結論
- 又根は、伸びていく根の先端が土の中で石・土の塊・未熟な堆肥や肥料の塊にぶつかって傷み、脇から根が伸びて二股になるもの。まいたあとの管理より、まく前の土づくりでほぼ決まる
- 今年の株は又根でも食べられる。今からできるのは、原因を確かめて次の畝を深く耕すことと、10 月中の追いまき
- 今日やるのは、又根の形を見て原因を絞り、来年の畝の耕し方を決めること
まず確かめる: 又根の形で原因を絞る
大根の根は、まいてから 2〜3 週間で 30cm 以上まっすぐ伸び、その後に太ります。この伸びる時期に先端が傷つくと、そこから先が止まって脇根が太り、又根になります。分かれ方や分かれる位置を見ると、原因がある程度分かります。
| 又根の形 | 見分け方 | 考えられる原因 |
|---|---|---|
| 深い位置で 2〜3 本に分かれる | 分岐点が 15〜20cm より下 | 石・硬い層 (耕盤)・土の塊 |
| 浅い位置で多数に分かれる | 分岐点が 10cm 以内で細い根が多い | 未熟堆肥・肥料の塊・元肥の量が多い |
| 先端が黒ずんで細かく分かれる | 根の表面に傷や褐色の斑点 | 線虫・キスジノミハムシの幼虫などの根の害虫 |
| 曲がりながら分かれる | 根全体がねじれている | 移植・間引きの遅れ・密植 |
原因 1: 石・土の塊・硬い層 (いちばん多い)
根の先端は非常に柔らかく、小石や固まった土に当たるだけで止まります。表面 10cm だけ耕した畝や、前作の後に耕さずまいた畝でよく起きます。大根の畝は、品種の根の長さより 10cm 深く、30cm 以上を目安に耕して石と塊を取り除きます。
耕運機で毎年同じ深さを耕していると、その下に硬い層 (耕盤) ができて根が入れません。スコップを深く差して、ある深さから急に硬くなるなら耕盤です。一度だけ 40cm ほど掘り返して壊すと、翌年以降は楽になります。
原因 2: 未熟な堆肥と肥料の塊
分解しきっていない堆肥や、固まった化成肥料に根が触れると、そこが傷んで脇根が伸びます。分岐点が浅く、細い根が多数出ている又根はこれが疑われます。堆肥は完熟のものをまく 2〜3 週間前に混ぜ、元肥は少なめにして、根が伸びる範囲に塊を残さないように土とよく混ぜます。
まく直前に堆肥や鶏ふんを入れると、分解の熱とガスで根が傷んで又根になります。堆肥を入れてから 2〜3 週間はあけて、土となじませてからまいてください。
原因 3: 根を傷つける害虫
根の表面に褐色の傷や小さな穴があり、先端が黒ずんで分かれているなら、線虫やキスジノミハムシの幼虫などが根の先端を傷つけた可能性があります。同じ畝で毎年アブラナ科を作っていると増えやすいので、連作を避けて 2〜3 年は別の科を作ります。
原因 4: 移植と間引きの遅れ
大根は直根が傷むと又根になるため、ポットで育てて移植するのは向きません。畑に直接まきます。また間引きが遅れて隣の株と根が絡むと、曲がって分かれることがあります。本葉 1〜2 枚で 3 本、本葉 5〜6 枚で 1 本にし、抜くときは隣の根を動かさないよう株元を押さえて引きます。
間引きで残す株は、葉が左右対称でまっすぐ立っているものを選びます。葉が傾いている株は、土の中で根が曲がっていることが多いです。
来年の予防: まく前の土づくり
又根はまいてからでは直せないので、予防はすべて土づくりに集中します。関東の露地では 9 月中旬〜下旬の種まきに向けて、8 月下旬〜9 月上旬に次の作業をします。地域差として、寒地では 8 月中に、暖地では 10 月上旬まで種まきの余裕があるので、その 2〜3 週間前に合わせます。
- 畝を 30cm 以上 (品種の根の長さ + 10cm) 耕し、石と土の塊を取り除く
- 完熟堆肥をまく 2〜3 週間前に混ぜ、元肥は控えめに土全体になじませる
- スコップを深く差して硬い層があれば、一度 40cm まで掘り返して壊す
- 前作がアブラナ科なら畝を替える (連作を避ける)
- 直まきにして移植しない。間引きは本葉 1〜2 枚と 5〜6 枚の 2 回
失敗と戻し方
「収穫した大根が全部又根だった」場合、今年の株は形が悪いだけで味は変わりません。抜いて煮物や漬物にして構いません。10 月上旬までなら、原因を取り除いた別の畝に早生・小型の品種をまき直すと、年内に収穫できます。
「深く耕したのに又根になった」なら、堆肥や肥料の塊、または害虫が疑われます。根の表面を洗って傷や斑点を確かめ、傷があれば来年は畝を替えます。傷がなく浅い位置で多数に分かれていれば、堆肥を入れる時期を早めて量を減らします。芽そのものが出ない場合は別の問題なので、大根が発芽しないの記事を読んでください。
今日やること
- 収穫した又根の分岐点の深さと根の表面を見て、原因を 1 つに絞る
- 次の畝にスコップを深く差し、硬い層と石の有無を確かめる
- 又根の本数と原因を Gadenin アプリに記録し、来年の土づくりの時期を通知で受け取る
よくある質問
- 又根の大根は食べられますか?
- 食べられます。形が悪いだけで味や食感は変わりません。分かれた部分は皮が厚くなりやすいので、少し厚めにむくと食べやすいです。
- プランターでも又根になりますか?
- なります。鉢の底に根が当たると分かれるので、深さ 30cm 以上の鉢を使い、短い品種を選びます。培養土に固まりがあればほぐしてから使います。
- 堆肥を入れずに育てれば又根は防げますか?
- 又根は減りますが、土が固いままだと根が伸びずに短くなります。完熟堆肥を早めに入れてよく混ぜるのが、又根も防ぎ根も太らせる方法です。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。