地域で鉢か地植えかを決める
シークワーサーは柑橘の中では丈夫ですが、耐寒性はミカンよりやや低く、マイナス3度を下回る夜が続くと葉が落ちて枝が枯れ込みます。関東平野部の暖かい庭なら地植えもできますが、迷ったら鉢植えから始めるのが安全です。
| 地域 | 育て方の目安 | 冬の扱い |
|---|---|---|
| 南関東の平野部 | 地植え可、南向きの壁際が理想 | 若木は寒冷紗を巻く |
| 北関東・内陸 | 鉢植えを基本にする | 軒下か無加温の室内へ |
| 寒冷地 | 鉢植え限定 | 日の当たる室内で越冬 |
| 暖地・沿岸 | 地植えで放任に近い管理 | 特別な防寒は不要 |
最低気温は天気予報の値より庭のほうが低いことがあります。植える場所に温度計を置いて一冬計ると判断しやすくなります。
苗は接ぎ木の二年生を選ぶ
園芸店の柑橘苗には接ぎ木苗と種から育てた実生苗があり、シークワーサーは接ぎ木苗を選びます。実生は実が付くまで七年以上かかるうえ、とげが強く親と同じ味になりません。
苗は三月から四月に店頭に並ぶものが最も状態が良く、秋に売れ残った苗は根が回って弱っていることがあります。品種名の表示がない苗も多いですが、家庭栽培では気にせず、葉と根の状態で選べば問題ありません。
- 接ぎ口を確かめる
- 株元から十センチほどの位置に、幹の太さが変わるこぶのような接ぎ口があるものが接ぎ木苗です。ラベルに二年生と書かれた、幹の太さが鉛筆以上のものを選びます。
- 葉の色と数を見る
- 葉が濃い緑で、落葉や黄化がないものを選びます。葉数が少ない苗は根が弱っていることが多く、植えても最初の一年は動きません。
- 根鉢を触って確かめる
- ポットの底から白い根が少し見えている苗は根が健全です。土がぐらつく苗は根が回っていないので避けます。
植え付けは三月中旬から四月
植え付け適期は寒さが抜けた三月中旬から四月です。柑橘は新芽が動き出す直前が最も根の再生が早く、秋植えは冬の寒さで根が傷むので関東では避けます。夏の植え付けは水切れで枯れやすくなります。
- 鉢の大きさを決める
- 二年生苗なら八号から十号の鉢に植えます。いきなり大鉢に植えると土が乾かず根腐れを起こすため、二年ごとに一回り大きくしていきます。
- 用土を用意する
- 赤玉土の中粒六に腐葉土三、軽石一を混ぜたものを使います。市販の果樹用培養土でも構いません。水はけが悪いと柑橘は根が黒くなるので、軽石を必ず入れます。
- 根鉢を軽くほぐして植える
- 根鉢の外側を指で軽くほぐし、接ぎ口が土に埋まらない高さに植えます。接ぎ口が埋まると穂木から根が出て台木の効果が消えます。
- たっぷり水をやり日陰で一週間
- 植えた直後は鉢底から流れるまで水をやり、一週間ほど直射日光を避けた場所で根を落ち着かせてから日なたに出します。
地植えは水はけと風よけを優先する
地植えにするなら、冬の北風が当たらず午前中から日が当たる場所を選びます。建物の南側で壁から一メートル前後離した位置は、壁の蓄熱で冬の冷え込みが和らぎ、関東でも葉を落とさず越冬しやすくなります。
庭の土が粘土質で雨のあと水たまりが二日以上残るなら、その場所は柑橘に向きません。別の場所を探すか、鉢植えのままで育てるほうが結果的に早く実が付きます。
- 植え穴を大きく掘る
- 直径と深さがそれぞれ五十センチの穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土をバケツ一杯と苦土石灰をひと握り混ぜて戻します。柑橘は弱酸性から中性の土を好みます。
- 高植えにする
- 水はけの悪い庭では周囲より十センチほど盛り土して植えます。根が水に浸かる時間が長いと、翌年の春に葉が黄色くなって落ちます。
- 支柱を一本立てる
- 植え付け直後は根が少なく風で揺れると細根が切れます。幹に沿って支柱を一本立て、麻ひもで八の字に結んで固定します。
植えた年は実を付けさせない
苗によっては植えた年の五月に花が咲きますが、一年目は全部摘み取って枝と根を育てます。実を残すと栄養が実に取られ、翌年以降の樹の大きさに差が出ます。二年目に数個、三年目から本格的に実らせるのが目安です。
| 年数 | 実の付けさせ方 | 目的 |
|---|---|---|
| 一年目 | 花はすべて摘む | 根と枝の骨格作り |
| 二年目 | 五個前後だけ残す | 味の確認 |
| 三年目以降 | 葉二十枚に実一個を目安に残す | 毎年安定して実らせる |
植え付け後に葉が落ちるときの原因
植え付けから一か月以内に葉がぱらぱら落ちるのは珍しくありません。多くは環境の変化への反応で、枝が緑のうちは回復します。枝の先を爪で軽くこすって緑なら生きていると判断し、水やりの見直しだけで様子を見ます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が丸まってから落ちる | 水切れ | 鉢は表面が乾いたら底から出るまで与える |
| 葉が黄色くなって落ちる | 水のやり過ぎか根傷み | 水を控え鉢の水はけを見直す |
| 葉は緑のまま落ちる | 急な環境変化 | そのまま管理、二週間で新芽が出れば問題なし |
| 枝先まで茶色く枯れる | 寒さか強い乾燥 | 枯れた部分を切り戻し防寒する |
シークワーサーの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
シークワーサーの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はシークワーサーの育て方にまとめています。
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