色づいているのは花ではなくがく
スターチスの紫や黄色に見える部分は、花を包むがくです。本当の花は白や淡黄色の小さなもので、がくの中心に短い期間だけ咲きます。がくは紙のように乾いていて散らないため、花が終わっても色が残り、ドライフラワーにしても褪せにくいのです。
切り花にする時期はこのがくの開き具合で決めます。がくが房の七分ほど開き、中心の本当の花が咲き始めたころが最も長持ちする切り時です。
品種によってがくの色は紫、青、ピンク、黄、白と幅があります。混合の種から育てた場合は株ごとに色が違うので、切り花にするときは色をそろえて束ねると見栄えがします。
| 房の状態 | 見た目 | 向く使い方 |
|---|---|---|
| がくが3分開き | 先端だけ色づき、房がまだ固い | 早すぎる。切ると開かない |
| がくが7分開き | 房全体が色づき、中心に白い花 | 切り花にもドライにも最適 |
| がくが全開で花が終わる | 白い花が茶色くなる | ドライ向き。切り花には遅い |
花数を増やすのは冬の低温と春の日照
花芽は冬にロゼットが低温に当たることで作られ、春の長い日照で一気に伸びます。冬に暖かい場所に置いた株や、春に日陰になる場所の株は、茎が少なく花も小さくなります。一日六時間以上の直射日光が当たる場所で育てることが、花数を決める最大の条件です。
株の外側の古い葉を取ると、株の中心に光が入って茎の立ち上がりが早まります。ただし緑の葉を取りすぎると株が弱るので、取るのは黄ばんだ葉と地面に密着して傷んだ葉だけにします。
- 冬は屋外で寒さに当てる
- 最低気温が氷点下三度程度までなら、霜よけをした屋外で問題なく越冬します。室内に取り込むと花芽ができません。
- 春は最も日の当たる場所へ
- 三月以降は鉢を日照の長い場所へ移します。花壇なら周りの植物が茂って影を作らないよう、周囲を整理します。
- 最初の茎は切って株を充実させる
- 株が小さいうちに出た最初の茎を早めに切ると、脇から次の茎が増えます。株が十分大きければそのまま咲かせて構いません。
切り花として長く持たせる
朝の涼しい時間に、茎の根元近くで切ります。株の中心を傷めないよう、外側の茎から順に切っていくと、残った株が次の茎を立て続けます。切ったらすぐ水につけ、水につかる部分の葉は取り除きます。
切り花にする茎を選ぶときは、翼がしっかりして硬く、まっすぐ立っているものを優先します。柔らかい茎は水揚げが悪く、花瓶の中で曲がってしまいます。
- 早朝に根元から切る
- 水を十分吸っている早朝に切ると、切り花がしおれにくくなります。株元の茎の付け根から、よく切れるはさみで切ります。
- 水に触れる葉を落とす
- 翼のような葉は水を汚します。花瓶の水につかる部分の葉と翼はすべて取り、水は毎日か二日に一回替えます。
- 浅い水につける
- 茎が水に長くつかると腐りやすいので、水は花瓶の底から五センチ程度の浅めにします。二週間から三週間は色が保てます。
ドライフラワーの作り方
スターチスはドライフラワーにいちばん向く花のひとつです。がくがもともと乾いた質感なので、逆さに吊るして風を通すだけで形も色も残ります。湿度の高い梅雨時は乾く前にかびが出るので、五月から六月上旬の晴れが続く時期に作るのが確実です。
束ねるときは三本から五本の少量にして、輪ゴムで根元を留めます。茎が乾くと細くなって抜け落ちるので、輪ゴムのほうが麻ひもより安心です。
| 目的 | 切るタイミング | 乾かし方 |
|---|---|---|
| 色を鮮やかに残す | がくが7分開きで中心の花が咲いたころ | 少量ずつ束ね、風通しのよい日陰に逆さに吊るす |
| ふんわりした形にする | がくが全開のころ | 束ねずに一本ずつ吊るす |
| リースの材料にする | 全開で少し乾き始めたころ | 吊るして一週間、その後に短く切って使う |
直射日光に当てて乾かすと色が抜けます。暗めの場所で一週間から十日、茎が折れるほど乾いたら完成です。
咲かない、色が薄いときの見分け方
春になっても茎が立たない、立っても花が小さい、色が薄いといった失敗は、冬の管理と日照に原因があることがほとんどです。株の姿を見て、どこでつまずいたかを判断します。
一度失敗した株を今年中に立て直すのは難しいので、原因を覚えておいて次の秋の種まきに生かします。スターチスは毎年まき直す花なので、翌年にはやり直しが利きます。
| 症状 | 原因 | 次に直すこと |
|---|---|---|
| 春に茎が立たず葉だけ茂る | 冬に暖かく低温不足 | 屋外で越冬させ、室内に入れない |
| 茎は立つが花が小さく少ない | 日照不足か肥料の与えすぎ | 日なたへ移し、窒素肥料を減らす |
| がくの色が薄い | 高温期の開花か日照不足 | 春の早い時期に咲かせ、遮るものを除く |
| 茎が倒れて花が地面につく | 水と肥料が多く茎が柔らかい | 乾かし気味に戻し、支柱を添える |
スターチスの花を咲かせ続けるのに使うもの
つぼみが上がってからやることは決まっています。摘む・支える・足す、の 3 つです。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。N-P-K の真ん中(P)の数字が高いもの。
つぼみを作る時期はリン酸が要ります。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり伸びて花が上がりません。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
種を作らせないことが、次の花を咲かせる条件です。花の下の節まで切り戻すのが基本です。
- 支柱(草花用)探す言葉「園芸支柱 草花 リング」
- 規格の目安
- 直径 8mm・長さ 90〜150cm の細い支柱か、株ごと囲むリング支柱。
花の重みで倒れると、そこから茎が折れます。咲いてから立てるのでは間に合わないので、つぼみのうちに。
- 誘引用の麻ひも探す言葉「麻ひも 園芸 誘引」
- 規格の目安
- 太さ 2mm 前後。目立たない色のもの。
きつく縛ると茎が食い込みます。8 の字にゆるく掛けて、茎が太る余地を残します。
- 開花促進剤は、肥料と日当たりが足りているなら急ぎません。
- リング支柱がなくても、細い支柱 3 本を株の周りに立てて麻ひもで囲めば同じことができます。
スターチスの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はスターチスの育て方にまとめています。
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