増やし方を選ぶ
パキフィツムは葉挿しが最も成功しやすい多肉植物の一つです。植え替えや水やりで自然に取れた葉を土に置くだけで、一か月ほどで根と小さな芽が出ます。伸びた株を切って挿す挿し木も確実で、種まきは家庭ではほとんど行いません。
| 目的 | 方法 | 成功しやすさ | 適期 |
|---|---|---|---|
| たくさん増やす | 葉挿し | とても高い | 3〜5月、9月下旬〜10月 |
| 伸びた株を作り直す | 胴切りと挿し木 | 高い | 3〜5月、9月下旬〜10月 |
| 脇から出た子株を分ける | 株分け | 高い | 植え替えと同時 |
| 種から育てる | 種まき | 低い。家庭では向かない | 春 |
夏と真冬に挿しても根が出ず、葉は干からびるか腐ります。必ず生育期の入り口に行います。
葉挿しに使う葉の見きわめ
葉挿しの成否は葉の取り方でほぼ決まります。葉の付け根に小さな成長点があり、そこが欠けると根も芽も出ません。付け根から丸ごときれいに外れた葉を使い、途中でちぎれた葉は使いません。
太って張りのある中間の葉が最もよく育ちます。一番下の古い葉はしわが寄っていて力がなく、一番上の若い葉は小さすぎて干からびやすいです。
一度に十枚以上並べておくと、成功率が七割程度でも十分な数が育ちます。品種によって出やすさが違うので、初めての品種は多めに並べて様子を見ます。
- 横に揺らして外す
- 葉の付け根を指でつまみ、左右に軽く揺らして外します。引っぱると付け根がちぎれるので、揺らして自然に取れるのを待ちます。
- 付け根を確かめる
- 外した葉の付け根が丸く、白い小さな点が残っていれば使えます。付け根が裂けている葉は捨てます。
- 自然に落ちた葉を集める
- 植え替えのときに落ちた葉も使えます。鉢の上に落ちて根が出ているものを見つけたら、そのまま土に載せます。
葉を並べて根が出るまでの手順
浅い育苗トレーか平鉢に乾いた多肉植物用の土を入れ、葉を土の上に置きます。土に挿す必要はなく、置くだけで根が土を探して伸びます。根と芽が出るまでは水を与えず、明るい日陰に置いて待ちます。
- 切り口を乾かす
- 外した葉は明るい日陰で二、三日置き、付け根を乾かします。すぐ土に置くと付け根から腐ることがあります。
- 土の上に寝かせる
- 葉の表を上にして、間隔を空けて土の上に寝かせます。土に埋めると付け根が湿って腐ります。
- 水を与えず待つ
- 明るい日陰に置き、根が出るまで水は与えません。二週間から一か月で付け根から白い根と小さな芽が出ます。
- 根が出たら土をかける
- 根が一センチほど伸びたら、根の上にだけ薄く土をかけて霧吹きで湿らせます。葉本体は土の上に出しておきます。
- 日なたへ慣らす
- 芽が一円玉ほどになったら、一週間かけて日なたへ移します。親葉がしぼんで枯れたら、芽を小鉢に植え替えます。
親葉は芽が育つにつれてしぼみます。無理に外さず、自然に取れるまで付けておきます。
伸びた茎を挿し木で増やす
徒長(茎が間のびして葉がまばらになること)した株は、上部を切って挿し木にすると締まった株に戻せます。切った下部の茎からも芽が出るので、一株が二株以上になります。切る位置は、締まった葉を五センチほど残せる高さです。
- 清潔な刃で切る
- アルコールで拭いたカッターかはさみで、茎を一気に切ります。下部には葉を二、三枚残しておくと芽が出やすくなります。
- 一週間乾かす
- 切った上部を空き瓶などに立てて明るい日陰に置き、切り口を乾かします。すぐ植えると腐ります。
- 乾いた土に挿す
- 切り口が乾いたら乾いた土に浅く挿し、株を指で軽く引いて抵抗が出るまで水は与えません。二、三週間で根が出ます。
- 下部から出た芽を育てる
- 残した茎の切り口の周りから芽が出たら、日なたで育て、大きくなったら外して挿します。
切った上部の葉が多くて立たないときは、下の葉を二、三枚外して茎を長く出します。外した葉はそのまま葉挿しに使えます。
増やし方の失敗と戻し方
葉挿しの失敗は、葉の取り方と水のどちらかです。付け根が欠けた葉は何をしても芽が出ず、根が出る前に水を与えると腐ります。状態を見て次の表から原因を判断し、次の適期にやり直します。
寒冷地では春の作業を一か月遅らせ、暖地では秋の作業を早めに済ませます。どちらの地域でも、根が出たあとに一か月以上の生育期が残る時期を選ぶのが目安です。
| 状態 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 葉がしわしわになり芽が出ない | 付け根が欠けている、または若すぎる葉 | その葉は諦め、付け根のそろった中間の葉でやり直す |
| 付け根が黒く柔らかい | 乾かす前に土に置いた、早い水やり | 腐った葉を捨て、次は二、三日乾かしてから置く |
| 根は出たが芽が出ない | 光が足りない | 明るい場所へ。数か月遅れて出ることもあるので待つ |
| 夏に置いて溶けた | 休眠中の作業 | 秋まで待って生育期の葉でやり直す |
パキフィツムの挿し木・株分けに使うもの
鉢ものは剪定した枝がそのまま材料になります。水に挿すだけで根が出る種類も多く、道具はほとんど要りません。
- 挿し木用土(鹿沼土・赤玉土小粒)探す言葉「挿し木 用土 鹿沼土 小粒」
- 規格の目安
- 鹿沼土か赤玉土の小粒、単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 水挿し用の容器探す言葉「ガラス 花瓶 小さい 水耕」
- 規格の目安
- 口の細いガラス容器。中が見えるもの。
根の出方を目で確かめられます。水は 2〜3 日に一度替え、切り口が濁ったら洗います。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。節の少し下を斜めに一度で切ります。
- 3 号ポット探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)。
根が出るまでは小さい容器のほうが乾き具合を見やすく、失敗しても被害が小さくて済みます。
- 水挿しで根が出る種類なら、用土も発根促進剤も要りません。
- 多肉植物は切り口を数日乾かしてから挿します。水に挿すと腐ります。
パキフィツムの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はパキフィツムの育て方にまとめています。
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