青切りか完熟か、用途で採り時を決める
シークワーサーは同じ樹の実を、八月から十月の青いうちに絞る青切りと、十二月以降に黄色く熟したものを食べる完熟の二通りで楽しめます。酸味の強い果汁が欲しいなら青切り、甘さを味わうなら完熟です。用途を決めてから採る時期を判断します。
| 用途 | 採る時期 | 実の見た目 | 味 |
|---|---|---|---|
| 刺身や焼き魚に絞る | 8月中旬〜9月 | 濃い緑で直径3センチ前後 | 酸味が強く香りが立つ |
| ジュースや酢の物 | 10月〜11月 | 緑に黄色が混じり始める | 酸味が和らぎ果汁が増える |
| そのまま食べる | 12月〜2月 | 全体が黄色く皮が少し柔らかい | 甘みが出て種が目立つ |
青切りは八月中旬から
関東では八月中旬に実が直径三センチを超えたら青切りを始められます。小さいうちは果汁が少ないので、指で押してわずかに弾力を感じるころが目安です。全部を一度に採らず、使う分だけ数回に分けて採ると、残った実が大きくなって長く楽しめます。
収穫の量は三年目で二十個前後、五年目で百個を超えるのが目安です。数が少ないうちは青切りに回さず、完熟まで残して味を確かめるのも良い方法です。
- へたを残してはさみで切る
- 手でもぐと皮がむけて傷むので、へたのすぐ上をはさみで切ります。へたの軸を長く残すとほかの実を傷付けるので、切ったあと軸を短く切り直します。
- 大きい実から採る
- 同じ枝の中で大きい実から採ると、残った実に栄養が回ります。小さくて傷のある実は早めに採って絞ってしまいます。
- 雨の日は避ける
- 雨に濡れた実は保存中にかびやすくなります。晴れて実が乾いている午前中に採ります。
完熟は十二月以降に黄色くなってから
十二月に入り全体が黄色くなったら完熟です。皮がやや柔らかくなり、甘みが出ます。ただし関東では樹に長く残すと寒さで実が傷むので、強い霜が来る前の十二月中に採り終えるのが安全です。翌年の花付きのためにも、一月までにはすべて採ります。
| 状態 | 採り時の判断 | 注意 |
|---|---|---|
| 全体が黄色、皮に張りがある | 採り頃 | そのまま食べられる |
| 黄色で皮がしわになる | 採り遅れ | 果汁が減っている、早く使う |
| 黄色で表面に茶色のしみ | 寒さの傷み | 傷んだ実を全部採り、樹に残さない |
| 一月を過ぎても樹に残っている | 翌年の花が減る原因 | 食べなくても採って樹を休ませる |
保存の仕方
青切りの実は冷蔵庫の野菜室でポリ袋に入れれば二週間ほど香りが保てます。それ以上は果汁を絞って冷凍します。製氷皿で凍らせれば一年中使えます。完熟果は皮が薄く傷みやすいので、一週間以内に食べ切るか、皮ごと薄切りにして冷凍します。
冷凍した果汁は解凍を繰り返すと香りが飛びます。一回で使い切る量ずつ小分けにしておくと、最後まで香りが残ります。袋に採った日付を書いておくと、古いものから使えます。
- 果汁は絞ってすぐ冷凍
- 半分に切って絞り、種を取り除いて製氷皿に入れます。凍ったら袋に移して保存します。解凍せずそのまま料理に入れられます。
- 皮は乾かして香り付けに
- 絞った後の皮を細く刻んで天日で二日ほど乾かすと、香り付けの薬味になります。完熟の皮はマーマレードにも使えます。
- 丸ごと保存は新聞紙で
- 冷蔵庫で丸ごと保存するなら、一個ずつ新聞紙で包んで袋に入れます。乾燥と実同士の傷を防げます。
毎年実らせるために採り終えたらすること
実を採り終えた樹は翌年の花芽を作る準備に入ります。十月の秋肥を与えていれば追加は不要ですが、実を多く付けた年は樹が疲れているので、翌年の摘果を強めにして隔年結果(実が多い年と少ない年を交互に繰り返すこと)を防ぎます。
- 残った実をすべて採る
- 食べない小さな実も一月までにすべて採ります。樹に残った実は翌年の花芽を作る栄養を奪い続けます。
- 落ち葉と落ちた実を片付ける
- 株元に落ちた実や葉は病気の菌が越冬する場所になります。集めて処分し、株元にわらを新しく敷き直します。
- 翌年の目標を決める
- 今年の実の数を数えて記録しておきます。多過ぎたなら翌年は七月の摘果で三割減らす、少なかったなら春肥を一割増やすといった判断の材料になります。
実が付かない・小さいときの原因
花は咲くのに実が残らない、実は付くが小さいままという相談が多い果樹です。多くは樹の若さか、水と肥料の不足、実の付け過ぎのどれかで、樹の姿を見て切り分けます。
| 状態 | 考えられる原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 花が咲かない | 植えて三年未満、または枝先を切った | 春枝を残して待つ |
| 花は咲くが六月に全部落ちる | 開花期の水切れ、前年の実の付け過ぎ | 五月から水を切らさず翌年は摘果する |
| 実は付くが三センチにならない | 実の数が多過ぎ、夏の肥料不足 | 七月に葉二十枚に一個まで減らし夏肥を与える |
| 果汁が少なくぱさつく | 採り遅れ、夏の乾燥 | 適期に採り八月の水やりを増やす |
| 一年おきにしか実らない | 隔年結果 | 実の多い年に強く摘果する |
シークワーサーの収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
シークワーサーの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はシークワーサーの育て方にまとめています。
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