症状から原因を切り分ける
セダムの不調は、病気よりも蒸れと水のやりすぎによる腐れ、次に虫、そして環境の障害の順で多いです。症状はどれも「葉が落ちる」「色が変わる」と似ているので、どこがどう変わったかを見て切り分けます。
セダムは切って挿せば簡単に再生するため、手当ての基本は「傷んだ部分を捨てて健康な部分を挿し直す」です。株を丸ごと救おうとして水や薬を足すより、早く切るほうが確実に残ります。
| 症状 | 見る場所 | 考えられる原因 | 先に読む節 |
|---|---|---|---|
| 株元が黒く柔らかい | 茎の付け根 | 蒸れ腐れ・根腐れ | 蒸れ腐れの手当て |
| 新芽や花茎に小さな虫が群がる | 先端・花芽 | アブラムシ | アブラムシの手当て |
| 葉の付け根に白い綿や茶色の粒 | 葉の重なり・茎 | カイガラムシ | カイガラムシの手当て |
| 葉が透けて水っぽい | 株全体 | 凍結 | 環境による障害 |
| 葉に白や茶の斑点 | 日の当たる側 | 葉焼け | 環境による障害 |
| 葉がかじられている | 葉の縁・株元 | ナメクジ・ヨトウムシ | かじる虫の手当て |
蒸れ腐れの手当て
梅雨から真夏に、株元の茎が黒くなって数日で株が崩れるのが蒸れ腐れです。高温と湿気で株元の組織が壊れ、そこから菌が広がります。一度黒くなった部分は戻らないので、黒い部分を残さず切り離すのが手当てのすべてです。
- 黒い部分から離して切る
- 黒くなった部分より二センチ以上上の、切り口が緑で硬いところで切ります。切り口に少しでも茶色があれば、さらに上で切り直します。
- 切り口を乾かす
- 切った先端を明るい日陰で三〜四日置き、切り口を乾かします。急いで土に挿すと、切り口からまた腐ります。
- 新しい土に挿す
- 乾いた土に浅く挿し、一週間は水を与えません。真夏なら秋まで挿さずに乾いた鉢に転がしておくほうが安全です。
- 残った鉢と土は捨てる
- 腐った株が入っていた土は菌が残っています。再利用せず、鉢は洗って乾かしてから使います。
蒸れ腐れを繰り返すなら、置き場所の風通しと水やりの回数を見直します。株を直しても環境が同じなら、また起きます。
アブラムシの手当て
春と秋の新芽や花芽に、緑や黒の小さな虫が群がるのがアブラムシです。新芽の汁を吸って先端を縮ませ、排せつ物で葉がべたつきます。少数のうちなら指でつぶすか、水で流すだけで済みます。
- 見つけたら流す
- 屋外で、勢いのある水を先端に当てて洗い流します。ただし葉の間に水が残らないよう、晴れた日の午前に行います。
- 花茎ごと切る
- 花芽に群がっているなら、花茎ごと切って捨てるのがいちばん早い方法です。セダムの花は観賞価値がそれほど高くありません。
- 広がったら殺虫剤
- 株全体に広がったら、多肉植物や花に使える殺虫剤を説明書どおりに使います。粉を吹く系統は薬剤で粉が落ちることがあるので、目立たない葉で試します。
カイガラムシの手当て
葉の付け根や茎に白い綿のような塊、または茶色の硬い粒が付いていたらカイガラムシです。動かないので虫に見えませんが、汁を吸って株を弱らせ、排せつ物にすす病がつきます。風通しの悪い場所と密な寄せ植えで増えます。
- こすり落とす
- 綿や粒を歯ブラシかピンセットで一つずつ取ります。葉の重なりの奥に隠れているので、株を回しながら探します。
- アルコールで拭く
- 消毒用アルコールを綿棒に含ませ、虫のいた場所を拭きます。綿の中の卵まで殺せます。
- 浸透性の殺虫剤を使う
- 繰り返すなら、根から吸わせる粒剤の殺虫剤を株元にまきます。生育期に使うと効き目が出やすいです。
- 隔離して観察する
- 見つけた株は他の鉢から離し、二週間ごとに確かめます。三回続けて見つからなければ戻します。
かじる虫の手当て
屋外のセダムは、ナメクジやヨトウムシに葉をかじられることがあります。朝に葉の縁が欠けていたり、株元に黒い粒の糞があったりしたら、夜に活動する虫の仕業です。日中は鉢の底や枯れ葉の下に隠れています。
- 夜に見回る
- 日が落ちて二時間ほどしてから懐中電灯で株を照らし、見つけた虫を捕まえます。数日続けると減ります。
- 隠れ場所をなくす
- 鉢の下に受け皿や板を置かず、株元の枯れ葉を取ります。鉢を台に載せて地面から離すとナメクジが登りにくくなります。
- 誘引剤を置く
- ナメクジ用の誘引剤を鉢の周りに置きます。雨で流れるので、雨のあとに置き直します。
環境による障害と立て直し
虫も腐れもないのに姿が乱れるときは、光・温度・水の環境が原因です。凍結と葉焼けは傷んだ部分が戻りませんが、株そのものは残ることが多いので、原因を取り除いてから傷んだ部分を切り、次の生育期に挿し直します。
| 症状 | 原因 | 見分けの手がかり | 立て直し |
|---|---|---|---|
| 葉が透けて水っぽく崩れる | 凍結 | 冷え込んだ翌朝に急に起きる | 溶けた部分を取り、無事な先端を春に挿す |
| 葉に白や茶の斑点、へこみ | 葉焼け | 日の当たる側だけに出る | 明るい日陰へ。斑点は消えないので秋に切り戻す |
| 茎が伸びて葉がまばら | 光不足 | 室内や日陰に置いた株に出る | 切って挿し直し、日なたへ |
| 葉が縮んで色があせる | 強い風・エアコンの風 | 風の当たる側だけ縮む | 風の当たらない場所へ。水を少し増やす |
セダムは半年もあれば挿し穂から元の姿に戻ります。傷んだ株を長く抱えるより、思い切って挿し直すほうが結果的にきれいに育ちます。
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