植え替えが必要かを見分ける
スパティフィラムは根の伸びが早く、二年もすると鉢の中が根でいっぱいになります。根詰まりすると水を与えてもすぐ乾き、葉が小さく、花が付かなくなります。次のどれかに当てはまれば、適期を待って植え替えます。
- 鉢底の穴から根が出ている
- 鉢を持ち上げて底を見て、穴から白い根が出ていれば鉢の中は根でいっぱいです。最も分かりやすい合図です。
- 水がすぐに乾く・染み込まない
- 以前より水やりの間隔が半分になった、または水が土に染み込まず表面を流れるなら、根が土を押しのけています。
- 株が鉢の縁まで広がっている
- 芽が鉢の縁から外へはみ出し、中央が盛り上がっているときは株分けを兼ねて植え替えます。
- 土が古く固まっている
- 二年以上たった土は粒が崩れて固まり、水はけが悪くなります。根詰まりの合図がなくても二〜三年に一度は新しい土に替えます。
適期は五月から九月
植え替えの前後は花が一時的に止まりますが、根が落ち着けば再び上がります。花の最中に根詰まりが分かったときは、花が終わるのを待ってから作業したほうが株の負担が少なくなります。
| 時期 | 適否 | 理由 |
|---|---|---|
| 5〜6月 | 最適 | 気温が安定し、根の回復が早い |
| 7〜8月 | 可 | 暑さで傷みやすいので日陰で養生する |
| 9月 | 可(上旬まで) | 秋までに根を張らせる最後の時期 |
| 10〜4月 | 避ける | 根が動かず、傷んだ根から腐りやすい |
冬に根腐れが分かったときは例外で、傷んだ根を切って植え替えます。その場合は暖かい部屋で管理します。
鉢と用土の選び方
鉢は今より一回り(直径で三センチほど)大きいものを選びます。二回り以上大きくすると土が乾かず根腐れしやすくなります。用土は水はけと水もちを両立させたもので、市販の観葉植物用の土をそのまま使えます。
鉢の材質も乾き方に関わります。素焼き鉢は乾きが早く根腐れしにくい反面、夏は水切れしやすくなります。プラスチック鉢は乾きが遅いので、暗めの部屋や水やりを忘れがちな人に向きます。自分の部屋の乾き方を見て選んでください。
| 用土 | 配合の目安 | 向く場面 |
|---|---|---|
| 観葉植物用の培養土 | そのまま使う | 初めての植え替え。迷ったらこれ |
| 赤玉土小粒と腐葉土 | 七対三 | 自分で配合する。水もちがよい |
| 赤玉土・鹿沼土・腐葉土 | 四対三対三 | 水はけを上げたい。乾きにくい部屋向け |
| ハイドロボール | 単用 | 土を使わない。水やりは頻繁になる |
植え替えの手順
植え替え直後は根が水を吸えないので、水を与えたら三〜四日は土が湿ったままになります。鉢底から流れるまで与えた後は、表面が乾くまで待ってから次を与えます。土の表面が白く乾いてきたころが次の水やりの目安です。
- 前日に水を与えておく
- 土が湿っていると根を傷めずに抜けます。当日は鉢を横にして株元を持ち、鉢の縁を軽くたたいて抜きます。
- 古い土を三分の一ほど落とす
- 根鉢の外側と底の土を手でほぐして落とします。全部落とす必要はなく、黒く傷んだ根があればその部分だけ切ります。
- 鉢底石と土を入れて高さを合わせる
- 鉢底ネットと鉢底石を敷き、土を入れて株を置き、株元が鉢の縁から二〜三センチ下になる高さに調整します。
- 隙間に土を詰めて水を通す
- 割り箸などで突きながら根の隙間に土を詰めます。鉢底から流れるまで水を与え、土が沈んだら足します。
株分けを兼ねるとき
株が大きくなりすぎたときは、植え替えと同時に株分けします。芽が三〜五本ずつ付くように根元を分け、それぞれを小さめの鉢に植えます。分けた直後は葉がしおれやすいので、葉数の多い株は外側の古い葉を数枚切って負担を減らします。
分けた株は元の大株より水の消費が少なくなります。植え替え前と同じ調子で与えると過湿になるので、土の乾きを触って確かめてから与えます。分けた翌年の春には花が戻り、二年目には鉢いっぱいの株に育ちます。
- 根元を手で裂く
- 土を落とした株の根元を見て、芽の固まりごとに手で裂きます。絡んだ根はハサミで切って構いません。
- 小さな株ほど小さな鉢へ
- 分けた株の根の量に合わせた鉢を選びます。三芽の株なら四〜五号鉢が目安で、大きすぎる鉢に植えると土が乾かず根が腐ります。
植え替え後にしおれたときは
植え替え直後に葉が垂れるのは、根が傷んで水を吸えないためで、たいていは二週間以内に立ち直ります。垂れたからといって水を追加すると、傷んだ根が腐って本当に枯れます。
- 明るい日陰で風を避ける
- 二週間は直射日光と冷暖房の風を避けます。葉水を朝夕に与えると、根が吸えない分を葉から補えます。
- 土が乾くまで水を待つ
- 土が湿っている間は水を与えません。表面が乾いてから与え、垂れが続くようなら鉢から抜いて根を確かめます。
- 肥料は新葉が出てから
- 植え替え直後の肥料は傷んだ根をさらに傷めます。新しい葉が伸び始めたら、追肥(育ちの途中で足す肥料)を通常どおりに戻します。
スパティフィラムの植え替えに使うもの
植え替えは鉢を大きくする作業ではなく、根と土を新しくする作業です。同じ鉢に戻す選択もあります。
数量は直径 24cm(8 号)の鉢 1 個を単位にしています。号数は直径 cm を 3 で割った数です。
- 鉢(ひと回り大きいもの)探す言葉「植木鉢 8号 スリット」
- 規格の目安
- 直径で 3cm(1 号)だけ大きいもの。スリット鉢は根が鉢底で回りません。
急に大きくすると、根の届かない土が湿ったまま残り、根腐れの原因になります。1 号ずつが原則です。
- 培養土探す言葉「観葉植物 培養土 水はけ」
- 規格の目安
- 観葉植物用、または多肉・サボテン用。水はけ重視の配合。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、6 号鉢で約 3L、10 号鉢で約 15L。
古い土は粒が潰れて水はけが落ちています。土を替えることが植え替えの目的の半分です。
- 鉢底石探す言葉「鉢底石 ネット入り」
- 規格の目安
- 軽石。ネット入りなら次の植え替えでそのまま取り出せます。
鉢底の穴が土でふさがらないようにするためです。ネット入りは繰り返し使えます。
- 根切りばさみ・割り箸探す言葉「根切りばさみ 園芸」
- 規格の目安
- 刃の厚いはさみ。根鉢をほぐすのは割り箸や竹串で足ります。
固まった根鉢は、外側を切ってほぐさないと新しい根が出ません。土をかむので、普通のはさみは傷みます。
- 同じ鉢に戻すなら、新しい鉢は要りません。根を整理して土を替えるだけで十分です。
- 鉢底ネットは、スリット鉢なら要りません。
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