季節と葉の姿で水の量を決める
パキフィツムは厚い葉にたっぷり水を蓄えるため、乾きで枯れることはまずありません。失敗のほぼすべては与えすぎで、葉が透けて落ちたり茎が腐ったりします。今がどの季節で、葉がどんな状態かを見て、下の表から与え方を選びます。
| 時期 | 株の状態 | 水やりの目安 | 与え方 |
|---|---|---|---|
| 3〜5月 | 葉が太り、新しい葉が出る | 土が完全に乾き、下葉に軽くしわが寄ったら | 鉢底から流れるまで。午前中に |
| 6〜9月中旬 | 休眠。下葉が黄ばむ | 月に1〜2回、少量 | 日没後に土の表面だけ湿らせる |
| 9月下旬〜11月 | 再び太り、色づく | 土が乾き、しわが寄ったら | 鉢底から流れるまで。午前中に |
| 12〜2月 | 動きが止まる | 月に1回か断水 | 暖かい日の午前に少量 |
しわは葉の裏側に先に出ます。株を少し傾けて下葉の裏を見ると、表より早く気づけます。
乾き具合の確かめ方
水やりは日数で決めず、土の乾きと葉の張りで決めます。パキフィツムは根が細く、常に湿った土だと根の先端から傷みます。表面が乾いてからさらに数日待ち、鉢の中まで乾いたのを確かめてから与えるのが基本です。
寄せ植えや大きな浅鉢では、縁と株元で乾き方が違います。縁の土が乾いていても株元は湿っていることがあるので、竹串は株の近くに挿して確かめ、迷ったら一日待ちます。
- 鉢を持ち上げる
- 水やり直後の重さを覚えておき、明らかに軽くなったら与えるころです。素焼き鉢なら側面が白く乾いた状態が目安です。
- 竹串を挿す
- 鉢の縁に竹串を底まで挿して数分置き、抜いて湿り気を確かめます。串が乾いていれば与えてよいです。
- 下葉を軽くつまむ
- 生育期に外側の葉を指の腹で軽く押し、張りがなく少しやわらかいなら水を欲しがっています。粉が落ちるので、確かめるのは一番下の古い葉だけにします。
葉にかけず株元の土に注ぐ
葉に水がかかると白い粉が流れて斑になり、二度と戻りません。また葉の付け根に水が残ると、そこから腐りやすくなります。注ぎ口の細いジョウロか、先の細い容器で葉をよけて株元の土に直接注ぎます。
生育期にたっぷり与えるのは、鉢の中の古い水と空気を入れ替えるためです。鉢底から流れ出るまで注ぎ、受け皿の水は必ず捨てます。少量ずつ何度も与えると根が浅くしか張らず、暑さにも寒さにも弱い株になります。
- 株元に注ぐ
- 葉の下に注ぎ口を差し込むようにして土に注ぎます。葉に水滴がついたら、ティッシュの角で吸い取るか鉢を傾けて落とします。
- 鉢底から出るまで
- 生育期は鉢底穴から水が流れ出るまで与えます。途中でやめると下のほうの根に水が届きません。
- 時間帯を選ぶ
- 春秋と冬は午前中、夏は日没後に与えます。夏の昼に与えると鉢の中がお湯のようになり根が傷みます。
鉢を回しながら注ぐと、片側だけ湿って根が偏るのを防げます。ジョウロは水が細く出るものを一本、多肉植物専用に用意しておくと楽です。
夏は蒸らさないことを最優先にする
六月から九月の休眠中は根がほとんど水を吸いません。この時期に春と同じ量を与えると、湿った土が高温で蒸れ、葉が一枚ずつ透けて落ち、やがて茎が腐ります。完全な断水でも耐えますが、細い根が枯れて秋の立ち上がりが遅れるので、月に一、二回、涼しい夕方に土の表面が湿る程度を与えます。
梅雨の長雨に当たったあとは、鉢を横に倒して余分な水を抜き、風の通る場所で乾かします。二日たっても土が湿っているなら、鉢から抜いて新聞紙の上で根鉢を乾かすほうが株を救えます。
- 夕方に少量だけ
- 日が落ちて鉢が冷めてから、株元の土の表面が湿る程度を与えます。量はコップ半分ほどで十分で、鉢底から流れるほどは与えません。
- 翌朝に乾きを見る
- 翌朝に土の表面を触り、まだ湿っているなら次は二週間以上空けます。夕方までに乾いていれば量が適切です。
- しわが寄っても増やさない
- 夏に葉にしわが寄るのは休眠の姿です。水を増やすと腐るので、涼しくなる九月下旬まで待ちます。
夏に下葉が黄ばんで落ちるのは自然な姿です。中心の葉が締まっていれば問題ありません。
水やりの失敗を見分けて戻す
しおれた姿を見て水をやり、かえって悪化させるのが典型的な失敗です。しわの原因が乾きなのか根腐れなのかを、土の湿りと茎の固さで判断してから手当てをします。
| 見た目 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 葉にしわが寄り、土は乾いて茎は固い | 生育期の水切れ | たっぷり与えれば数日で張りが戻る |
| 葉が透けて黄ばみ、茎の付け根が柔らかい | 与えすぎ、根腐れ | 鉢から抜き、傷んだ根と葉を取って一週間乾かし、乾いた土に植え直す |
| 葉が次々に落ちる | 夏の蒸れ、または冬の凍結 | 水を止めて風通しのよい場所へ。落ちた葉は葉挿しにする |
| 春に動き出さない | 冬の断水が長すぎた | 暖かい日にたっぷり与え、二週間様子を見る |
判断がつかないときは水を止めて風通しのよい場所に置くのが最も安全です。乾きで枯れるより腐って枯れるほうがずっと多い植物です。
パキフィツムの水やりに使うもの
「何日おき」で決めると必ず外します。乾いたかどうかを見る道具と、鉢底から抜けるようにする道具に分けます。
数量は直径 24cm(8 号)の鉢 1 個を単位にしています。号数は直径 cm を 3 で割った数です。
- 土壌水分計探す言葉「土壌水分計 観葉植物」
- 規格の目安
- 土に挿して読む針式。電池の要らないものが手軽です。
表面の乾きと、鉢の中の乾きは一致しません。挿して確かめる習慣が付くと、やりすぎがなくなります。
- 注ぎ口の細いジョウロ探す言葉「ジョウロ 室内 注ぎ口 細い」
- 規格の目安
- 容量 1〜2L。注ぎ口が細く長いもの。
葉の間から株元へ差し込んで注げます。葉に水を溜めると、そこから腐る植物があります。
- 受け皿探す言葉「鉢 受け皿 室内」
- 規格の目安
- 鉢底より一回り大きいもの。
鉢底から抜けた水を受けるためのものです。**溜まった水はそのつど捨てます。** 溜めたままにするのが根腐れの典型です。
- 霧吹き(葉水用)探す言葉「園芸 霧吹き 葉水」
- 規格の目安
- 300〜500ml。霧の細かいもの。
水やりの代わりにはなりませんが、葉裏に当てるとハダニが付きにくくなります。乾燥する冬の室内で効きます。
- 自動給水器は、留守が続くときだけで十分です。日常は自分で見るほうが確実です。
- 多肉植物には霧吹きは要りません。かえって蒸れの原因になります。
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