系統ごとに剪定の時期が違う
ビバーナムは前年に伸びた枝の先に花芽を作る種類がほとんどです。花が終わってから夏までに切れば翌年の花芽が間に合いますが、秋から冬に切ると花芽ごと落としてしまいます。自分の木がいつ咲くかを見て、花後一か月以内に済ませるのが原則です。
| 系統 | 剪定の適期 | 避ける時期 |
|---|---|---|
| スノーボール・オオデマリ | 花後の5月下旬〜6月 | 8月以降(花芽ができる) |
| ティヌス | 花が終わる4月〜5月 | 9月以降(つぼみが付く) |
| ガマズミなど実物 | 実を落とした冬〜2月 | 開花直前の4月 |
枯れ枝や折れた枝はいつ切ってもかまいません。迷ったら枯れ枝だけ落として、本格的な剪定は適期まで待ちます。
自然樹形を生かして枝を抜く
ビバーナムは丸く柔らかい樹形が持ち味で、生け垣のように刈り込むと花が減って枝が細かくなります。基本は枝の付け根から抜く間引きです。混み合った部分を見て、内側に向かう枝、交差する枝、地際から出るひこばえを元から切ると、風が通って病気も減ります。
付け根で切るときは、枝の根元にある少しふくらんだ襟の部分を残します。ここには傷を塞ぐ組織があり、残しておくと一〜二年で切り口が皮に覆われます。襟ごと削ると傷が乾いて幹の中まで枯れ込むので、切る位置を見て判断してから刃を入れます。
- 内向きの枝を元から切る
- 株の中心に向かって伸びる枝は日が当たらず花も付かないので、付け根で切ります。切り口は枝の付け根のふくらみを残す位置にします。
- 交差する枝は弱いほうを抜く
- 二本がこすれ合う場所は傷から病気が入ります。細いほう、または向きの悪いほうを付け根で落とします。
- ひこばえを整理する
- 地際から勢いよく出る枝は栄養を奪います。株を若返らせたい場合だけ二〜三本残し、あとは根元から切ります。
- 全体の三割以内にとどめる
- 一度に枝の三割を超えて落とすと、翌年は徒長(勢いよく伸びる細長い枝)した枝ばかり出て花が減ります。数年に分けて整えます。
スノーボールとオオデマリの切り方
花が終わると花房の下から新しい枝が二〜三本伸び、その先に翌年の花芽が付きます。花後すぐに花房の下の葉を二〜三枚残して切ると、そこから出た枝がちょうどよい長さで秋までに充実します。大きくなりすぎた株は、花後に太い枝を株の高さの三分の一ほどまで切り戻せば、翌年の花は減りますが二年目から元に戻ります。
- 花がらを付け根で落とす
- 花が茶色くなったら花房の付け根で切ります。実を付けない系統なので残す意味がなく、放置すると枝が弱ります。
- 伸びすぎた枝を切り戻す
- 枝の長さの半分以内で、外向きの葉のすぐ上を切ります。切った位置から二本に分かれて伸びるので、株が広がりすぎない場所を選びます。
ティヌスの刈り込みは軽く
常緑のティヌスは芽吹く力が強く、軽い刈り込みには耐えます。ただし冬から春に咲くので、刈り込むのは花が終わった四〜五月の一回にとどめます。夏に形を直したくなっても、枝先を一〜二節ほど摘む程度にして、九月以降はつぼみが枝先に付いているので触りません。
刈り込みばさみで面を切ると葉が半分に切れて茶色く残ります。見た目が気になるなら、剪定ばさみで枝先を一本ずつ葉の付け根で切る方法に変えると、切り口が目立ちません。時間はかかりますが鉢植えなら十分に手が回ります。
| 目的 | 切る量 | 時期 |
|---|---|---|
| 生け垣の面をそろえる | 枝先5〜10センチ | 花後の4〜5月 |
| 鉢植えを小さく保つ | 枝の長さの3分の1 | 花後の4〜5月 |
| 古い株の更新 | 地際から30〜40センチ | 3月、数年に1回 |
切ったのに花が咲かないときの原因と直し方
翌春に花が付かない失敗のほとんどは、秋以降に枝先を切ったか、日陰で枝が徒長したかのどちらかです。前者なら翌年は切る時期を花後一か月以内に戻すだけで回復します。後者は枝が細く節が長く伸びているので、周りの木を透かして日を入れるか、株を移植します。窒素分の多い肥料をやりすぎても葉ばかり茂って咲かないので、肥料を秋に与えるのもやめます。
- 枝先を見て切り分ける
- 枝の先端が切り口で終わっていて芽が横から出ているなら剪定の時期の失敗、枝が長く節の間が広いなら日照不足です。
- 一年は切らずに待つ
- 時期を間違えて切った株は、翌年一年間は枯れ枝以外を切らずに置きます。その次の春には枝先に花が戻ります。
太い枝を切ったあとの手当て
直径二センチを超える枝を切ったときは、切り口から雨水が入って枯れ込むのを防ぐため、市販の癒合剤を塗っておきます。切り口は枝の付け根のふくらんだ部分をわずかに残す位置で、幹と平行に切ると塞がりが早くなります。幹に食い込むように切ると傷が塞がらず、そこからカミキリムシが入ることもあります。
切った直後の株は葉が減って根とのつり合いが崩れるので、その後一か月は水切れに注意します。切り口の下から出る新しい芽は、外向きの二〜三本を残して他はかき取ると、翌年きれいな枝ぶりになります。
- 癒合剤を塗る
- 切ったその日のうちに切り口全体に薄く塗ります。数日たつと表面が乾いて効きが落ちるので、切ってすぐが基本です。
- 切り口の芽を整理する
- 一か月ほどして切り口の下から芽がいくつも出たら、外向きの二〜三本だけ残して、他は指でかき取ります。
ビバーナムの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
ビバーナムの上手に育てるコツは作物ページに
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