植え替えが必要かを見て決める
パキフィツムは成長がゆっくりで、根詰まりよりも土の劣化と株の伸びすぎが植え替えの理由になります。目安は一、二年に一回ですが、株の姿を見て判断するほうが確実です。夏と真冬は根が動かないので避けます。
| 状態 | 植え替えの要否 | 時期 |
|---|---|---|
| 水を与えてもすぐ流れ出る、土が固い | 必要。根詰まりか土の劣化 | 3〜4月か9月下旬〜10月 |
| 茎が伸びて頭が重く倒れる | 必要。胴切りを兼ねる | 3〜4月か9月下旬〜10月 |
| 買ってきた苗がプラスチックの小鉢 | できれば植え替える | 夏以外の生育期 |
| 葉が締まり、鉢に余裕がある | 不要 | 翌年に見直す |
買ったばかりの苗は、土が湿っていて水はけの悪いことが多いです。生育期なら二週間ほど様子を見てから植え替えます。
鉢と土を用意する
鉢は株の直径より一回り大きい程度で、深さより水はけを優先します。素焼き鉢か駄温鉢が乾きやすく安全です。プラスチック鉢でも育ちますが、乾きが遅い分、水やりを控えめにします。
土は市販の多肉植物用の土で十分です。自分で配合するなら、赤玉土小粒四、鹿沼土三、軽石小粒二、腐葉土一を目安に混ぜます。肥料分は少なめにし、多いと葉が開いて粉が薄くなります。
- 鉢は一回りだけ大きく
- 直径で二、三センチ大きい鉢を選びます。大きすぎると土が乾かず、植え替え直後に根腐れします。
- 土は水はけ重視
- 多肉植物用の土か、赤玉土と鹿沼土と軽石を主体にした配合にします。細かい粒は捨てて粗い粒だけを使います。
- 鉢底石を敷く
- 鉢底穴を覆うネットの上に軽石を二センチほど敷いてから土を入れます。小鉢でも必ず入れます。
植え替えの手順
作業の一週間前から水を止め、土を乾かしておきます。乾いた土は根から外しやすく、傷んだ根も見分けやすくなります。株を持つときは茎の根元か鉢の縁を持ち、葉には指を触れないようにします。粉が落ちると戻らず、葉も取れやすいからです。
- 鉢から抜く
- 鉢の側面を軽く叩き、茎の根元をつまんで引き抜きます。抜けないときは鉢を逆さにして底を叩き、葉を持って引っぱらないようにします。
- 古い土と根を落とす
- 根鉢をほぐし、古い土を三分の二ほど落とします。黒く乾いた根や、指でつまむと崩れる根は取り除きます。
- 枯れた下葉を取る
- 茎の下に残った枯れ葉を横に引いて外します。残しておくと湿気がこもり、カイガラムシの隠れ場所になります。
- 根を乾かしてから植える
- 根を切った株は明るい日陰で二、三日乾かしてから植えます。下葉が土に触れない高さに据え、鉢を叩いて隙間を埋めます。
- 水は一週間後から
- 植えた直後は水を与えず、明るい日陰で一週間置いてから最初の水を与えます。根の切り口が乾いてから水を当てることで腐りを防ぎます。
抜いた株を半日以上放置するときは、新聞紙に包んで日陰に置きます。直射日光に出したままだと根の先が枯れ込みます。
伸びた株は胴切りで作り直す
日照不足で茎が伸びた株は、植え替えのついでに胴切り(茎を途中で切って上部を挿し木にすること)で仕立て直します。切った上部は新しい株になり、残った下部の茎からも脇から芽が出るので、一株が二株以上に増えます。
切る位置は、締まった葉が残る上部を五センチ程度確保できる高さです。下部には葉を二、三枚残しておくと、芽が出やすくなります。
- 清潔な刃で切る
- アルコールで拭いたカッターかはさみで、茎を一気に切ります。つぶすように切ると切り口が腐ります。
- 上部を乾かす
- 切った上部は空き瓶などに立てて明るい日陰に置き、一週間ほど切り口を乾かします。その後、乾いた土に浅く挿します。
- 下部はそのまま管理
- 残った下部は水やりを控えめにして日なたに置きます。二週間から一か月で切り口の周りから芽が出ます。
植え替え後のトラブルと直し方
植え替え直後に下葉にしわが寄るのは、根が切れて水を吸えない一時的な姿です。二、三週間で中心から新しい葉が動き出せば成功です。それを過ぎても動かないときは、植え方か水やりのどちらかを疑います。
植え替え直後に強い日ざしや雨に当てるのも失敗のもとです。一週間は明るい日陰に置き、それから徐々に日なたへ戻します。根が張ったかどうかは、茎を指で軽く引いて抵抗があるかで確かめます。
| 症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 三週間たっても新しい葉が出ない | 根の切り口が乾く前に水を与えた | 抜いて根を確かめ、傷んだ部分を取って乾かし直す |
| 株がぐらつく | 浅すぎる、土が締まっていない | 株元に土を足して軽く押さえる。支えに割り箸を添える |
| 下葉が黄色く溶ける | 深植えで下葉が土に触れた | 植え直し、下葉が土から浮くようにする |
| 葉がぽろぽろ落ちた | 作業中に葉を持った | 落ちた葉は葉挿しにする。株は新しい葉が出るまで待つ |
パキフィツムの植え替えに使うもの
植え替えは鉢を大きくする作業ではなく、根と土を新しくする作業です。同じ鉢に戻す選択もあります。
数量は直径 24cm(8 号)の鉢 1 個を単位にしています。号数は直径 cm を 3 で割った数です。
- 鉢(ひと回り大きいもの)探す言葉「植木鉢 8号 スリット」
- 規格の目安
- 直径で 3cm(1 号)だけ大きいもの。スリット鉢は根が鉢底で回りません。
急に大きくすると、根の届かない土が湿ったまま残り、根腐れの原因になります。1 号ずつが原則です。
- 培養土探す言葉「観葉植物 培養土 水はけ」
- 規格の目安
- 観葉植物用、または多肉・サボテン用。水はけ重視の配合。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、6 号鉢で約 3L、10 号鉢で約 15L。
古い土は粒が潰れて水はけが落ちています。土を替えることが植え替えの目的の半分です。
- 鉢底石探す言葉「鉢底石 ネット入り」
- 規格の目安
- 軽石。ネット入りなら次の植え替えでそのまま取り出せます。
鉢底の穴が土でふさがらないようにするためです。ネット入りは繰り返し使えます。
- 根切りばさみ・割り箸探す言葉「根切りばさみ 園芸」
- 規格の目安
- 刃の厚いはさみ。根鉢をほぐすのは割り箸や竹串で足ります。
固まった根鉢は、外側を切ってほぐさないと新しい根が出ません。土をかむので、普通のはさみは傷みます。
- 同じ鉢に戻すなら、新しい鉢は要りません。根を整理して土を替えるだけで十分です。
- 鉢底ネットは、スリット鉢なら要りません。
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