結論
- 発芽後に枯れる原因は、株元が細くくびれて倒れる「立枯れ」、株元から切られて消える「ネキリムシ」、全体がしおれる「乾き」の 3 つがほとんど
- 株元を見て原因を決め、立枯れなら枯れた株を抜いて水を控える、虫なら株元の土を掘って捕まえる、乾きなら朝夕の水やりに戻す
- 今日やるのは、枯れた株の株元を観察して原因を絞り、残った株を守ること
まず確かめる: 株元の見え方で原因を絞る
秋まきの大根・ほうれん草・小松菜・かぶなどは、発芽して数日から 2 週間の間がいちばん弱く、この時期の枯れ方はだいたい 3 通りに分かれます。原因によって対処が正反対になるので、枯れた株の株元をよく見てから動きます。
| 枯れ方 | 見分け方 | 原因 |
|---|---|---|
| 株元が茶色く細くくびれて倒れる | 土の際の茎が水に浸したように変色。葉は緑のまま倒れる | 立枯れ (土の中の病原菌) |
| 株元からすっぱり切られている | 根元だけ残って上が消えている。周りの土に穴 | ネキリムシ・ヨトウムシ |
| 葉全体がしおれて縮む | 土の表面が白く乾き、指を 2cm 入れても湿りがない | 水切れ |
| 葉に小さな穴・かじり跡が増える | 葉の裏に虫。芽がすべて食われて消える | ダイコンハムシ・アオムシ等の食害 |
原因 1: 立枯れ (株元がくびれて倒れる)
9 月の残暑で土が湿ったままになると、土の中の病原菌が発芽直後の柔らかい茎を侵します。株元が細くくびれ、葉は緑のまま倒れて、数日で枯れます。同じ場所に去年も同じ野菜を作っていた畝や、水はけの悪い畝で起きやすい症状です。
対処は、枯れた株を根ごと抜いて畑の外に出し、周りの水やりを一時止めて土の表面を乾かします。密にまきすぎている所は早めに間引いて風通しをよくします。広がり続ける場合は、その畝をあきらめて別の場所にまき直します。
立枯れが出た畝に、同じ科の野菜をすぐまき直すと再発しやすいです。まき直すなら別の畝にするか、同じ畝なら 1〜2 週間土を乾かしてからにします。
原因 2: ネキリムシ・ヨトウムシ (株元から切られる)
夜の間に株元をかじられて、朝見ると芽が倒れているか消えています。切り口はきれいで、周りの土に浅い穴があります。犯人は株元から 2〜5cm の土の中に丸まって隠れているので、被害株の周りを指で掘ると見つかります。1 匹で一晩に何株もやられるため、見つけ次第捕まえるのが最も効きます。
- 被害株の周り 5cm を指で 3cm ほど掘って、灰色や茶色の幼虫を探す
- 朝早くに見回る。夜行性なので日中は土の中
- 残った株の株元に、切ったペットボトルやトイレットペーパーの芯を筒状に立てて囲う
- 畝の周りの雑草を取る (幼虫の隠れ場所を減らす)
- 不織布のべたがけで、蛾の産卵そのものを防ぐ
原因 3: 水切れと高温 (全体がしおれる)
9 月上旬の残暑では、朝水をやっても午後には表面が乾きます。発芽したばかりの苗は根が 1〜2cm しかなく、表面が乾くとそのまましおれて枯れます。「まいたときはたっぷりやった」畝で枯れるのはたいていこれです。芽が出てから本葉 2 枚までは朝夕 2 回、その後は朝 1 回に切り替えます。
不織布や寒冷紗を上からかけると、乾きも直射日光も和らぎ、蛾や蝶の産卵も防げます。発芽後の 2 週間だけでも効果は大きいです。
原因 4: 葉の食害で芽が消える
大根・かぶ・小松菜などのアブラナ科は、発芽直後の子葉をダイコンハムシやアオムシ、バッタに食われて、気づくと畝から芽がなくなっていることがあります。葉に小さな穴が増えているうちに気づけば、葉の裏の虫を手で取り、不織布をかけて守れます。
まき直しの期限 (関東露地の目安)
残った株が半分以下なら、欠けた所にまき足すかまき直します。関東の露地では、大根・かぶ・小松菜・ほうれん草は 10 月上旬まで、それを過ぎたら小松菜やほうれん草など生育の早いものに切り替えます。地域差として、寒地では 9 月中に、暖地では 10 月下旬まで余裕があります。まき直すときは、株元を守るために不織布のべたがけを最初からかけます。
- 大根・かぶ: 10 月上旬まで。過ぎたら早生・小型の品種
- 小松菜・水菜: 10 月下旬まで。トンネルをかければ 11 月上旬も
- ほうれん草: 10 月下旬まで。寒さに強いので遅めでも育つ
失敗と戻し方
「立枯れだと思って水を止めたら、今度はしおれた」なら、乾きすぎです。土の表面が乾いてから朝だけ水をやる状態に戻し、日中は寒冷紗で日よけをします。逆に「乾きだと思って水を増やしたら倒れる株が増えた」なら立枯れなので、水を止めて畝を乾かします。判断に迷うときは、株元のくびれの有無で決めます。
「虫を捕まえても被害が続く」場合は、まだ土の中に別の幼虫がいます。被害株の周りをもう一度掘るか、株元に筒を立てて物理的に守ります。芽がまったく出ていない、または出るのが遅い場合は発芽の問題なので、大根が発芽しないの記事を読んでください。
今日やること
- 枯れた株の株元を見て、くびれ・切り跡・乾きのどれかを決める
- 原因に合わせて、抜いて乾かす・虫を掘る・水をやる、のどれかを今日行う
- 枯れた株数と原因を Gadenin アプリに記録し、まき直しの期限を通知で受け取る
よくある質問
- プランターでも立枯れは起きますか?
- 起きます。使い回しの土や、鉢皿に水がたまったままの状態で出やすいです。新しい培養土を使い、鉢皿の水は捨て、土の表面が乾いてから水をやるようにします。
- 枯れた株をそのままにしてもよいですか?
- 立枯れなら残った株に広がるので、根ごと抜いて畑の外に出します。虫や乾きなら残しても害はありませんが、抜いて欠けた所にまき足す方が畝を有効に使えます。
- 薬を使わずに防ぐ方法はありますか?
- 不織布のべたがけが最も手軽で、乾き・直射・産卵の 3 つをまとめて和らげます。あとは水はけのよい畝、密まきを避ける間引き、朝の見回りの 3 つで、多くの被害は防げます。