植え替えの時期と合図
植え替えの適期は最低気温が十五度を超えて安定する五月から八月です。この時期なら根を触っても新しい根がすぐ伸びます。十月以降と冬は根が動かず、傷んだまま冬を越すことになるので、気付いても春まで待つほうが確実です。
ネオレゲリアは根の伸びがゆっくりなので、鉢がすぐ窮屈になることはありません。植え替えるのは二〜三年に一度、または子株が増えて鉢からはみ出したときです。用土が古くなって水が抜けにくくなったときも、時期を待って新しくします。
| 状態 | 植え替えるか | 時期 |
|---|---|---|
| 子株が増えて鉢からはみ出す | する | 五月〜八月 |
| 水が土にしみ込まず表面を流れる | する | 五月〜八月 |
| 買って一年、まだ余裕がある | しない | 翌年以降 |
| 秋や冬に窮屈に気付いた | しない、春まで待つ | 翌年の五月 |
買ってきた株が水を含みやすい用土に植わっていることがあります。乾きが遅いと感じたら、五月以降に水はけのよい用土へ替えます。
用土と鉢を選ぶ
ネオレゲリアは木に着生する植物なので、畑の土のように水を抱える用土は合いません。バークチップ、ミズゴケ、洋ラン用の用土のように、粒が粗くて水がすぐ抜けるものを選びます。観葉植物用の土を使うなら、軽石やパーライトを三〜四割は混ぜて水はけを足します。
鉢は根の量に合わせて小さめにします。株の見た目より一回り小さいくらいでちょうどよく、大きい鉢に植えると用土が乾かず根が傷みます。素焼き鉢は乾きが速いので向きます。株が大きくて倒れるときは、鉢を重い素材にするか鉢底に石を入れて安定させます。
| 種類 | 特徴 | 向く場面 |
|---|---|---|
| バークチップ主体 | 水はけと通気が最もよい | 屋外に出す株、大きい株 |
| ミズゴケ単用 | 軽く植え替えが楽、乾きが読みやすい | 小さい株、外した子株 |
| 洋ラン用の用土 | 配合済みで扱いやすい | 初めて植え替える人 |
| 観葉植物用の土に軽石を三〜四割 | 手に入りやすいが乾きは遅め | 室内で乾かし気味に管理できる人 |
植え替えの手順
作業の前に筒の水を全部捨てます。水が入ったまま鉢から抜くと、株を傾けたときに水がこぼれて用土が濡れ、作業しにくくなります。鉢から抜いたら古い用土を手でほぐして落とし、黒く柔らかくなった根を切ります。
植えるときに一番大事なのは深さです。株元を用土に埋めると、そこから腐って中心が抜けます。葉の付け根がぎりぎり用土の上に出る高さで植え、ぐらつくなら割り箸を三本立てて支えます。根で固定するのではなく、支えで固定すると考えます。
- 筒の水を捨てる
- 作業の前に株を横に倒し、筒の水を全部流します。水が入ったままだと用土が濡れて扱いにくくなります。
- 古い用土を落とす
- 鉢から抜いて古い用土を手でほぐして落とします。根は少ないので、無理に残そうとせず傷んだ根を切ります。
- 浅く植える
- 葉の付け根が用土の上に出る高さで植えます。深く埋めると株元から腐り、中心が抜ける原因になります。
- 支えを立てる
- 根が少なくぐらつくときは割り箸を三本立てて株を挟みます。動かなくなれば新しい根が早く伸びます。
植え替えたあとの管理
植え替えた直後は、用土に水を与えず筒にだけ少量の水を入れます。根の切り口が濡れたままだと腐りやすいためで、用土への水やりは一週間ほど待ってから始めます。ネオレゲリアは筒から水を取れるので、この間も株は困りません。
置き場所は風の通る明るい日陰にします。植え替えの直後に強い光へ当てると、根が水を吸えないまま葉が焼けます。二週間ほどで新しい葉が中心から動き出したら根付いた合図で、そこから元の明るい場所へ少しずつ戻します。
- 筒にだけ水を入れる
- 植えたあとは筒に少量の水を入れ、用土への水やりは一週間待ちます。切り口が濡れ続けると根が腐ります。
- 明るい日陰で二週間
- 風の通る明るい日陰に置きます。直射に当てると根が追いつかず葉が焼けるので、慣らしは根付いてからです。
- 肥料は一か月あと
- 植え替え直後の肥料は根を傷めます。新しい葉が動き出して一か月たってから、薄めた液体肥料を葉に霧吹きで与えます。
植え替えのあと下の葉が一〜二枚枯れるのは自然な反応です。中心の葉が緑で硬ければ心配ありません。
鉢を使わず着生させる
ネオレゲリアは本来木に着生する植物なので、鉢に植えずに流木やヘゴ板に付けて育てることもできます。用土がない分だけ根が腐る心配がなくなり、風通しもよくなるので、水はけで失敗しがちな人にはかえって育てやすい方法です。
根元に湿らせたミズゴケを少し当て、テグスや園芸用のひもで流木に縛り付けます。半年から一年で根が流木をつかむので、そうしたらひもを外します。水やりは筒に水を入れるほか、株ごと水に浸けるか、シャワーで全体を濡らします。
- ミズゴケを根元に当てる
- 湿らせたミズゴケを軽く握って根元に当てます。厚く巻きすぎると乾かないので、根が隠れる程度にします。
- テグスで縛り付ける
- 株が動かないようにテグスや園芸用のひもで流木へ縛ります。動くと根が伸びないので、しっかり固定します。
- 根が付いたらひもを外す
- 半年から一年で根が流木をつかみます。引いても動かなくなったらひもを外し、そのまま育てます。
- 水は全体を濡らして与える
- 筒に水を入れるほか、週に一〜二回は株全体をシャワーで濡らします。乾きが速いので鉢植えより回数が要ります。
植え替えで失敗するときの原因と直し方
植え替え後の不調のほとんどは、深植え、用土の水もち、大きすぎる鉢、時期の四つに集約されます。特に深植えは、しばらくたってから中心が抜けるという形で表れるので、原因に気付きにくいのが厄介です。
株元が黒く柔らかいなら、抜いて腐った部分を切り、浅く植え直します。中心まで抜けてしまったら親株は戻りませんが、根元に子株があればそれを外して育てます。ネオレゲリアは親株が子株に入れ替わる植物なので、これで栽培が途切れることはありません。
| 症状 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| しばらくして株元が黒く柔らかい | 深植え | 抜いて腐った部分を切り浅く植え直す |
| 用土がいつまでも乾かない | 水もちのよい用土か大きすぎる鉢 | 小さめの鉢に粗い用土で植え直す |
| 植えて一か月動かない | 気温が低い時期に行った | 明るい日陰で待ち翌年の五月にやり直す |
| 株がぐらついて葉が傾く | 根が少なく固定できていない | 割り箸で支えるか流木に着生させる |
ネオレゲリアの植え替えに使うもの
植え替えは鉢を大きくする作業ではなく、根と土を新しくする作業です。同じ鉢に戻す選択もあります。
数量は直径 24cm(8 号)の鉢 1 個を単位にしています。号数は直径 cm を 3 で割った数です。
- 鉢(ひと回り大きいもの)探す言葉「植木鉢 8号 スリット」
- 規格の目安
- 直径で 3cm(1 号)だけ大きいもの。スリット鉢は根が鉢底で回りません。
急に大きくすると、根の届かない土が湿ったまま残り、根腐れの原因になります。1 号ずつが原則です。
- 培養土探す言葉「観葉植物 培養土 水はけ」
- 規格の目安
- 観葉植物用、または多肉・サボテン用。水はけ重視の配合。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、6 号鉢で約 3L、10 号鉢で約 15L。
古い土は粒が潰れて水はけが落ちています。土を替えることが植え替えの目的の半分です。
- 鉢底石探す言葉「鉢底石 ネット入り」
- 規格の目安
- 軽石。ネット入りなら次の植え替えでそのまま取り出せます。
鉢底の穴が土でふさがらないようにするためです。ネット入りは繰り返し使えます。
- 根切りばさみ・割り箸探す言葉「根切りばさみ 園芸」
- 規格の目安
- 刃の厚いはさみ。根鉢をほぐすのは割り箸や竹串で足ります。
固まった根鉢は、外側を切ってほぐさないと新しい根が出ません。土をかむので、普通のはさみは傷みます。
- 同じ鉢に戻すなら、新しい鉢は要りません。根を整理して土を替えるだけで十分です。
- 鉢底ネットは、スリット鉢なら要りません。
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