に弱い木です。根元に腐葉土やバークチップを五センチほど敷くと、土の乾きが遅くなり根が守られます。マルチは幹に直接触れないよう、幹から十センチ離して敷きます。幹に密着させると根元が蒸れて傷みます。
- 梅雨明け前に敷く
- 六月下旬に、枝張りの範囲に腐葉土かバークチップを五センチの厚さで敷きます。幹の周りは空けておきます。
- 根元を踏まない
- 根元の土が踏み固められると根が呼吸できません。通り道になっているなら、根元に囲いを作って踏まないようにします。
- 葉が縮んだら水
- 夏に葉が内側に巻いて縮んだら水切れの合図です。夕方に根元へたっぷり与え、翌朝に葉が開いていることを確かめます。
肥料は寒肥とお礼肥の二回
肥料は二月の寒肥と、花後のお礼肥の二回が基本です。寒肥は油かすや堆肥などゆっくり効くものを枝先の真下に埋め、一年の基礎にします。お礼肥は花で消耗した株を回復させ、夏の花芽作りを助けます。夏以降に窒素の多い肥料を与えると枝ばかり伸びて花芽が減るので、七月以降は与えません。
- 寒肥は二月上旬に
- 枝の広がりの真下に沿って数か所穴を掘り、油かすと堆肥を混ぜて埋めます。幹のすぐそばは避けます。
- お礼肥は花後すぐ
- 四月に、緩効性の固形肥料を根元から離して置きます。追肥(育ちの途中で足す肥料)はこの一回で足ります。
- 鉢植えは少量を二回
- 鉢植えは三月と花後の四月に、緩効性の置き肥を鉢の縁に少量ずつ置きます。夏と冬は与えません。
肥料が多いと葉ばかり茂って花が減ります。庭木なら寒肥だけでも十分に咲きます。
夏の管理
夏は水切れと葉焼けに気を付けます。西日が強く当たると葉の縁が茶色く焼け、翌年の花芽作りにも響きます。鉢植えは午後に日陰になる場所へ移し、地植えは根元のマルチで地温を下げます。台風の後は葉が傷んでいることが多く、傷んだ葉を取り除いて風通しを保ちます。
- 鉢は東向きに
- 真夏の鉢植えは、午前中に日が当たり午後は日陰になる場所に置きます。西日が避けられないなら、よしずで遮ります。
- 葉水は朝に
- 乾燥した日は朝に葉全体へ水をかけます。ハダニの予防にもなります。夕方の葉水は夜に湿ったままになるので避けます。
- 台風の後は葉を整理
- 強風で裂けた葉や折れた小枝は、そのままだと病気の入り口になります。翌日に取り除き、根元の土が崩れていたら足して支柱を確かめます。
冬の管理
コブシは寒さに強く、関東平野部の露地では防寒不要です。落葉後は水をほとんど吸わないので、鉢植えでも水やりは七〜十日に一回で足ります。乾かしすぎると花芽が落ちるので、完全に乾かさないようにします。寒風が強い場所の鉢植えは、風の当たらない場所に移します。
- 落葉後は水を減らす
- 葉が落ちたら、鉢土の表面が乾いてから二〜三日待って与える程度に減らします。凍る日の夕方には与えません。
- 花芽の落下を防ぐ
- 冬に極端に乾かすと、春に花芽が開かず落ちます。鉢植えは月に二〜三回は確実に水を与えます。
葉が縮む・黄ばむときの原因の切り分け
コブシの葉の不調は、乾燥、根の傷み、日焼け、肥料切れが主な原因です。葉が内側に巻くなら乾燥、縁が茶色いなら日焼け、全体が薄い黄色なら肥料切れか根詰まりです。まず土の湿り具合と、症状が出た時期を見て判断します。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が内側に巻いて縮む | 水切れ | たっぷり水を与え、マルチを敷く |
| 葉の縁が茶色く焼ける | 西日、強い日差し | 日よけをするか、鉢を東側へ |
| 全体が薄い黄色で小さい | 肥料切れ、根詰まり | 春に追肥、鉢なら植え替え |
| 土が湿ったまま黄ばんで落ちる | 根腐れ、水はけ不良 | 水を止め、周囲の土を高くする |
| 夏に早々と落葉する | 乾燥と暑さのストレス | 水を切らさず、翌年はマルチを早めに |
コブシの育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
コブシの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はコブシの育て方にまとめています。
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