一年の流れを表で見る
スターチスは秋にまいて冬を小さな株で越し、春から初夏に咲く一年草扱いの花です。関東平野部の露地を基準に、月ごとの作業を並べます。暖地は半月ほど早く、寒冷地は春まきに切り替えるか半月ほど遅らせて読み替えてください。
作業の判断は暦より株の姿を優先します。表の月はあくまで目安で、暖冬なら茎の動きが早まり、寒い春なら開花が半月遅れます。株の中心の葉が立ってきたら春の作業を始める、と覚えておけば迷いません。
| 月 | 作業 | 株の姿の目安 |
|---|---|---|
| 9月中旬〜10月上旬 | ポットに種まき、覆土をしっかり | 7〜10日で発芽 |
| 10月 | 間引き、薄い液肥、日なたで管理 | 本葉2〜3枚 |
| 11月上旬 | 花壇や鉢へ定植、元肥は少なめ | 本葉5〜6枚、根が回った状態 |
| 12月〜2月 | 霜よけ、水は控えめ、肥料なし | 地面に張り付いたロゼット |
| 3月 | 追肥再開、枯れ葉取り、日なたへ | 中心から新葉と茎が動く |
| 4月 | 支柱、水を少し増やす | 茎が30〜50センチに伸びる |
| 5月〜6月 | 開花、切り花とドライ作り | がくが色づき次々と咲く |
| 7月 | 花じまい、株の片付けか夏越し | 花が終わり株が疲れる |
秋、種まきから定植まで
残暑が去り、朝の最低気温が二十度を切るころが種まきの合図です。早すぎると高温で発芽が悪く、遅すぎると定植までに株が育たず冬を越せません。十一月上旬までに定植を終えることを逆算して、まく日を決めます。
苗を買って育てる場合は、十月中旬から十一月上旬に園芸店に並ぶポット苗を使います。葉の色が濃く、株元がしっかりした苗を選び、買ってすぐに定植すれば種まきと同じ流れに乗れます。
- 九月中旬に種まき
- ポットに三粒ずつまき、五ミリの土をかぶせます。発芽まで明るい日陰で、芽が出たら日なたへ移します。
- 十月に間引きと液肥
- 本葉二枚から三枚で一本に絞り、薄い液肥を十日に一回与えます。日照を十分にとり、細く伸びないようにします。
- 十一月上旬に定植
- 株間三十センチから四十センチで浅めに植えます。植えたあと一回たっぷり水を与え、根付くまで乾いたら与えます。
冬、ロゼットで寒さに当てる
十二月から二月の株は地面に葉を広げたロゼットの姿で、ほとんど育っていないように見えます。この間に寒さを感じて花芽を作っているので、暖かくしないことが大切です。作業は霜よけと、暖かい日の午前中の水やりだけです。
雪が積もる地域では、雪の下のほうが凍った風にさらされるより株が守られます。雪の重みで葉がつぶれても、春には中心から新しい葉が出るので、無理に雪を払わなくても構いません。
- 不織布で霜よけ
- 十二月中旬、最低気温が氷点下になる予報が出たら不織布を浮かせてかけます。晴れた暖かい日中は外して日に当てます。
- 水は乾いてから数日後
- 土が乾いてさらに二日から三日待ってから、午前中に与えます。夕方の水やりは夜に凍って根を傷めます。
- 肥料は一切与えない
- 冬の間に肥料を与えても株は吸えません。土に残った肥料が春先の根を傷めるので、三月まで待ちます。
春から初夏、茎が立って咲く
三月に株の中心が動き出したら追肥(育ちの途中で足す肥料)を再開し、四月には翼のある茎が立ち上がります。五月から六月がいちばんの見ごろで、切り花にするなら外側の茎から順に切ると、株が次の茎を出し続けます。
花が終わったあと種を採るなら、房を茶色くなるまで株につけておきます。よく晴れた日に切り取り、紙袋に入れて風通しのよい場所で二週間ほど乾かしてから、種をもみ出して保管します。
| 時期 | 株の姿 | 作業 |
|---|---|---|
| 3月上旬 | 中心の葉が立ち上がる | 緩効性肥料ひとつまみ、枯れ葉を取る |
| 4月中旬 | 茎が30センチ、翼が広がる | 細い支柱を添え、液肥を二週間に一回 |
| 5月中旬 | がくが色づき始める | 七分咲きで切り花、ドライ作り開始 |
| 6月下旬 | 花が終わり茎が茶色くなる | 切り戻して株を休ませるか片付ける |
夏越しに挑戦するときと、失敗したとき
本来は宿根草なので、高温多湿の夏を越せれば二年目も咲きます。ただし関東の露地では梅雨と真夏に根が腐って枯れることが多く、一年草として毎年まき直すほうが確実です。鉢植えで雨を避けられるなら試す価値はあります。
| 場面 | 夏の管理 | うまくいかないときの原因 |
|---|---|---|
| 鉢植えで夏越しする | 花後に半分に切り戻し、雨の当たらない風通しのよい日陰へ | 雨ざらしで根腐れ、または蒸れで灰色かび病 |
| 露地で夏越しする | 株元の枯れ葉を取り、周りの草を刈って風を通す | 梅雨の長雨で株元から腐る |
| 毎年まき直す | 六月に種を採るか市販の種を秋まで保管 | 採った種の乾燥不足でかびる |
夏越しした株は二年目に茎が太くなり花数も増えますが、一株失う覚悟で試すものです。種まきと並行して進めると安心です。夏越しに成功した株は、秋の種まきの株より一か月ほど早く咲き始めます。
スターチスの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
スターチスの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はスターチスの育て方にまとめています。
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