目的に合わせて増やし方を選ぶ
ニチニチソウは挿し芽と種の両方で増やせます。気に入った色の株を同じ姿で増やしたいなら挿し芽、たくさんの株が欲しいなら種取りです。栄養系の品種は種が付きにくく、付いても親と同じ姿になりにくいので、挿し芽で増やします。種系の品種はどちらでも増やせますが、園芸品種の種は色が変わることがあります。
どの方法でも、増やした株が花を咲かせるまでには日光と暖かさが要ります。六月に挿し芽をした株はその年の八月から咲き、九月に挿した株は翌年の初夏に咲きます。増やす時期を目安に、いつ咲かせたいかから逆算して決めます。
| 目的 | 方法 | 適期 |
|---|---|---|
| 同じ色の株を増やす | 挿し芽 | 6月〜9月 |
| たくさんの株が欲しい | 種取り | 9月〜10月に採種、翌4月にまく |
| 翌年も同じ株を育てる | 挿し芽して室内で冬越し | 9月に挿し、11月に室内へ |
| 栄養系の品種 | 挿し芽 | 6月〜9月、種は不向き |
栄養系の一部の品種は、生産者が増殖を制限しているものがあります。個人で楽しむ範囲で増やしてください。
挿し芽は切り戻した枝を使う
八月の切り戻しで出た枝をそのまま挿し芽にすると、無駄なく増やせます。茎の先端から二〜三節を切り、下の葉を取って湿った土に挿すと、二〜三週間で根が出ます。ニチニチソウは根が出やすい植物ですが、湿りすぎると挿し穂が腐るので、土は乾き気味に保ちます。
- 先端から二〜三節を切る
- 花やつぼみの付いていない元気な枝を選び、先端から二〜三節で切ります。花が付いていたら取り除きます。
- 下の葉を取り、水に一時間つける
- 土に挿す部分の葉を取り、切り口を水に一時間ほどつけて吸水させます。これで挿した後のしおれが減ります。
- 赤玉土の小粒に挿す
- 湿らせた赤玉土の小粒か挿し芽用の土に、一節が埋まる深さで挿します。肥料入りの土は切り口が腐ります。
- 明るい日陰で乾き気味に
- 直射日光を避けた明るい場所に置き、表面が乾いたら与える程度にします。軽く引いて抵抗があれば根が出ています。
水挿しでも根が出ます。根が二センチほどになったら土に植えます。長く水に置くと土に慣れにくくなります。
挿し芽の株を室内で冬越しさせる
ニチニチソウは本来は多年草で、十度以上を保てば冬を越せます。九月に挿し芽をして小さな鉢で根付かせ、十一月に霜が降りる前に室内の日当たりの良い窓辺へ移します。冬は水を控えめにし、暖房の風が直接当たらない場所に置きます。春に暖かくなったら屋外へ出し、切り戻して新芽を出させます。
冬越し中に葉が少し落ちるのは普通で、茎が緑で固ければ生きています。茎が茶色く柔らかくなったら寒さか過湿で傷んでいるので、暖かい場所へ移して水を止めます。
| 時期 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 9月 | 挿し芽して根付かせる | 小さな鉢に二〜三本まとめて |
| 11月上旬 | 室内の窓辺へ | 最低気温が10度を切る前に |
| 12月〜3月 | 乾かし気味に管理 | 土が乾いて数日後に少量、肥料なし |
| 4月下旬〜5月 | 屋外へ出して切り戻す | 最低気温が15度を超えたら |
大株をそのまま室内に入れるより、挿し芽の小さな株のほうが場所を取らず、冬越しの成功率も高くなります。
秋に種を取って春にまく
花の後にできる細長いさやが茶色く乾いたら種取りの時期です。さやは二本一組で付き、割れると黒い細長い種が飛び散るので、色づき始めたら早めに切り取ります。封筒に入れて冷蔵庫の野菜室で保存し、翌年四月に室内でまきます。種は光を嫌うので、五ミリほど土をかけます。
- さやが茶色くなったら切る
- さやが緑から茶色に変わり、先が割れ始める前に切り取ります。割れると種が飛んでしまいます。
- 紙袋で乾かして種を出す
- 切ったさやを紙袋に入れて一週間乾かします。さやが割れて種が袋の底にたまるので、ごみを取って封筒に入れます。
- 四月に室内でまく
- 二十五度前後で発芽するので、四月に室内の暖かい窓辺でまきます。土を五ミリかけ、発芽まで乾かさないようにします。
採った種は親の色と違う花が出ることがあります。決まった色を残したいなら挿し芽を選びます。
挿し芽や冬越しがうまくいかないときの原因
挿し芽が黒く腐るなら土が湿りすぎているか古い土、しおれて枯れるなら日が強いか水切れです。冬越しの株が枯れるのは、寒さか水の与えすぎがほとんどです。原因を直せば、ニチニチソウは再挑戦しやすい植物です。
秋の挿し芽は冬を越す必要があるので、根が出たら早めに室内へ移します。春の挿し芽は梅雨の蒸れに注意し、根が出たら風通しの良い場所へ移して乾かし気味に管理します。
| 症状 | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 挿し穂が黒く腐る | 土が湿りすぎ、古い土 | 新しい赤玉土に挿し直し、乾いたら与える |
| 挿し穂がしおれて枯れる | 日が強い、水切れ | 明るい日陰へ移し、袋をかぶせて湿度を保つ |
| 冬越しの株が黄ばんで落葉 | 寒さ、水の与えすぎ | 十度以上の窓辺へ、水を減らす |
| 種から違う花が咲いた | 園芸品種の性質 | 気に入った株を挿し芽で残す |
挿し芽は一度に十本ほど挿しておくと、数本失敗しても十分な株数が残ります。
日々草の挿し芽・株分けに使うもの
挿し芽は、肥料分のない清潔な土に挿すのが基本です。培養土に挿すとうまくいかないのはそのためです。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒・鹿沼土)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用、または「挿し芽・種まき用」と書かれた土。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L、育苗箱 1 枚で 2L 前後。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプか、液に浸すタイプ。
根の出にくい種類で成功率が変わります。出やすい草花なら無くても十分です。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。斜めに一度で切るのが基本です。
- 3 号ポット・育苗箱探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)のポットか、浅い育苗箱。
根が出るまでは小さい容器のほうが管理しやすく、乾き具合も見えます。
- 発根しやすい草花なら、発根促進剤は要りません。水に挿すだけで根が出るものもあります。
- 密閉できる容器があれば、挿し芽用の温室は要りません。
日々草の長く咲かせるコツは作物ページに
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