住まいの環境から置き場所を選ぶ
パキフィツムはメキシコの乾いた岩場に育つ多肉植物で、日照が足りないと葉と葉の間が伸びてまばらになり、丸い葉の魅力が消えます。一方で夏の直射日光と蒸れには弱く、日本では春と秋によく育つ春秋型として扱います。
まず自分の置ける場所がどれに近いかを下の表で確かめ、その季節の管理から読んでください。同じ日なたでも、床に直置きした鉢と棚に載せた鉢では株の消耗がまるで違います。
| 場面 | 春と秋 | 夏(6〜9月) | 冬(12〜2月) |
|---|---|---|---|
| 南向きベランダ | 日なたの棚に置く | 遮光ネットか午後日陰へ移す | 日なた。霜の夜は室内へ |
| 東向きベランダ | そのまま日なた | 午前だけ日が当たれば理想 | 日なた。夜は窓から離す |
| 北向きベランダ | できるだけ明るい場所 | そのまま。風通しを確保 | 徒長しやすいので冬は室内の窓辺へ |
| 室内の窓辺 | 南か東の窓辺に密着 | レースのカーテン越し | 窓辺で日に当て、夜は窓から離す |
白い粉は手で触ると落ちて戻りません。鉢を動かすときは鉢の縁を持ち、葉には触れないようにします。
春と秋は日なたで葉を締める
三月から五月と九月下旬から十一月は生育期です。一日じゅう日の当たる屋外の棚に置くと、葉が丸く太り、白い粉が厚くのって淡い桃色や紫色がのります。日照が足りないと葉は細長くなり、茎ばかり伸びます。
屋外なら雨に当てて構いませんが、白い粉が流れやすいので、強い雨が続くときは軒下へ寄せます。鉢は床から十センチ以上浮かせ、風が鉢底を通るようにします。
- 日当たりを確かめる
- 午前から午後まで日が当たる場所を選びます。葉の間隔が広がってきたら日照が足りない合図なので、より明るい場所へ動かします。
- 鉢を床から浮かせる
- レンガや棚に載せ、鉢底に風を通します。コンクリートの床に直置きすると照り返しで鉢が熱くなり、根が傷みます。
- 向きを時々変える
- 窓辺や壁際では株が光のほうへ傾きます。二週間に一度、鉢の縁を持って回し、葉が偏らないようにします。
夏は遮光と風で蒸れを避ける
六月の梅雨入りから九月中旬までは、直射日光を避けた明るい場所に移します。三十度を超える日が続くと株は休眠に近づき、水を吸う力が落ちます。この時期に西日と蒸れが重なると、ぷっくりした葉が透けて落ちたり、茎の付け根から腐ったりします。
遮光率三割から五割のネットか、午前だけ日が当たる東側が向きます。風のない日はサーキュレーターを弱で回すと株元が乾き、夏越しの成功率が上がります。
- 梅雨入り前に移動する
- 六月上旬、梅雨入りの発表を目安に遮光下へ移します。移動が遅れると、雨に打たれた葉に斑点が出て、粉も落ちます。
- 西日を切る
- 午後三時以降の日ざしが当たる場所は避けます。すだれや遮光ネットを西側に張るだけでも葉焼けが減ります。
- 雨を避ける
- 軒下か透明な波板の下で、雨を防ぎつつ明るさを保ちます。長雨に当てたままにするのが夏の失敗の大半です。
夏に下葉が黄ばんで落ちるのは休眠の姿です。中心の葉が締まっていれば秋に回復します。
冬は霜を避けて日に当てる
パキフィツムは零度から三度程度までは耐えますが、霜が葉に降りると細胞が壊れて透明になり、そのまま溶けます。関東平野部では十二月から二月の間、霜の降りる夜だけ室内か軒下の奥へ入れ、昼は日なたに戻すのが安全です。
室内に入れっぱなしにすると日照不足で茎が伸びます。昼は窓辺で日に当て、夜は窓から離すのが基本で、暖房の風が直接当たる場所は葉がしぼむので避けます。
- 最低気温を目安にする
- 予報の最低気温が三度を下回る夜は屋内へ入れます。五度以上なら屋外の軒下に置いたままで構いません。
- 昼は外へ戻す
- 晴れた日の午前中に屋外の日なたへ出し、夕方に取り込みます。手間はかかりますが、これで冬の徒長を防げます。
- 水は月に一回程度
- 冬は葉にしわが寄ってから、暖かい日の午前に少量だけ与えます。凍る夜の前には与えません。
置き場所の失敗と立て直し
パキフィツムの不調は、多くが日照不足による徒長(茎が間のびして葉がまばらになること)か、夏の直射による葉焼けです。症状を見てどちらかを判断し、置き場所を変えたうえで、崩れた姿は挿し木で作り直します。
| 症状 | 考えられる原因 | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 葉の間隔が開き、茎が伸びる | 日照不足 | 日なたへ移す。伸びた部分は春か秋に胴切りして挿す |
| 葉の表面が茶色く乾いた斑 | 夏の直射日光、急な移動 | 遮光する。焼けた葉は外れるまで残す |
| 葉が透けて落ちる | 夏の蒸れか霜 | 風の通る場所へ。落ちた葉は葉挿しに使える |
| 粉がまだらに落ちている | 手で触った、雨に打たれた | 戻らない。新しい葉から粉がのるので触らない |
急に明るい場所へ移すと葉焼けします。日なたへ戻すときは一週間ほど午前だけ当てて慣らします。
パキフィツムの置き場所を整えるのに使うもの
室内は、人が明るいと感じても植物には暗いことがほとんどです。光を足すか、置き場所を変えるかのどちらかです。
- 植物育成ライト探す言葉「植物育成ライト 白色 クリップ」
- 規格の目安
- 白色(フルスペクトル)で、株から 30〜50cm に吊るせるもの。1 日 8〜12 時間。
窓から離れた場所では、どの植物も徐々に間延びします。紫色のライトは効きますが、部屋の見た目が変わるので白色が現実的です。
- レースカーテン探す言葉「レースカーテン 遮光 UV」
- 規格の目安
- 光を通すもの。遮光率の高すぎるものは逆効果です。
夏の直射は、室内で育った葉を焼きます。外から入れたばかりの株ほど、一枚挟んで慣らします。
- キャスター付き鉢台探す言葉「鉢 キャスター 台 室内」
- 規格の目安
- 耐荷重を土と水を含めた重さで見ます。8 号鉢で 10kg 前後。
大きな鉢は動かせないと、季節に合わせて置き場所を変えられません。床の通気も良くなります。
- 温湿度計探す言葉「温湿度計 デジタル 小型」
- 規格の目安
- 最低・最高を記録できるもの。
窓際は日中と夜で 10℃ 以上違うことがあります。冬に葉を落とす原因は、たいてい夜の冷え込みです。
- 窓辺に置けるなら、育成ライトは要りません。
- 加湿器は植物のためだけには要りません。霧吹きとサーキュレーターで足りることが多いです。
パキフィツムの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はパキフィツムの育て方にまとめています。
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