切る理由をはっきりさせる
ユッカは幹を途中で切ると、切り口の下から新しい芽が二本か三本出ます。この性質を使えば、背が高くなりすぎた株も葉が垂れた株も作り直せます。
下の表で今の株と目的に近い行を選んでください。切る高さでその後の姿が決まるため、仕上がりを想像してから決めることが大切です。
葉だけを整える手入れなら時期を選びませんが、幹を切る作業は初夏に限ります。時期を外すと芽が出ないまま切り口が枯れ下がります。
| 目的 | 切る位置 | 時期 |
|---|---|---|
| 背が高すぎるので低くする | 残したい高さで幹を切る | 5〜7月 |
| 垂れた葉の姿を作り直す | 葉の下、幹の途中で切る | 5〜7月 |
| 枝分かれさせて幅を出す | 幹の上のほうで切る | 5〜7月 |
| 枯れた葉を整えるだけ | 葉を付け根から外す | 通年 |
弱っている株は切りません。幹を押して硬さを確かめ、しっかり張りがある株にだけ行います。柔らかい部分がある株は先に根を確かめます。
適期を外さない
切り戻しの適期は五月から七月です。気温が高く生育の勢いがあるこの時期なら、切り口の下から一か月ほどで新しい芽が動きはじめます。
秋以降に切ると芽が出る前に寒さが来て、切り口から枯れ下がります。冬に姿が気になっても春まで待つほうが、結果は確実によくなります。
| 時期 | 切り戻しの可否 | 起きること |
|---|---|---|
| 5〜7月 | 最適 | 1か月ほどで切り口の下から芽が出る |
| 8〜9月 | 可 | 芽は出るが固まる前に気温が下がる |
| 10〜11月 | 避ける | 芽が出ず切り口から枯れ下がる |
| 12〜4月 | 行わない | 低温で枯れ込みが幹の下まで進む |
切り戻しの手順
切ること自体は難しくありませんが、切り口をぬらさないことと、切ったあとに水を減らすことの二つを守れるかで結果が分かれます。順を追って進めてください。
- 残す高さを決める
- 少し離れて眺め、残す高さを決めます。切り口のすぐ下から芽が出るので、仕上がりは切った高さより一回り大きくなります。
- のこぎりで水平に切る
- 幹は硬いのでのこぎりを使います。水平に一気に切り、切り口が裂けないよう反対側から支えながら進めます。
- 切り口を乾かす
- 切ったあとは切り口をぬらさず、風通しのよい日陰で乾かします。心配なら園芸店で売られている癒合剤を塗ります。
- 水を控えて待つ
- 葉が減ったぶん水を吸う量も減ります。切ってから一か月は間隔を倍に空け、新芽が動いてから通常に戻します。
- 芽を選んで残す
- 切り口から三本以上の芽が出たら、向きのよい二本か三本を残して他を外します。数が多いと一本ずつが細くなります。
切った幹で増やす
切り取った幹は捨てずに挿し木に使えます。ユッカの幹は葉がなくても発根する力があり、これを幹挿しと呼びます。適期は切り戻しと同じ五月から七月です。
幹挿しは成功率が高く、切り戻しのついでに試せます。三本ほど挿しておけば、条件が合わなかった年でも一本は芽を出してくれるので、予備としても心強い方法です。
- 長さをそろえて切る
- 幹を十センチから二十センチほどに切り分けます。上下がわからなくならないよう、上側に印を付けておきます。
- 上下を間違えない
- 逆さに挿すと芽も根も出ません。切り分けるときに必ず印を付け、挿すときは元の上下のまま土に入れます。
- 数日乾かす
- 切り口を三日ほど日陰で乾かします。湿ったまま挿すと雑菌が入り、幹の中から黒く腐ります。
- 肥料のない土に挿す
- 赤玉土の小粒や鹿沼土に、幹の三分の一が埋まる深さで挿します。肥料入りの土は発根前の切り口を傷めます。
- 乾かし気味に待つ
- 土の表面が乾いてから軽く与える程度に保ちます。一か月から二か月で芽が動き、そのあと根が伸びてきます。
芽が出ないときの原因と手当て
切ってから二か月たっても芽が動かないときは、時期、温度、水のどれかに原因があります。下の表で心当たりを探し、条件を変えて待ちます。
| 状態 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 幹は硬いが芽が出ない | 気温が低い | 20℃以上の日なたへ移してさらに待つ |
| 切り口から黒く枯れ下がる | 切り口をぬらした | 硬い位置まで切り直して乾かす |
| 幹が柔らかくなってきた | 水が多すぎた | 水を止め、腐った部分を切り落とす |
| 挿し木だけ芽が出ない | 上下を逆に挿した | 抜いて向きを確かめ、挿し直す |
切り戻しから芽が出るまでは、幹だけの見た目が続いて不安になります。幹が硬く張りを保っているうちは生きているので、水を与えずに待ちます。
毎年の手入れの流れ
ユッカは手のかからない植物です。年に一度だけ姿を見直し、必要があれば初夏に切るという流れを覚えておけば、何年も同じ株を楽しめます。
| 時期 | 作業 | ねらい |
|---|---|---|
| 4〜5月 | 屋外へ慣らす | 日光に当てて葉を締める |
| 5〜7月 | 切り戻しと幹挿し | 姿を作り直し、株を増やす |
| 8〜10月 | 枯れ葉を外すだけ | 見た目を保つ |
| 11月 | 室内へ取り込む | 霜を避けて冬に備える |
切った幹から増やした株は、親株と同じ性質を受け継ぎます。長く育てた株の姿が気に入っているなら、幹挿しで残しておくと安心です。
ユッカの剪定・仕立てに使うもの
室内の植物は、切ることで形を保ちます。切った枝がそのまま挿し木の材料になるのも鉢ものの利点です。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 小型 室内」
- 規格の目安
- 刃渡り 4〜5cm。バイパス式(刃が交差するもの)。
生きた枝を切るならバイパス式です。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。
株を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 支柱・ヘゴ棒探す言葉「ヘゴ棒 支柱 観葉植物」
- 規格の目安
- 鉢の深さ + 植物の高さ。つる性のものは水を含む素材の棒が向きます。
つるを這わせる植物は、支えがあると葉が大きくなります。垂らしたままだと葉が小さいままのことがあります。
- 園芸用手袋探す言葉「園芸手袋 背抜き 薄手」
- 規格の目安
- 手のひらにゴムを張った薄手のもの。
切ると白い汁の出る植物があり、かぶれることがあります。厚い手袋だと細かい作業ができません。
- 柔らかい茎なら、指で摘めばはさみは要りません。
- 癒合剤は木の太い枝を切るときのもので、鉢の観葉植物には要りません。
ユッカの上手に育てるコツは作物ページに
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