方法を選ぶ
テーブルヤシはヤシの仲間なので、茎を切って挿す挿し木はできません。増やす方法は、寄せ植えの株を分ける株分けと、種をまく実生(種から育てること)の二つです。自分の株の状態と目的から、下の表で方法を選びます。
| 目的 | 方法 | 難しさ | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| いま持っている株を鉢数だけ増やす | 株分け | 普通 | 分けて三か月で落ち着く |
| 小さな苗を多く育てる | 種まき | 難しい | 発芽まで一〜三か月、鉢植えの大きさまで二〜三年 |
| 大株を小さくしたい | 株分け(間引き) | 普通 | 外した株は別の鉢へ |
| 茎を切って増やしたい | できない | — | 切った茎は根を出さない |
株分けの時期と見極め
市販のテーブルヤシは、一鉢に数本から十数本の苗が寄せ植えされています。これを分けるのが株分けで、五月から六月の植え替えと同時に行います。根が絡み合っているので、分ける単位は三〜五本ずつにとどめ、一本ずつに分けるのは避けます。
株分けは、鉢を増やす目的だけでなく、大きくなりすぎた株をコンパクトに戻す手段にもなります。ただし分けた直後は必ず一度弱るので、飾りたい時期の直前には行わず、秋に元の姿へ戻ることを見込んで初夏に済ませます。
- 五月から六月に行う
- 気温が安定し、根の回復が早い時期です。九月以降に分けると根が動かず、冬を弱ったまま越すことになります。
- 根の回った株を選ぶ
- 鉢底から根が出ている株なら、分けても根の量が十分です。買ったばかりで根が少ない株は、一年育ててから分けます。
- 分ける単位は三〜五本
- 一本ずつに分けると根が少なすぎて枯れます。三〜五本のまとまりで、自然に分かれる位置を探します。
株分けの手順
- 前日に水を与えておく
- 土が湿っていると根を傷めずに抜けます。当日は鉢を横にして株元を持ち、鉢の縁を軽くたたいて抜きます。
- 水で土を洗い流す
- バケツの水で根鉢をゆすり、土を落として根の絡みを見えるようにします。テーブルヤシの根は細いので、乱暴にほぐしません。
- 自然に分かれる位置で裂く
- 株元を見て、苗の固まりごとに手で裂きます。絡んだ根はハサミで切って構いませんが、切る量は最小にします。
- 根の量に合う鉢に植える
- 三〜五本の株なら三〜四号鉢が目安です。新しい観葉植物用の土で植え、鉢底から流れるまで水を与えます。
分けた後の養生
分けた直後の株は根が減って水を吸えず、葉が垂れたり葉先が枯れたりします。二〜三週間は明るい日陰で風を避け、葉水で補います。土が湿っている間に水を追加すると、傷んだ根が腐るので、乾きを確かめてから与えます。
分けた株が落ち着いた合図は、中心から巻いた新しい葉が伸び始めることです。五月に分けた株なら七月ごろに見られます。それまでは葉数が増えなくても心配いりません。
- 明るい日陰で二週間
- 直射日光と冷暖房の風を避けます。朝夕に葉水を与えると、根が吸えない分を葉から補えます。
- 土が乾くまで水を待つ
- 土の表面が乾いてから与えます。垂れが三週間続くなら、鉢から抜いて根が黒くなっていないか確かめます。
- 肥料は新葉が出てから
- 新しい葉が伸び始めたら、追肥(育ちの途中で足す肥料)を薄めに始めます。それまでは与えません。
種から育てる
テーブルヤシは室内でも数年育てると株元から花茎を伸ばし、黄色い粒状の花を付けます。ただし雌株と雄株が別で、両方がそろわないと種はできません。種は園芸店や通販で入手でき、二十五度前後の温度を保てば一〜三か月で発芽します。
- 種を一晩水に漬ける
- 乾いた種は硬いので、ぬるま湯に一晩漬けて吸水させます。浮いた種は発芽しにくいので除きます。
- 湿らせた土に一センチの深さでまく
- 小さな鉢に清潔な種まき用の土を入れ、一センチほどの深さにまきます。ラップをかけて乾かさないようにします。
- 二十五度前後を保つ
- 五〜七月にまくか、暖かい場所で管理します。発芽まで一〜三か月かかるので、乾かさず気長に待ちます。
- 本葉が出たら小鉢へ
- 細い葉が二〜三枚出たら、二号鉢ほどの小鉢に一本ずつか数本まとめて植え替えます。鉢植えの大きさまで二〜三年かかります。
失敗の原因と立て直し
増やす作業での失敗は、一本ずつに分けすぎる、分けた後に水を与えすぎる、種を乾かすの三つがほとんどです。それぞれ姿に出るので、原因を見分けてから直します。
| 症状 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 分けた株が次々に枯れる | 一本ずつに分けた。根が少なすぎる | 残った株は数本まとめて植え直す |
| 分けた株の葉が黄ばみ、土が湿ったまま | 水の与えすぎで根腐れ | 水を止め、乾いてから与える。黒い根は切る |
| 分けた株の葉先が枯れる | 根が減って水が届かない。乾いた風 | 葉水を増やし、風を避ける。三週間は様子見 |
| 種が発芽しない | 乾燥、温度不足、古い種 | 湿度と二十五度を保ち、三か月は待つ |
テーブルヤシの挿し木・株分けに使うもの
鉢ものは剪定した枝がそのまま材料になります。水に挿すだけで根が出る種類も多く、道具はほとんど要りません。
- 挿し木用土(鹿沼土・赤玉土小粒)探す言葉「挿し木 用土 鹿沼土 小粒」
- 規格の目安
- 鹿沼土か赤玉土の小粒、単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 水挿し用の容器探す言葉「ガラス 花瓶 小さい 水耕」
- 規格の目安
- 口の細いガラス容器。中が見えるもの。
根の出方を目で確かめられます。水は 2〜3 日に一度替え、切り口が濁ったら洗います。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。節の少し下を斜めに一度で切ります。
- 3 号ポット探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)。
根が出るまでは小さい容器のほうが乾き具合を見やすく、失敗しても被害が小さくて済みます。
- 水挿しで根が出る種類なら、用土も発根促進剤も要りません。
- 多肉植物は切り口を数日乾かしてから挿します。水に挿すと腐ります。
テーブルヤシの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はテーブルヤシの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。