増やし方の選び方
スノーボールやオオデマリは実を付けないので、増やすなら挿し木か取り木です。ガマズミやサンゴジュは実から育てられますが、花が咲くまで五年以上かかり、親と同じ性質になるとは限りません。家庭で増やすなら六月の挿し木を第一に考えます。
| 方法 | 適期 | 向く系統 | 花までの年数 |
|---|---|---|---|
| 挿し木 | 6月〜7月上旬 | 全系統 | 2〜3年 |
| 取り木 | 4月〜6月 | 枝が下がる株立ち | 翌年〜2年 |
| 実生 | 秋の取りまき | ガマズミ・サンゴジュ | 5年以上 |
六月の挿し木の手順
今年伸びた枝が緑からやや茶色に変わり始めた六月中旬から七月上旬が適期です。枝を指で曲げてしなやかに戻るころなら挿し穂に向きます。柔らかすぎると腐り、固くなりすぎると根が出にくいので、この時期を逃さないことが成功の鍵です。
挿し穂は一本の枝から二〜三本取れます。先端に近い部分ほど発根しやすく、根元に近い固い部分は根が出るまで時間がかかります。まとめて十本ほど挿しておき、半分付けば十分と考えると気が楽です。
- 挿し穂を切る
- 今年の枝の先から一〇〜一五センチを、朝のうちに切ります。下の葉を落とし、上の葉を二〜四枚残して、大きい葉は半分に切ります。
- 一時間水に浸ける
- 切り口を清潔な水に一時間ほど浸けて水を吸わせます。発根促進剤があれば、切り口に薄く付けます。
- 赤玉土に挿す
- 肥料の入っていない赤玉土小粒か鹿沼土に、割りばしで穴を空けてから三〜四センチ挿します。穂どうしは葉が触れない間隔にします。
- 日陰で乾かさない
- 明るい日陰に置き、土が乾かないよう毎日水をやります。透明な袋をかぶせて湿度を保つと発根率が上がります。
発根を見きわめて鉢上げする
挿してから一か月半ほどで、新しい芽が動き始めたら根が出た合図です。挿し穂を軽く引いて抵抗があれば根付いています。ただし小さな根を切らないよう、鉢上げは九月中旬から十月に、根鉢を崩さずに三号ポットへ移します。冬は霜の当たらない軒下で越し、翌春に庭や大きい鉢へ植えます。
鉢上げ後の冬は葉が落ちることがありますが、枝が緑で折り曲げてしなやかなら生きています。春に芽が出るまで水を切らさず待ちます。
- 軽く引いて確かめる
- 穂を指でつまんでわずかに引き、動かなければ発根しています。抜けてしまったら切り口を整えてもう一度挿します。
- 九月にポットへ
- 根を崩さず、花木用の培養土で三号ポットに植えます。植えて二週間は日陰で慣らし、その後に日なたへ出します。
取り木で大きな株を早く作る
株立ちで枝が地面近くまで下がっている株なら、四〜六月に枝を地面に伏せて土をかぶせるだけで根が出ます。枝の途中の皮を幅一センチほど輪状にはいで、その部分を土に埋めて石で押さえておくと、秋までに発根し、翌春に親から切り離して植えられます。挿し木より大きな株が一年で手に入ります。
- 皮をはいで伏せる
- 地面に届く枝の途中の皮を一センチ幅でむき、そこを五センチほど土に埋めて動かないよう石か針金で押さえます。
- 翌春に切り離す
- 秋に土を少し掘って根が出ていたら、翌年三月に親株側の枝を切り、根鉢を付けたまま掘り上げて植えます。
挿し木が失敗するときの原因
挿し穂が黒く腐るのは、柔らかすぎる枝を使ったか土が肥料入りで雑菌が多かった場合です。乾いて枯れるのは日なたに置いたか、水やりを忘れたか、葉を多く残しすぎたときに起きます。何本挿しても根が出ないなら、時期が遅く枝が固くなっている可能性が高いので、翌年は六月中旬に前倒しします。
| 見た目 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 切り口から黒く腐る | 枝が柔らかすぎる、土に肥料 | 枝の固さを確かめて新しい土で挿し直す |
| 葉が落ちて枯れる | 乾燥、日当たりが強い | 袋をかぶせて日陰に置く |
| 芽は出るが抜ける | 芽が先に動いただけで根はない | 触らずにあと一か月待つ |
実生でガマズミを育てる
ガマズミやサンゴジュの赤い実は、十月に完熟したものを採って果肉を洗い落とし、乾かさずにすぐまきます。乾くと発芽しにくくなるので、まけないときは湿らせた砂と一緒に袋に入れて冷蔵庫で春まで保存します。発芽は翌春か、種類によっては二年目の春になることもあるので、鉢を捨てずに待ちます。
芽が出たら本葉が四〜五枚になったころに一本ずつポットに移し、二年ほど育ててから庭に出します。花が咲くまで五年以上かかりますが、親と違う実の付き方をする株が出るのも実生の楽しみです。
- 果肉を落としてすぐまく
- 実を水の中でもみ、浮いた果肉と種を捨て、沈んだ種だけを赤玉土に一センチの深さでまきます。乾かさず日陰に置きます。
- 二年目の春まで待つ
- 一年目に芽が出なくても、鉢を軒下に置いたまま乾かさずに翌春を待ちます。二年目に一斉に芽が出ることが多い木です。
ビバーナムの挿し木・接ぎ木に使うもの
木を増やす方法は挿し木と接ぎ木で、要るものが違います。まず自分の木がどちらで増えるかを確かめます。
- 挿し木用土(鹿沼土・赤玉土小粒)探す言葉「挿し木 用土 鹿沼土」
- 規格の目安
- 鹿沼土か赤玉土の小粒、単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木 ルートン」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプ。
木は草花より根が出にくく、種類によっては差がはっきり出ます。
- 接ぎ木用ナイフ探す言葉「接ぎ木ナイフ 園芸」
- 規格の目安
- 片刃で、刃の平らなもの。よく研げるもの。
接ぎ木は切り口の面が合うかどうかがすべてです。普通のカッターでは平らな面を作れません。
- 接ぎ木テープ探す言葉「接ぎ木テープ 園芸」
- 規格の目安
- 伸びて自然に劣化するタイプ。幅 20〜30mm。
接いだところを密着させ、乾燥を防ぎます。外し忘れると幹に食い込むので、劣化するものが安全です。
- 挿し木で増える種類なら、接ぎ木の道具は要りません。
- 苗木を買うほうが早く実を付ける木も多く、増やすのは趣味の範囲と割り切る選択もあります。
ビバーナムの上手に育てるコツは作物ページに
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